ドル円、一時148円台半ば。一目均衡表雲上限も下方ブレイク
〇ドル円、米10月新築住宅販売件数、ダラス連銀製造業活動指数の不冴え等に148.55まで下落
〇ユーロドル、欧州債利回り低下に1.0925まで下げた後ECB総裁のタカ派発言に1.09台半ばに反発
〇ドル円、150円回復できず見切り売り優勢、「一目均衡表雲上限」を下抜け、地合い悪化
〇一方でファンダメンタルズはドル買い材料揃う
〇引き続きドル高・円安トレンドの継続(一巡後の持ち直し)をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:148.00ー149.50
海外時間のレビュー
週明け27日(月)のドル円相場は大幅下落。アジア時間朝方にかけて、高値149.68まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)本邦輸出企業の実需のドル売りや、(2)株式市場の冴えない動き(中国株や日経平均株価の冴えない動き→リスク回避の円買い圧力)、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力、(4)テクニカル的な地合いの悪化(日足ローソク足が一目均衡表転換線・基準線・雲上限を下方ブレイク)、(5)米10月新築住宅販売件数(結果67.9万件、予想72.1万件)の市場予想を下回る結果、(6)米11月ダラス連銀製造業活動指数(結果▲19.9、予想▲16.5)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間午後にかけて、安値148.55まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/28午前5時30分現在)では、148.65前後で推移しております。
週明け27日(月)のユーロドル相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。(1)ECB高官による先週の相次ぐタカ派的な発言(ECBによる早期利下げ観測後退)や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)テクニカル的な地合いの強さが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0960まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)欧州株の冴えない動きや、(5)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0925まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(6)ラガルドECB総裁による「総合インフレ率が向こう数カ月で再び上向く可能性あり」「インフレとの戦いはまだ終わっていない」とのタカ派的な発言が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間11/28午前5時30分現在)では、1.0952前後まで持ち直す動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は、心理的節目150.00の回復が4営業日連続で阻まれると(11/22高値149.76、11/23高値149.71、11/24高値149.72、11/27高値149.68)、上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り主導で反落しました。強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」や「ダウ理論の上昇トレンド」は継続点灯しているものの、日足ローソク足が市場参加者に意識されていた「一目均衡表雲上限」を下抜けしたことや、市場のトレンドとオシレータ系インジケータが逆行する「ベアリッシュ・ダイバージェンス」が発生していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの悪化が警戒されます。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(先週発表されたタカ派的な米FOMC議事要旨や米11月ミシガン大消費者期待インフレ率を見る限り、利下げ議論は時期尚早)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁は昨日も「2%物価目標の実現、十分な確度では見通せない」と発言)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの継続期待(円売り安心感)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
こうした中、本日は上記1を見極める目的で、米9月S&Pケースシラー住宅価格指数や、米11月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、米11月リッチモンド連銀製造業指数、シカゴ連銀グールズビー総裁発言、ウォラーFRB理事発言などに注目が集まります。インフレ指標や景気関連指標が市場予想を上回る場合や、米FRB高官(※今週はブラックアウト期間入り直前週となるため米FRB高官発言への注目度が高い)よりタカ派的な発言が見られる場合には、米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円に再び強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続(一巡後の持ち直し)をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:148.00ー149.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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