下値余地拡大、ドル続落にも要注意(11/20夕)

週明け20日の東京市場はドルが続落。一時149円を割り込み、10月11日以来の安値を示現している。

下値余地拡大、ドル続落にも要注意(11/20夕)

東京市場のドルは一時148円台に突入、ポジション調整に引き続き警戒

〇本日のドル円、150レベルまで値を上げるも続かず、149円割れまで1円以上下落
〇米感謝祭を前にした需給要因や中国情勢(とくに人民元の動き)が波乱要因に
〇16時現在やや買い戻され、149.15-20で推移
〇引き続き日米欧の金融政策会合に注目しつつ、米経済指標や米通貨当局者発言に要注意
〇欧米時間のドル円予想レンジは148.50-149.80、ドル高・円安方向は149.20-30が目先の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値148.70レベルの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

週明け20日の東京市場はドルが続落。一時149円を割り込み、10月11日以来の安値を示現している。

前週末に閉幕したAPEC首脳会議は、首脳宣言でウクライナと中東に触れることなく無難な内容に。逆に言えば、機能不全が改めて示された格好になった。そうしたなか、イスラエルとハマスがガザでの戦闘を5日間休止することで暫定合意したと報じられている。
そうした状況下、ドル/円は149.60円前後で寄り付いたのち、上値を試す展開となり150円レベルまで値を上げるも続かず。その後は日経平均株価の動きなどをにらみつつ、一転してクロス円を含め円全面高の様相をたどるなか、ドル/円は149円割れまで1円以上も下落。16時現在では、やや買い戻され、辛うじて149円台を回復した149.15-20円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ガザ情勢」について。
前者は、先週末に実施された米中そして日中首脳会談をめぐる報道が幾つか観測され物議を醸すなか、習国家主席はAPEC首脳会議で行った演説でも「経済・貿易問題の政治化や武器化に反対する」と述べ、明言こそしなかったが暗にバイデン米政権をけん制していたようだ。一方、それとは別に相変わらず中国軍による西側諸国との小競り合いなどが観測され話題に。たとえば、豪国防相からは「中国が豪軍艦に音波探知を作動させるという危険を実施した」との懸念が表明されている。

対して後者は、バイデン米大統領とカタールのタミム首長が電話会談。またドイツのショルツ首相もイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行うなど、活発な西側の外交が観測され、人道的休戦を含めたガザをめぐる状況について協議が相次ぎ行われている。そうしたなか、イスラエルとハマスがガザでの戦闘を5日間休止することで暫定合意したと一部で報じられ、目先は若干の安心感も台頭していたもよう。もっとも、バイデン氏は米紙ワシントン・ポストへの寄稿で「永続的な中東和平を目指し、パレスチナ自治区ガザからイスラム組織ハマスを徹底的に排除すべき」との考えを改めて表明するなど、なかなかの過激派ぶりを明らかにし、別途物議を醸していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、150円半ばまでレベルを切り上げていた移動平均の21日線を、先週末NYクローズで「しっかり」した下抜け。それに続き、前述したように本日東京では一時148円台を示現するなど大きく続落している。単なる調整ではなく、基調転換も感じさせる動きだが、以前レポートした今年7月安値137.25円以降の展開はというと、ドルの下押しは最大で4円程度。まだ辛うじて踏みとどまっていると言えそうだ。とは言え、ドルの下値は予断を許さない。
引き続き日米欧の金融政策会合が注目されるなか、今週も基本的には発表される米経済指標や米通貨当局者発言に一喜一憂か。加えて、本日東京市場を見る限り、米感謝祭を前にした需給要因や中国情勢(とくに人民元の動き)が波乱要因になっていたようだ。いずれにしても、先週からの相場は一日に1円程度動くことはザラという、多少荒っぽい変動が少なくないだけに、本日以降も相場の急変動などにはしっかりと注意しておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は152円突破が失敗に終わったとはいえ、基本的なリスクは依然として上向きと考えていたが、それが少し揺らいでいる。もう少し情勢を見極めたいが、基調がドル安へと転換した可能性も否定できない。
ドルの強気派とすれば、先週末に下回ってきた21日線をなるべく早く回復したいところ。しかし、本稿執筆時でも1円以上も上にある。今後は逆に21日線が抵抗として寄与する展開もあり得る。

本日は米経済指標として、10月の景気先行指数が発表されるものの、材料的にはいくぶん少なめ。ただ、欧米要人の発言機会が目に付くこともあり、ユーロ/円などクロス円の動きに要注意といった声も聞かれている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.50-149.80円。ドル高・円安方向は149.20-30円が目先の抵抗。超えれば150円近くまでの戻りもありそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値148.70円レベルの攻防にまずは注目。その少し下には一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置しており、寄り込んでくるようだと、そちらの攻防にも要注意だ。

東京市場のドルは一時148円台に突入、ポジション調整に引き続き警戒

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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