基本はレンジだが、荒っぽい上下動にも注意
〇本日ドル円、150.70前後で寄り付き、上値は重く151円に届かず下値も堅く150円を割り込まない展開
〇大局的にはレンジ内だがここ数日は荒っぽい上下動、本日も予断を許さない
〇テクニカルには上下ともしばらくは試しにくいか、当面は150-152円のレンジ取引の可能性
〇予想レンジは150.00-151.10、ドル高・円安方向は本日東京の150.80レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値の150.29の攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
17日の東京市場はドルが小安い。ただ下値も堅く、150円を割り込むには至らなかった。
ドル/円は150.70円前後で寄り付いたものの、上値は重く一度も151円にはとどかず。しかし、下値も堅く150円を割り込むような展開にもならなかった。途中、植田日銀総裁から「一概に円安が経済にマイナスとはいえない」といった発言も聞かれたが、結果的に影響は軽微で150円半ば挟み、40ポイント弱のレンジ取引に終始している。16時現在では150.60-65円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「岸田首相の外交姿勢」と「米ファンダメンタルズ」について。
前者は、岸田首相が、訪問先の米サンフランシスコで韓国の尹大統領と会談した。日韓首脳会談は今年に入って7回目になる。また岸田氏とトルドー首相、日加首脳による会談も実施されていた。さらに、岸田氏と習国家主席による1年ぶりの日中首脳会談も行われ、習氏から「日中両国が共通の利益に焦点を当て、相違点を適切に処理すべき」との発言が聞かれるなか、岸田氏は「日中が共存共栄し、世界の平和と繁栄に貢献する責任がある」と応じたという。なお、それとは別に日時不明ながら、日米韓による首脳会談開催を検討などといった報道も観測されている。
対して後者は、14日と15日に発表された米消費者物価、同生産者物価がともに予想を下回る内容となったことに続き、昨日は米新規失業保険申請件数や鉱工業生産などが悪化。そうしたなかクリーブランド連銀総裁は、引き続きインフレについての懸念を示す一方で、経済見通しをめぐって「多くの不確実性がある」として警戒感を示していた。いずれにしても、上記のような状況を受け、為替市場はドル売りが先行する結果となっている。対円では151円割れの原動力に。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、大局的にはレンジ内だが、ここ数日はなかなか荒っぽい上下動。実際、その変動をたどれば「151.92円→150.05円→151.43円→150.29円」−−となる。一日で1円以上動くこともあり、本日もそうした意味では予断を許さない。ただレンジ内にはとどまり、値動きも徐々に収斂されていくといった声も聞かれていた。基本的には150-151円台での往来相場か。
引き続き日米欧の金融政策会合が注目されるなか、ここ数日は発表される米経済指標や米通貨当局者発言が市場の波乱要因となることがありそうだ。一方、米下院に続き上院でも可決されていたことですでに勝負あったとみられる「つなぎ予算案」だが、そののちバイデン米大統領が正式に署名し成立となった。これで米政府機関の閉鎖懸念は、今回もなんとか回避された格好となる。ドルの支援要因となるか否かに注目だ。
テクニカルに見た場合、昨日も報じたように、ドル/円相場は152円突破が再び失敗に終わった反面、150円割れも失敗に終わったように思われる。つまり、上下ともしばらくは試しにくそうで、やや広めで考えるなら当面は150-152円のレンジ取引か。ただ、チャート的には以前も指摘したように、移動平均の21日線が150円半ばまでレベルを切り上げており、それを「しっかり」と下回るようなら、ドルの下値リスクが強まる可能性もある。
本日は米経済指標として、10月の住宅着工件数などが発表される予定となっている。先でも取り上げたように、今週発表される米指標は悪化するものが多く、為替市場においても波乱要因となっているだけに本日も一応要注意。また、米地区連銀総裁らの発言機会も引き続き多く予定されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.00-151.10円。ドル高・円安方向は本日東京の150.80円レベルが最初の抵抗。超えれば151円台回復も。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の150.29円の攻防にまずは注目。また、先でも取り上げた21日線をザラ場はもちろん、NYクローズで維持できるかどうかも注視されている。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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