東京市場のドルは146円台半ばで推移、米10年債利回り次第でドルは買戻しか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外で米10年債利回りが下げ止まったことなどから、146円台半ばでのもみ合いとなった。
先週末の海外時間では、11月のISM製造業景況指数が市場予想を下回ったほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「かなり景気抑制域に深く入っている」と利上げ終了を示唆する発言を行ったことから、米10年債利回りが4.19%台まで下落。来年早期の利下げ観測が強まったことから、ドルは9月12日以来の水準である146円台半ばまで売られた。
東京時間もドル売りの流れは変わらず、朝方には146円23銭まで下落した。ただ、時間外で米10年債利回りが4.24%台まで戻したことなどから、朝方の売り一巡後は、146円台半ばで推移。株式市場でも、日経平均が下げ幅を縮小し33000円台を維持したことも、ドルの支援材料となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:146円70銭
高値:146円88銭
安値:146円23銭
終値:146円82銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:159円62銭
高値:159円71銭
安値:159円11銭
終値:159円57銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円87銭
高値:97円95銭
安値:97円65銭
終値:97円73銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:186円44銭
高値:186円47銭
安値:185円53銭
終値:186円12銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33318円07銭
高値:33324円38銭
安値:33023円04銭
終値:33231円27銭(前日比−200円24銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時45分、欧、デギントスECB副総裁がイベントにて講演
23時00分、欧、ラガルドECB総裁がイベントにて講演
24時00分、米、耐久財受注(前月比)、前回:−5.4%、市場予想:−5.4%
24時00分、米、耐久財受注(輸送除くコア)(前月比)、前回:0.0%、市場予想:0.0%
※FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛期間)(14日まで)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表では、遅行スパンが実線を下回っているほか、雲下限も下放れておりトレンドは悪化。明確な下値メドが見当たらないことから、下値模索の格好となっている。
ボリンジャーバンドでも、拡大する−2σに沿った「バンドウォーク」が発生。11月29日安値146円66銭をあっさり下回ったことからバイアスは下向きとなっている。9月11日以来となる145円台を試す展開か。
パウエルFRB議長の「ハト派」発言を受けて、4日の金スポット価格は一時2135.39ドルと2020年8月7日に付けた史上最高値2075.47ドルを更新するなど、金市場はそれなりの反応を見せた。
今週は、ADP雇用報告、米雇用統計(非農業部門雇用者数と失業率)と雇用関係の重要な発表を控えており、来週は12−13日に今年最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。今回のFOMCは政策金利の据え置きがコンセンサスとなっており、パウエル議長の発言とドットチャート(FOMCメンバーが適切と考える政策金利水準の分布図)に注目が集まっている。
パウエル議長の発言は、先週末の追加引き締めの選択肢を維持しつつも「ハト派」なスタンスとイメージできる。一方、前回9月時点では「タカ派」だったドットチャートは、先月のウォラーFRB理事やメスター・クリーブランド連銀総裁の発言などを考慮すると「ハト派」に大きく転換する見込みだ。
市場では来年2回目のFOMC(3月開催)での利下げスタートを織り込み始めており、テクニカル的には145円台突入が視野に入っているが、雇用統計発表を前にやや突っ込みすぎの印象もある。今週の米雇用の数字次第では、足元のドル売りに対する買戻しが入る余地は十分あろう。
今晩の海外時間では、米10年債利回りの落着きを材料にドルの買戻しが少し進むと想定する。上値メドは147円20銭、下値メドは146円20銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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