ドル円151円台前半、午前中は海外高値151.38まで
10日午前の東京市場でドル円は、高値圏でのもみ合い。朝方、151.37レベルで取引の始まったドル円は、昨晩海外時間の高値151.38と一時面合わせするも上抜けには至らず小幅に反落、151.22を安値に東京時間正午現在は151.26レベルで取引されています。
日経平均株価は、昨晩米長期金利の上昇に米主要株価指数が軒並み下げたことを受けて売りが先行、ソフトバンクが売られたほか、精密機械、自動車等が下げる一方、横ばいからプラスの業種も多く、196円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では欧州序盤に英Financial Times紙が日銀植田総裁にビデオインタビューを行い、電子版では動画とともに記事化。基本的には「輸入物価の上昇の影響を取り除くと、未だ2%の物価目標へは距離があり、緩和政策を続ける」との内容に新味はなく、為替についても「ファンダメンタルズに沿ったものであるべき」と従来の見解を繰り返したのみでした。しかし、英語で「日本のケースではインフレの上振れは金利の引き上げで対応できるが、下振れた場合には対応が困難」と、緩和政策継続の必要性を説明、それなりの円売り要因となった模様です。
一方FRBのパウエル議長もIMFのイベントで、現在の米国の金融政策が「十分制約的とは確信が持てない」として、追加利上げについて「適切ならば、ためらわない」と強く述べ、昨日相次いだ他のFRB関係者のタカ派発言もあって、米長期金利が反発。ドル円は米国時間にかけて151.38まで上げてそのまま高値圏で東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、主要テクニカルポイントを上放れ、10月末高値151.72を射程内に収めており、上向きのリスクが強い状況です。
今回の円安局面の謎の一つは、FRBも日銀も、毎回言っていることは変わらないのに、トップが発言するたびに都度ドル高円安が進行することです。考えられるとしたら、米国の引き締め終了宣言や日銀の緩和政策の見直しが、今すぐにでも起こるはずと市場が身構えているところに、現行政策継続を改めて強調されることにより、前回の発言時から経過した時間の分だけ、時間的な「期待」のズレが為替相場に反映されているということでしょうか。だとすると、日米の政策反転は相当程度相場に織り込まれていて、実際政策転換が行われたとしても、大きくは円高に振れないリスクもそろそろ検討しなければならないかもしれません。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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