ドル円見通し 149.50円を挟んだ三角持ち合いから転落、三段下げへの懸念も(23/11/28)

米長期債利回り低下と新築住宅販売が低調だったことで反落し、NY時間には148.51円まで下げ、28日午前序盤には148.40円まで続落している。

ドル円見通し 149.50円を挟んだ三角持ち合いから転落、三段下げへの懸念も(23/11/28)

ドル円見通し 149.50円を挟んだ三角持ち合いから転落、三段下げへの懸念も

〇ドル円、11/27午前に149.16を割り込み、その後売り優勢で149円割り込む、夕刻149.32まで一旦戻す
〇しかし経済指標の結果を受け反落、NY時間に148.51まで下げ、11/28午前序盤には148.40まで続落
〇三角持ち合いから下放れ、11/13夜高値を起点とした三段下げの三段目に入る可能性が強まるか
〇昨日発表の米住宅統計は市場予想を下回り、低調な結果
〇米長期債利回り低下は総じて低下、NYダウ・ナスダックともに下落
〇149.32超えからは反騰入りとして、149.50から149.70前後への上昇を想定する
〇149円以下での推移中は一段安警戒とし、148円割れからは11/21安値147.15を試すとみる

【概況】

ドル円は米国のインフレ鈍化と米長期債利回り低下により11月13日夜高値151.90円から11月21日夕安値147.15円まで下落してその間の下げ幅は4.75円となったが、当面のドル売り円買いが一巡したことで買い戻され、11月23日未明には149.74円を付けて11月13日夜以降の下げ幅の半値戻し149.52円を超えた。
11月23日の日本休場や米国感謝祭によりその後は手掛かりにかけて高値切り上げヘ進めず、11月23日午後安値148.87円から24日午後安値149.16円へ安値ラインを切り上げたことで、60分足レベルでは149.50円を挟んだレンジ縮小型の三角持ち合いを形成して先週を終えていた。
週明けの11月27日は午前に149.16円を割り込んで三角持ち合いから下放れとなり、売り優勢の流れで149円を割り込み、夕刻に149.32円までいったん戻したものの、米長期債利回り低下と新築住宅販売が低調だったことで反落し、NY時間には148.51円まで下げ、28日午前序盤には148.40円まで続落している。

【11月13日夜高値を起点とした三段下げへの発展リスク】

11月21日夕安値からの戻り幅2.59円に対する半値押しラインの148.45円を割り込んでいるが、3分の2押しラインの148円を割り込む場合には、11月13日夜高値を起点とした下落が11月15日夜安値までを一段目とし、11月21日夕安値までを二段目とし、11月23日未明高値までで戻り一巡となり三段下げの三段目に入る可能性が強まりかねないと思う。
11月13日夜からの下落角度は昨年3月8日高値137.91円から3月24日安値129.63円までの下落時(下げ幅8.28円)や6月30日高値145.06円から7月14日安値137.24円までの下落時(下げ幅7.82円)等に近い印象もある。150円台回復へ切り返せないうちは11月13日夜高値を起点とした下落が三段下げ型に発展する可能性もあると注意したい。

【米住宅統計は低調】

11月27日に米商務省が発表した10月の新築一戸建て住宅販売件数(年換算)は前月比5.6%減の67万9000戸となり、市場予想の72.3万戸を下回った。9月は当初の75.9万戸から71.9万戸へ下方修正された。前年同期比では17.7%増だが、長期金利に合わせて住宅ローン金利も大幅に上昇してきたことで買い控えとなり住宅市場の悪化懸念が強まっている。
販売価格の中央値は前月比3.1%低下の40万9300ドル、新築住宅在庫が1.4%増となった。

【米長期債利回り低下傾向続く、ダウは上昇一服】

11月27日の米長期債利回りは利上げ打ち止め感と新築住宅販売が低調だったことに加え、5年債の入札が低調だったこともあり総じて低下した。
長期金利指標の10年債利回りは先週末比0.08%低下の4.39%となった。10月23日に5.02%でピークを付けて低下に転じ、11月22日に4.36%まで低下してから戻していたが、戻り一巡で低下再開に入り始めた印象だ。
30年債利回りは先週末比0.06%低下の4.54%となった。10月23日に5.18%でピークを付けて低下に転じて11月22日には4.52%まで低下し、その後にやや戻していたが、27日は一時4.52%をつけて戻り幅をほぼ解消している。
利上げに敏感な2年債利回りは先週末比0.06%低下の4.89%となった。10月19日に5.26%でピークを付けてから低下に転じて11月17日には4.79%をつけ、その後は低下し過ぎとして反発していたが、27日は4.98%まで上昇してから急低下している。

米金利先物市場では12月の利上げ見送りはほぼ確実視され、その後も利上げ打ち止めが続き、来年3月の利下げ確率はまだ2割台だが、5月に利下げされる確率を5割強とみている。

一方、11月27日のNYダウは先週末比56.68ドル安と下落、ナスダック総合指数も9.83ポイント安と下落した。NYダウは10月27日安値32327.20ドルからの反騰を継続して27日は35410.37ドルを付けてこの間の高値を更新して8月1日の年初来高値35679.13ドルに迫ったが、上昇一服で利食いに圧されたようだ。ナスダック総合指数は10月26日からの反騰で11月22日に14359.61を付けて年初来高値の7月19日高値14446.55に迫ったものの、その後は上げ渋りとなっている。株式市場の上昇基調は継続している印象だが、年初来高値超えへ進むにはもう一つ押上げ材料が欲しいところか。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は11月13日深夜高値151.90円を起点とした下落が11月21日夕安値で一巡してリバウンドに入ったとして23日夕にかけての上昇を想定していたが、24日午前時点では23日午後安値148.87円割れからは戻り一巡による下落期入りとして28日夕にかけての下落を想定するとした。
11月27日夜に148.87円を割り込んで28日午前序盤へ続落しているため、11月23日未明高値を起点とした下落期入りとするが、149.50円を中心としたレンジ縮小型の三角持ち合いを形成してから下落しているため、11月24日安値を基準として目先の安値形成期が12月1日午後にかけて延びる可能性もあると注意する。
強気転換は11月27日夕反発時高値149.32円超えからとする。

60分足の一目均衡表では11月27日午前からの下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落した。その後も両スパンそろっての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパンが一時的に好転しても先行スパンからの転落が解消しないうちはその後に遅行スパンが悪化するところから下げ再開とし、強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとする。

60分足の相対力指数は11月28日午前に30ポイントを割り込んでいるので20ポイント前後への低下余地ありとみる。強気転換は50ポイント超えからとし、50ポイントを下回るうちは安値試しを続けやすいとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、148.00円を下値支持線、11月27日夕高値149.32円を上値抵抗線とする。
(2)149.00円から149.32円手前までは戻り売り有利とみるが、149.32円超えからは反騰入りとして149.50円から149.70円前後への上昇を想定する。
(3)149円以下での推移中は一段安警戒とし、148円割れからは11月21日安値147.15円を試すとみる。147.50円以下は反発注意とするが、148.50円以下での推移なら29日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の予定】

11/28(火)
10:18 (豪) ブロック豪中銀総裁、パネル討論会
14:00 (日) 日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標
16:00 (独) 12月 GFK消費者信頼感 (11月 -28.1、予想 27.9)
23:00 (米) 9月 連邦住宅金融局住宅価格指数 前月比 (8月 0.6%、予想 0.4%)
23:00 (米) 9月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (8月 2.2%)
24:00 (米) 11月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (10月 102.6、予想 100.8)
24:00 (米) 11月 リッチモンド連銀製造業指数 (10月 3)
24:00 (米) グールズビー・シカゴ連銀総裁、会合挨拶
24:00 (米) ウォラーFRB理事、講演
27:00 (米) 財務省7年債入札

11/29(水)
09:30 (豪) 10月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (9月 5.6%、予想 5.2%)
10:00 (NZ) ニュージーランド中銀 政策金利 (現行 5.50%、予想 5.50%)
14:00 (日) 安達日銀審議委員、記者会見
19:00 (欧) 11月 消費者信頼感・確定値 (速報 -16.9)
19:00 (欧) 11月 経済信頼感 (10月 93.3、予想 93.5)
22:00 (独) 11月 CPI(消費者物価指数)・速報値 前月比 (10月 0.0%、予想 -0.1%)
22:00 (独) 11月 CPI(消費者物価指数)・速報値 前年同月比 (10月 3.8%、予想 3.5%)

22:30 (米) 10月 卸売在庫 前月比 (9月 0.2%)
22:30 (米) 7-9月期 GDP・改定値 前期比年率 (速報 4.9%、予想 5.0%)
22:30 (米) 7-9月期 GDP個人消費・改定値 前期比年率 (速報 4.0%、予想 4.0%)
22:30 (米) 7-9月期 コアPCE・改定値 前期比年率 (速報 2.4%、予想 2.4%)
24:05 (英) ベイリー英中銀総裁、講演
24:30 (米) EIA週間石油在庫統計
27:45 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
28:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)



注:ポイント要約は編集部

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