英欧金融政策に注目、欧州通貨主導の展開か(12/14夕)

14日の東京市場はドルが続落。一時140円台を示現するなど、直近安値を再び下回っている。

英欧金融政策に注目、欧州通貨主導の展開か(12/14夕)

英欧金融政策に注目、欧州通貨主導の展開か

〇ドル円、緩やかな右肩下がりで一時140円台つけた後、終盤に掛けてはドル買い優勢
〇142円近くまで反発し、16時現在141.50-55で推移して欧米市場を迎える
〇米PPIの不調、FRB議長の利下げについての言及等がドル円急落の背景
〇テクニカルには、今後140-145円といった新レンジを形成するといった見方も
〇英国とECB政策金利も発表予定、ユーロやポンドの動きにより注意
〇米11月小売売上高、新規失業保険申請件数などの発表予定
〇ドル円予想レンジは141.00-143.00、ドル高・円安方向は本日の東京高値に近い143円レベル
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値である140.95-00が最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

14日の東京市場はドルが続落。一時140円台を示現するなど、直近安値を再び下回っている。

ドル/円は、寄り付いた142.90円レベルを日中高値にドルが冴えない。緩やかな右肩下がりをたどると、7月末以来となる一時140円台も。ザラ場ベースで、日経平均株価の下げ幅が400円を超える局面が観測されたことが嫌気された面もあったようだ。しかし、目先底値を付けたのち終盤に掛けては逆にドル買いが優勢に。ドルの戻りもなかなか速く142円近くまで反発し、16時現在では141.50-55円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「日本の政治情勢」について。
前者は、前日に発表された米CPIは予想通りの結果だったが、昨日発表された米PPIは予想を下回り失望を誘う。そうしたなか、注目の米FOMCの結果が発表され、政策金利は予想通りの「据え置き」。しかし、その後の会見でパウエルFRB議長が「適切なら追加利上げの用意がある」などと述べつつ、同時に利下げについての言及を行ったことでハト派の勢いを増長させる結果になった。そうした情勢を踏まえ、ドル/円は145円台から143円台へ急落。さらに本日東京時間には、前述したように一時141円割れも示現している。

対して後者は、自民党最大派閥・安倍派の政治資金パーティー収入の裏金化疑惑を受け、松野官房長官ら同派所属の閣僚4人が、岸田首相に辞表を提出した。これを受け、岸田首相は新たな閣僚人事をこのあと東京時間夕方にも発表する見通しだ。ただ、すでに新官房長官には林前外相、経産相には斎藤前法相が充てられる−−といった複数のメディア報道がなされており、基本路線から外れることは予想しにくい。いずれにしても、これで幕引きとなり、政権の支持率回復となるのか注目だろう。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、7日に示現した141.62円で当面の底をつけたと考えていたのだが、本日東京時間に同レベル割れ。一気に141円割れへと達している。その後の戻りも早いことで、あまり強いドルの下値リスクは感じないものの、それでもドルの続落には一応要注意。ちなみに、7月安値137.25円を起点とした上げ幅のフィボナッチでは、76.4%戻しが本日東京安値に近い140.70円レベルだ。しっかり下回ってしまうと、中期的には140円割れそして全戻しも否定できない。
引き続き日米欧の金融政策への関心が高い。うち米国については、前述したような状況を呈するなか、本日は英国とECBによる政策金利の発表などが実施される見通しだ。それもあり、ドル/円の動きも気掛かりではあるものの、ユーロやポンドの動きにより注意を払いたい。なお、英国そしてECBともに、昨日の米国同様具体的な政策金利ではなく、中銀が示す来年以降の見通しを注視している向きが大勢だ。市場ではクロス中心の円高を警戒する向きも少なくないが、果たしてどう動くか。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は形成していた大きな10円レンジを早々に下抜け。それだけでも下方向のリスクを感じさせるが、その後の値動きを見ると、形成レンジを下方向に拡大させただけの可能性もある。いずれにしても、もう少し情勢をしっかりと見極めたいところだ。今後は140-145円といった新レンジを形成するといった見方も。
本日は米経済指標として、11月の小売売上高や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。また昨日の米FOMCに続き、本日は英国そしてECBによる政策金利発表が実施される見込みだ。こちらの情勢はしっかりと見極めたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは141.00-143.00円。ドル高・円安方向は本日の東京高値に近い143円レベル。上抜けると144円台など、さらなる戻りも。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値である140.95-00円が最初のサポート。底堅いイメージもなくはないが、それでも割り込めば下値は再び波乱含みに。

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ドル円日足


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