日米休場前、需給要因に要注意か(11/22夕)

22日の東京市場はドルが逆行高。とくに夕方にかけて値を上げ、一時149円レベルを示現している。

日米休場前、需給要因に要注意か(11/22夕)

日米休場前、需給要因に要注意か

〇東京時間のドル円、148.00-40のレンジ取引を上抜けすると、149円レベルまで続伸
〇明日の日米休場を前に、本日の経済指標や要人発言以上に需給要因を警戒する声も
〇ロイター「中国国有銀行がオンショア・スワップ市場で人民元をドルに交換」と報じる
〇為替スポット市場でそのドルを売却。今週、ドル安・人民元高が進行
〇ドル円相場の短期的なリスクはドル安方向だが、基調転換なのか否かは情勢を見極めたい
〇欧米時間のドル円予想レンジは148.20-149.50。ドル高円安方向は東京高値149円レベルが目先の抵抗
〇ドル安・円高方向の強いサポートは148.00-10。148.60-70にある一目の雲上限の攻防にも注目

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場はドルが逆行高。とくに夕方にかけて値を上げ、一時149円レベルを示現している。

ドル/円は148.40円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。148.00-40円といったレンジ取引をたどるなか上抜けすると、夕方にかけてドルは149円レベルまで続伸している。またドル/円以外のクロス円も軒並み上値をトライする展開で、さながら円全面安の様相に。16時現在、ドル/円は日中高値圏の148.90-95円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「北朝鮮情勢」と「中国情勢」について。
前者は、今月22日から12月1日のあいだに「人工衛星」を黄海と東シナ海の方向に打ち上げる−−などと事前に日本や韓国に通告していた北朝鮮だったが、期日前にあたる日本時間の21日午後10時40分ころ「人工衛星」と称するミサイルを発射したようだ。こうした動きを受け、日米はそれぞれ発射を非難する声明を発表したほか、韓国は「南北軍事合意を一部停止する」ことを明らかにした。しかし、当の北朝鮮は「発射は成功」と自画自賛したうえで、追加発射に意欲をうかがわせるコメントを発していた。

対して後者は、22日から予定される公明党の山口代表の中国訪問について、同国外務省が「歓迎する」と表明。また、中国外務省は李強首相が22日にオンライン形式で開催されるG20首脳会議に出席すると発表するなど、積極的な外交姿勢をうかがわせていた。一方、それとは別にロイターは、「中国の大手国有銀行が今週、オンショア・スワップ市場で人民元をドルに交換し、為替スポット市場でそのドルを売却しているもよう」と報じている。確かに、いわゆる基準レートを見てもドル/人民元は今週大きくドル安・人民元高が進行。また、それが対円などでのドル安に繋がっていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日ドルが続落し、一時147.15円を示現。移動平均の21日線をはじめとするテクニカルポイントを相次ぎ割り込んできたうえ、13日高値151.92円を起点にすでに4.8円も下落するなど、基調転換が疑われる値動きだ。ただ、そののち本日東京時間に掛けては149円レベルへの戻りが観測されており、判断に悩むところ。とは言え、ドルの上値が重いことは確かであり、むしろ短期的にはドルの再下落に要注意か。
引き続き日米欧の金融政策会合を注視しつつ、本日も発表される米経済指標や米通貨当局者発言に左右される展開か。ただ、明日の米感謝祭など日米休場を前に、本日材料以上に需給要因を警戒する声も少なくないようだ。ここのところ一日に1円以上動くということも儘あり、本日も荒っぽい変動には十分注意を払いたい。なお、一部からは連日で北朝鮮の「ミサイル発射」を警戒する指摘も取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場の短期的なリスクがドル安方向に高まっていることは間違いないものの、基調転換なのか否かはいまだ判断に迷う。前日のNYクローズでも下回った一目均衡表の先行帯の雲の上限(148.60-70円)を、本稿執筆時のザラ場ベースではわずかに上回って推移するなど、ドルの底堅さをうかがわせるシグナルも幾つか散見されている。相場観をいま一度リセットし、情勢をしっかりと見極めたい。

本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や11月のミシガン大学消費者信頼感指数確報が発表されるほか、前述したようにオンライン形式でG20首脳会議が開催される予定だ。プーチン露大統領も出席する予定で、その発言が注視されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.20-149.50円。ドル高・円安方向は本日東京高値に当たる149円レベルが目先の抵抗。超えれば150円台回復を目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、強いサポートとなると東京安値を含めた148.00-10円。ただ、148.60-70円には前述した一目の雲の上限が位置しており、まずはその攻防に注目だ。

日米休場前、需給要因に要注意か

ドル円日足



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