市場の関心は来週の日銀会合結果発表に(12/15夕)

15日の東京市場は乱高下。142円を中心に上下50ポイント程度の値動きをたどるも、結果はほぼ「行って来い」だった。

市場の関心は来週の日銀会合結果発表に(12/15夕)

市場の関心は来週の日銀会合結果発表に

〇ドル円、141.85-90で寄り付くも明確な方向性乏しく、142円中心の上下50ポイントレンジにとどまる
〇ドル円相場は昨日底割れし140円台を示現、短期的なボトムを付けた公算もあるが予断を許さない
〇来週の日銀会合結果発表への関心高く、市場は来年以降の見通しについて注目
〇テクニカルには基本的なリスクは下方向、昨日安値140.95を下回ると140円割れもあり得るか
〇ドル円予想レンジは141.20-142.60、ドル高・円安方向は本日の東京高値の142円半ばが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、まず東京安値141円半ばの攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場は乱高下。142円を中心に上下50ポイント程度の値動きをたどるも、結果はほぼ「行って来い」だった。

ドル/円は141.85-90円で寄り付いたものの、明確な方向性は乏しい。週末らしくポジション調整と思しき円売りが観測される局面も見られたが、米長期金利の低下などもあり、ドル買い・円売りは続かなかった。結局、142円を中心に上下50ポイントレンジにとどまり、16時現在では142.00-05円で推移、欧米市場を迎えている。
なお、そんななか鈴木財務相から「為替はファンダメンタルズ反映し安定的に推移すること望ましい」との発言が聞かれていたようだ。

一方、材料的に注視されていたものは「欧州金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、13日の米FOMCに続き、昨14日は欧州において政策金利の発表が相次いだ。その先陣を切ったノルウェー中銀がまさかの利上げを実施。それを受けノルウェークローネが一時急騰する局面も観測されている。その後発表された英国そしてECBによる政策金利は、事前予想通りの据え置き。しかし、ベイリー中銀総裁が「インフレ退治でまだやるべきことある」と述べるなど、やや強気な印象を残した英国に対し、ECBは「インフレは来年を通じて徐々に低下」といった文言が散見されるなど、予想よりも幾分弱めだった感を否めない。いずれにしても、これで市場の関心は来週の日銀会合へと完全に移行した感がある。果たして、如何なる内容となるのか注目だ。

対して後者は、プーチン大統領はモスクワで「今年の総括」と題する年末会見を開き、そのなかで強気発言を繰り返していた。たとえば、「ロシアは主権なしには存在し得ない」と述べたうえで、ウクライナ侵攻を継続する考えを示したほか、ウクライナが今年6月に始めた反転攻勢は失敗し、「ロシア軍がすべての前線で陣地を改善した」とも発言している。一方、それとは別に、ロシアへ12月上旬に新たに着任した日本の武藤大使が、同国外務次官と会談し信任状を手渡したものの、いきなり「前例のない日露関係悪化の責任は全面的に日本側にある」などと強く非難されたと一部で報じられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日底割れし、7月31日以来の140円台を示現している。短期的なボトムを付けた公算も取り沙汰されているが、材料的に来週はじめ注目の日銀金融政策決定会合の結果発表を控えていることからすると、予断を許さない。昨日安値140.95円を割り込み、さらなる下値を試す可能性もある。ちなみに、7月安値137.25円を起点とした上げ幅のフィボナッチでは、76.4%戻し140.70円レベル。しっかり下回ってしまうと、中期的には140円割れそして全戻しも否定できない。
依然として日米欧の金融政策が関心を集めるものの、前述したように取り敢えず米英欧による政策金利発表は昨日までに終了した。残るは日銀で、市場筋の注目はすでにそちらに移行しているようだ。なお、日銀についても米国などと同様で、具体的な政策金利変更は予想されていないなか、問題なのは来年以降の見通しについて。市場はある程度の政策変更を織り込んでいるが、それを超えてくる弱気見通しとなるのか否かに注目だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は短期的にはともかく中期的には依然として下げ止まった感がなく、基本的なリスクは下方向にバイアスか。先で指摘しように、フィボナッチポイントも近い昨日安値140.95円を下回ると、140円割れも考える必要がありそうだ。とは言え、来週に日銀会合の結果発表を控えていることで、本日に限ればドルは底堅そう。様々な思惑が交錯するなか、141-143円程度のレンジ取引をたどる展開も。

本日は米経済指標として、12月のNY連銀製造業景況指数や同製造業PMI速報、11月の鉱工業生産などが発表される予定となっている。これまでの流れを勘案すると、米指標が悪化すればドル売りが再びかさむ可能性も否定できない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは141.20-142.60円。ドル高・円安方向は本日の東京高値である142円半ばが最初の抵抗。上抜けると143円台へ乗せても不思議はないが、それでもドルの上値が重い。
対するドル安・円高方向は、まず東京安値141円半ばの攻防に注目。下回ると昨日安値140.95円を目指す展開に。下値は引き続き波乱含みだ。

市場の関心は来週の日銀会合結果発表に

ドル円日足


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