レンジ内ながら、ややドル売り目に付く(11/27夕)

週明け27日の東京市場はドルが冴えない。夕方に掛け下げ幅を拡大、一時149円を割り込む局面も観測されていた。

レンジ内ながら、ややドル売り目に付く(11/27夕)

レンジ内ながら、ややドル売り目に付く

〇本日ドル円、ドル買い先行で小幅上昇後に反落し148.90レベルを示現、16時現在安値圏で推移
〇一目均衡表、先行帯の雲上限割れをうかがう様相、ドル下値余地さらに拡大か
〇テクニカルには、このあと欧米時間に148-150円ほどの小レンジの下限割れをうかがう可能性も
〇本日は10月の米新築住宅販売件数、11月ダラス連銀製造業活動指数の発表予定
〇今週も米経済指標と要人の発言に一喜一憂か、地政学リスクの高まり等も懸念要因
〇ドル円予想レンジは148.30-149.50、ドル高・円安方向は149円半ばが最初の上値メド
〇ドル安・円高方向は、148円半ばに弱いサポートが位置しており、まずはその攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

週明け27日の東京市場はドルが冴えない。夕方に掛け下げ幅を拡大、一時149円を割り込む局面も観測されていた。

先週末は、日中韓外相会談などが開催され、北朝鮮の事実上のミサイル発射が議論されている。それとは別に、中国北部で子どもの肺炎が急増していると話題に。WHOによる報告要請も取り沙汰されるなか、中国サイドからは「インフルエンザが中心で、冬季に発生する通常の流行」とのコメントが聞かれていた。
そうした状況下、ドル/円は149.45円レベルで寄り付いたのち、当初はドル買い先行。日中高値の149.65-70円へと小幅に上昇するも、続かずそののちドルは反落に転じている。149円を割り込み148.90円レベルを示現、16時現在ではドルの戻りは鈍く依然として安値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日中韓外相会談」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、週末に日中韓外相が会談開催され、安全保障含む6分野での協力が確認されている。また、中国外相から日韓外相に対し、日中韓自由貿易協定(FTA)交渉の早期再開が要請されたという。しかし日程的なことを理由に、日中韓首脳会談の年内開催が断念に終わったとされるなど、微妙なしこりが残った。一方、それとは別に二国間の外相会談もそれぞれ実施され、日韓外相会談では日本の上川氏が慰安婦判決について韓国に抗議を行ったほか、日中外相会談は双方から処理水をめぐり激しい攻防があったとの報道も観測されていた。事実、会談後に中国外務省から「処理水めぐる日本の無責任な行為に反対を表明する」といった声明が発表されたようだ。

対して後者は、北朝鮮は21日そして22日と2日続けて「人工衛星」と称するミサイル発射を行い、うち21日の発射は成功裏に終わったと見られている。そうしたなか、週末には朝鮮中央通信が「軍事偵察衛星が24-25日にソウルや在韓米軍基地といった敵側の重要標的地域を撮影した」と報じ、思惑を呼んでいた。先で指摘した「21日発射は成功裏」が正しかったことの裏付けとなるのかもしれない。いずれにしても、エスカレートする感じも見られる北朝鮮の動きに対し、日米韓は米海軍の原子力空母「カール・ビンソン」や海上自衛隊の艦船が参加した3ヵ国の合同訓練を実施したと発表している。果たして行動抑止に繋がる動きとなるのか注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、先週までにおよそ5円近い、当面のレンジを確認した感がある。しかし、本日東京ではそのレンジ内ではあるものの、再び149円を割り込む動きとなっており、一部では一足早くレンジ下限(147.15円)を意識する声も聞かれていた。確かに、一目均衡表ではザラ場ベースながら、先行帯の雲の上限割れをうかがう様相だ。NYクローズなどで「しっかり」割り込むようだと、ドルの下値余地がさらに拡大しかねないかもしれない。
市場の関心は依然として日米欧の金融政策会合に高い。そうしたなか、基本は今週も発表される米経済指標と要人の発言に一喜一憂する展開か。ただ、ウクライナやガザなどをめぐる地政学リスクの高まりが懸念要因として取り沙汰されるほか、週末にかけ名実とも月替わりを迎えることで需給要因を警戒する向きが少なくない。また、今後商いが徐々に細ることが予想されるなか、逆に荒っぽい変動を見込む声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場はワイドな大レンジとして147.15-151.92円というボックス圏を形成しているが、少し期間を狭くした場合には148-150円ほどの小レンジをたどっている感がある。大レンジを抜けていくのはいま少し時間が必要ながら、後者の小レンジについては、早ければこのあと欧米時間に下限割れをうかがう局面があっても不思議はなさそうだ。ドルの続落にも一応注意しておきたい。

本日は米経済指標として、10月の新築住宅販売件数や11月のダラス連銀製造業活動指数が発表される予定となっている。なお、米感謝祭が過ぎ、本日はいわゆる「サイバーマンデー」であり、今後徐々に金融市場への参加者も減退しそう。「薄商い=乱高下」には要注意か。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.30-149.50円。ドル高・円安方向は先週末のNYクローズで、一目の基準線などが位置する149円半ばが最初の上値メド。ただ、超えても150円にはとどかないか。
対するドル安・円高方向は、148円半ばに弱いサポートが位置しており、まずはその攻防に注目。割り込むと22日安値148.03円を目指す。

レンジ内ながら、ややドル売り目に付く

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る