ドルに続落リスク台頭するも基本はレンジか
〇本日ドル円、ドル売り先行で一時146.20-25まで下落、その後反騰して146.80円台まで戻す
〇146円をしっかり割り込めば145円では止まらない可能性も
〇本日は米10月製造業受注指数、ラガルドECB総裁の講演に要注目
〇週末の雇用統計を中心に、発表される米経済指標に一喜一憂する展開か
〇ドル円予想レンジは146.20-147.30、ドル高・円安方向は147円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、まずは本日東京安値146.20-25をめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
週明け4日の東京市場は結果「行って来い」。一時ドル安が進行、直近安値を下回るも攻め切れず、途中からは再び買い戻されていた。
先週末は、朝鮮中央通信が「北朝鮮の『偵察衛星運用室』が2日から任務開始」と報じ思惑を呼ぶ。一方、ウクライナのエネルギー省は「ザポロジエ原発が一時停電となり、大惨事の可能性もあった」と発表している。
そうした状況下、ドル/円は146.80円前後で寄り付いたものの、売りが先行するとドルはジリジリと値を下げ、146.20-25円まで値を崩す展開。しかし、下値も堅く攻め切れなかったことで相場は反転し、寄り付きを超える146.85-90円まで一時反騰高をたどっていた。16時現在では146.70-75円で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ガザ情勢」について。
前者は、王外相がベトナムを訪問し関係改善を模索する反面、時事通信がいわゆる音波発射問題を背景として「豪中関係が再び緊張、貿易改善に冷や水」などと報じていたほか、フィリピンは「南シナ海に中国の民兵船団が不法に終結」とし無線警告を行ったことを明らかにしていた。引き続き近隣諸国との軋轢も多く要注意だ。そうしたなか、週末にロイターは「中国の不動産大手・恒大、債務再編で新提案」と報道。4日の香港における清算申し立て審理が注視されたが、なんと本日になって香港高裁から「来年1月29日に延期する」との発表がなされていた。固唾をのんで注視していた参加者は肩透かしを食った格好だ。
対して後者は、英紙FTが「イスラエル、ガザ地上戦を来年初頭まで続ける想定」と報じたほか、フランス大統領からも「ハマスの壊滅には10年続く戦争が必要」とし、戦闘の長期化が示唆されていた。一方、一連のイスラエル・ガザ情勢をめぐり米国サイドのスタンスにも変化の兆しがうかがえた。依然として基本スタンスはイスラエル寄りではあるものの、ハリス副大統領やオースティン国防長官から、民間人に被害が出ないようイスラエルに一層の努力を促すコメントが観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、先週少なくとも2度下げ止まった146.65円レベルを本日東京時間にアッサリ下抜け。146.20-25円まで一時値を下げたが、そののち146.80円台まで値を戻している。なかなか悩ましい展開で、ドルの下値リスクがさらに強まったとも言えそうだが、簡単に値を戻したことからすると、必ずしもそうとは言えないだろう。ただ、146円をしっかり割り込めば145円では止まらない可能性もある。
今週も引き続き日米欧の金融政策にまずは注目。とくに米金利情勢が注視されそうで、週末の雇用統計を中心に、発表される米経済指標に一喜一憂する展開となりそうだ。そうした意味では、本日も発表される10月の製造業受注指数などに注意を払いたい。なお、本日はラガルドECB総裁の講演も予定されており、米国ではなく欧州の金融政策についてのコメントも場合によっては波乱要因に。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場の基本的なリスクは下方向にバイアスが掛かるも、微妙なところで下げ止まっており悩ましい。たとえば、過去に何度もレポートしている7月安値137.25円を起点とした上げ幅のフィボナッチで、38.2%戻しは146.30-35円だが、本日東京では誤差の範囲内と考えられるレベルでサポートされてしまった。ドルの上値が非常に重いことは確かだが、下値もなかなか積極的に売っていく雰囲気ではなさそうだ。
本日は米経済指標として、10月の製造業受注指数や同耐久財受注確報が発表される予定となっている。ただ材料は幾分少なめで、明日以降予定されているさらに重要な米経済指標の発表をにらむ展開も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.20-147.30円。ドル高・円安方向は先週末NYで下回って以降に重くなった感のある147円レベルが最初の抵抗。上抜けると一目の雲の下限が位置する147.60円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、まずは本日東京安値146.20-25円をめぐる攻防に注目。割り込むと145円突入も否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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