東京市場のドルは150円半ばでのもみ合い、円キャリーのポジション調整を警戒
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、週末要因などから方向感に乏しく、150円台半ばでのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、注目の米鉱工業生産が市場予想を下振れたほか、米新規失業保険申請件数が前回比で予想以上に増加し、労働市場のひっ迫緩和の結果などを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了観測が一段と強まり、米10年債利回りは4.44%台まで低下。ドルは150円前半まで売られた。ただ、メスター・クリーブランド連銀総裁が「インフレ改善の一段の証拠を見たい」「私の考えでは利下げは議論対象ではない」と依然慎重な姿勢を示したことから、ドル売りは一巡した。
東京時間では、時間外で米10年債利回りが4.45%台を回復したが反発は弱く、ドルも150円半ばでのもみ合いとなった。植田日銀総裁の「物価目標実現の見通しが立てばマイナス金利、YCC撤廃を検討」「一概に円安が経済にマイナスとはいえない」「長期金利は1%を大幅に上回るとはみていない」といったコメントが流れたが、為替市場への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:150円71銭
高値:150円78銭
安値:150円43銭
終値:150円63銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:163円56銭
高値:163円61銭
安値:163円25銭
終値:163円49銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円54銭
高値:97円56銭
安値:97円19銭
終値:97円44銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:187円13銭
高値:187円16銭
安値:186円63銭
終値:187円00銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33344円85銭
高値:33599円63銭
安値:33263円67銭
終値:33585円20銭(前日比+160円79銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、ビルロワドガロー・フランス中銀総裁が会議出席
17時30分、欧、ラガルドECB総裁が欧州銀行会議で講演
18時00分、欧、ホルツマン・オーストリア中銀総裁がイベント出席
22時30分、米、住宅着工件数、前回:135.8万件、市場予想:134.0万件
22時45分、米、コリンズ・ボストン連銀総裁が会議にて挨拶
23時30分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が欧州銀行会議閉会挨拶
23時45分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁が講演
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いままである。ボリンジャーバンドの2σに沿ったじりじりとしたドル買いが続いていたが、足元、ドルの上値は重くなっている。
本日の東京時間では、一日を通して、衆議院財政金融委員会での植田日銀総裁の発言が市場に流れていたが、為替市場はほぼ無反応だった。発言内容がこれまでの説明とほぼ同じだったとみなされたのだろう。円安の日本経済への影響に対して「一概にマイナスと言えず」という発言も「さもありなん」程度のようだ。正直、植田日銀総裁よりも、米10年債利回りの動向に関心が向かっているのだろう。
14日の米消費者物価指数(CPI)発表以降、低下したドルインデックスは104台でもみあっている。今年9月頃の水準まで低下しており、足元のドルを支えているのは、円キャリートレードに伴う円全面安(円指数の下落)だ。
明確な米経済の強さを背景とした米10年債利回りの上昇が確認されない限り、ドルインデックスの上昇、つまり積極的なドル買いは入りにくい。10年物の日米金利差が3.7%台で推移している以上、円全面安の流れが途絶えると、ドルはあっさり150円台を割り込むだろう。
来週は、23日が、日本は勤労感謝の日、米国は感謝祭の祝日、24日は米国が債券市場が短縮取引となっていることから、ポジション手仕舞いの可能性がある。円キャリートレードの調整という状況になれば、今の日米金利差を考えると、ドルは148円台ぐらいまで落ち込む可能性もあろう。
今晩の海外時間は、引き続き米債利回りを睨んでの展開となるが、来週のスケジュールを見越したポジション調整を警戒しておきたい。上値メドは151円20銭、下値メドは149円90銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.25
ドル円 基本は揉み合い、地政学リスクに依然要注意(週報11月第3週)
先週のドル/円相場はドルが底堅い。しかし上値も重いようで、ザラ場ベースで一度も156円台を付けることはなく、前週高値を超えられなかった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:川合 美智子
2024.11.25
ドル円 テクニカル週報(2024年11月第4週)
直近の日足は先週末の東京市場で(9:00am)前日足から下寄りのスタートとなりましたが、153.90-00の下値抵抗に跳ね返されて小陽線で切り返しています。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.11.25
ドル円週間見通し リスク回避的円高とユーロ安等によるドル高で板挟み(24/11/25)
11月15日高値156.74円から11月19日安値153.28円まで失速した後は、153円台へ下げたところを買われつつ155円台後半で売られるやや乱調な騰落を続けている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2023.11.17
基本はレンジだが、荒っぽい上下動にも注意(11/17夕)
17日の東京市場はドルが小安い。ただ下値も堅く、150円を割り込むには至らなかった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。