東京市場のドルは151円40銭台で推移、「スタンバイ」の151円70銭台を意識か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、上下の値幅20銭未満と小さな値動きとなったが、151円台前半でのしっかりで取引を終えた。
昨晩の海外時間では、注目されたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の国際通貨基金(IMF)講演で、「インフレ改善を歓迎するも、この兆候が継続し、2%目標達成の道のりにあるかどうかは確認できない」とし、「適切であれば追加引き締めも躊躇しない」という姿勢を示したため、来年の利下げ観測が後退。米10年債利回りが4.65%台まで上昇したことから、ドルは151円40銭まで買われた。
東京時間では、時間外で米10年債利回りが4.61%台と反発は一服したものの、ドルは151円台前半でのしっかりが続き、151円41銭と昨晩の戻り高値を1銭上回る場面も見られた。市場では、植田日銀総裁が金融政策の正常化に対しては「慎重な姿勢を示している」との見方が強いことから、円は買われにくくなっているもよう。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:151円31銭
高値:151円41銭
安値:151円22銭
終値:151円40銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:161円43銭
高値:161円54銭
安値:161円35銭
終値:161円53銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円33銭
高値:96円33銭
安値:96円12銭
終値:96円27銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:184円94銭
高値:185円12銭
安値:184円82銭
終値:185円10銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32491円24銭
高値:32598円93銭
安値:32248円24銭
終値:32568円11銭(前日比−78円35銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、欧、ラガルドECB総裁がFT主催イベントにてインタビューに応じる
21時30分、米、ローガン・ダラス連銀総裁がECB主催金融市場会議に出席
23時00分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演
24時00分、米、ミシガン大学消費者信頼感指数、前回:63.8、市場予想:63.5
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いままである。ただ、ドルの上値が重くなっていることから、遅行スパンと実線の差は縮まっており勢いは弱まっている。下を警戒するムードはさほどない一方、151円台後半では、政府・日銀による為替介入警戒が高まることから積極的なドル買いには動けない状況にある。
パウエルFRB議長の発言を受けて、日米金利差は3.8%ほどと縮小傾向は一服している。ただ、日米金利差をネガティブ視する動きは弱く、ドルは今年の高値である10月31日の151円76銭に迫っている。さすがに、151円台後半は、為替介入の陣頭指揮を執る神田財務官が「スタンバイ」と発言した水準であることから、介入警戒感が重しとなり、「おっかなびっくり」な地合いとなろう。
フィナンシャル・タイムズ(FT)社主催のイベントで行われたインタビューにて、植田日銀総裁は「マイナス金利の終了にも課題があるとの認識を示し、誰もが低金利環境に慣れているため、かなり慎重に進めなくてはならない」と金融政策の正常化を急ぐ考えは無いことを示唆した。為替市場では、ドル買いが一気に強まるなど目立った反応はさほど見られていないが、「円安トレンドは今しばらく続く」というコンセンサスのエビデンスとしては十分だ。ユーロが対円で2008年以来の水準までユーロ高・円安推移となっている原因は、植田日銀総裁の考えがベースにある。
今晩の海外時間も、「おっかなびっくり」で数銭刻みのドル高の地合いとなりそうだが、151円70銭台水準は、政府・日銀による為替介入警戒感が非常に強いことから上値は重い。実際、為替介入が入る可能性もあることから、3−4円動く意識もしておきたい。上値メドは151円80銭、下値メドは148円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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