東京市場のドルは一時140円台に急落、十字線示現だがトレンドは悪化中
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外の米10年債利回りの低下を受けて、一時140円台まで急落した。
昨晩の海外時間では、11月の米生産者物価指数が市場予想を下回り長期金利が低下。ドルが軟調推移となるなか、米連邦準備制度理事会(FRB)は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を3会合連続で据え置くことを決定した。当局金融政策決定者の予測が24年に3回(0.75%)の利下げを織り込むなどハト派な内容となったほか、パウエルFRB議長も記者会見でタカ派色を見せなかったことから、ドルは売り優勢となった。
東京時間では、時間外で米10年債利回りが8月10日以来となる4.0%台割れとなったことから、引き続きドルは売られ、12時30分過ぎには、7月31日以来となる140円台に突入する場面も見られた。売り一巡後は141円台まで値を戻したが、米10年債利回りは引き続き4.0%台を割り込んでおり、ドルの戻りは鈍くなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:142円58銭
高値:142円91銭
安値:140円97銭
終値:141円43銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:155円10銭
高値:155円56銭
安値:153円86銭
終値:154円07銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円95銭
高値:95円51銭
安値:94円83銭
終値:95円00銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:179円99銭
高値:180円42銭
安値:178円34銭
終値:178円69銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33032円30銭
高値:33120円55銭
安値:32515円04銭
終値:32686円25銭(前日比−240円10銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時30分、ス、スイス中銀政策金利、前回:1.75%、市場予想:1.75%
18時00分、ノ、ノルウェー預金金利、前回:4.25%、市場予想:4.25%
21時00分、英、英中銀政策金利、前回:5.25%、市場予想:5.25%
22時15分、欧、ECB政策金利、前回:4.5%、市場予想:4.5%
22時30分、米、小売売上高(前月比)、前回:−0.1%、市場予想:0.0%
22時30分、米、小売売上高(コア)(前月比)、前回:0.1%、市場予想:−0.1%
22時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:22.0万件、市場予想:22.5万件
22時45分、欧、ラガルドECB総裁が記者会見
28時00分、メ、メキシコ中銀政策金利、前回:11.25%、市場予想:11.25%
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表では、遅行スパンが実線を大きく下回っているほか、雲下限も下放れておりトレンドは大幅に悪化している。ボリンジャーバンドでも、拡大する−2σを下回って推移するなど下値模索の展開となっている。
7日につけた安値141円71銭を下回ったほか、200日移動平均線(MA)も下回っていることから、短期的な下げトレンドは継続と考える。一方、本日の東京時間での急落後の戻りによって、長い十字線が示現している。下げ局面での十字線示現は、相場の転換を示すことから、このまま十字線をキープできるか注目したい。
しかしながら、昨日のFOMCおよびパウエルFRB議長の記者会見後のドル急落は想定外だった。市場は利下げを織り込みすぎており、2024年末の見通しが3回程度の利下げであれば、ドルは買戻しが入ると考えていただけに真逆の展開となった。7日に141円台をつけた際、目立った動きを見せなかったドルインデックスは、11月末の水準とほぼ同じ102.6まで低下している。つまり昨晩のドル急落は明確な「ドル売り」ということだ。
今晩は、英中央銀行(BOE)理事会や、欧州中央銀行(ECB)理事会など欧州中銀の政策金利発表が相次ぐ。主戦場はユーロやポンドとなるが、すでに市場の関心は来週の日銀金融政策決定会合に向かっている。
欧米中銀が「利下げ容認」というスタンスに転換しつつある(ECBの発表はまだだが、市場は織り込んでいる)なか、日銀は金融政策正常化の地ならしに留まっている。今回の会合で、植田日銀総裁が踏み込んだ発言を行う可能性は低いとみられているものの、市場は「円高進行」を意識している。「ドル全面安」と「円全面高」が合わさるとドルは130円台突入の流れもあろう。ドル・円相場は来週にかけてボラタイルな展開となりそうだ。
今晩の海外時間では、さすがに140円台割れは無いと考えるが、ドルの戻りは鈍いことから、上値メドは142円50銭、下値メドは140円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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