一転ドルは戻り歩調、ただ上値重い状況継続(11/7夕)

7日の東京市場はドル堅調裡。レンジは決して広くないが、「寄り付き安・大引け高」の様相だった。

一転ドルは戻り歩調、ただ上値重い状況継続(11/7夕)

一転ドルは戻り歩調、ただ上値重い状況継続

〇本日のドル円、150.05前後で寄り付き149.95レベルへ下げるも、終盤に掛けて150.40レベルまで上昇
〇ドルが逆行高の展開だが、150円台を中心とした一進一退がしばらく続く可能性
〇当面は発表される経済指標や要人発言、原油市況などに一喜一憂する展開か
〇欧米時間の予想レンジは149.80-150.90、ドル高・円安方向は150.80から151円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向はドル安・円高方向は、本日東京で回復した150円の攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場はドル堅調裡。レンジは決して広くないが、「寄り付き安・大引け高」の様相だった。

ドル/円は150.05円前後で寄り付いたのち、149.95円レベルへと小幅に軟化。しかし、以降は緩やかな右肩上がりで、終盤に掛けては150.40円レベルまで値を上げている。16時現在ではそのままドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、そうしたなか豪ドルが一時大きく値を崩す。対円では97円半ばから96.60円台と1円近く下落する局面も。豪中銀が政策金利を0.25%引き上げると発表したものの、「さらなる引き締めはデータやリスクの展開次第」としたことが失望を誘っていたという。

一方、材料的に注視されていたものは「欧米政治情勢」と「中国情勢」について。
前者は、幾つかの国で大統領選についての報道や発表が観測され思惑を呼ぶ。いま現在、戦争状態にあるロシアとウクライナだが、来年予定されている大統領選については対照的とも言える結果になりそう。ロイターは「ロシアのプーチン大統領が、来年3月の大統領選に出馬することを決めた」と報じるなど予定通り選挙が実施される旨を指摘した反面、ウクライナのゼレンスキー氏は恒例のビデオ演説で「いまは時期でない」と述べ、来春の大統領選挙の延期を示唆していた。一方、それとは別に、来年秋とやや先は長いがロイターが「米大統領選、激戦6州中5州でトランプ氏がバイデン氏をリード」報じ、物議を醸していたようだ。

対して後者は、中国の習国家主席が、訪中している豪州のアルバニージー首相と北京で会談。両国は協力を拡大する必要があると述べ、このところの緊張状態から脱却する用意があるとの考えを示していた。また、中国に駐在する日本の垂大使も、貿易の自由化を進めている南部・海南省のトップと会談し、通関手続きの簡素化など投資環境の改善を求めたと報じられている。さらに、米国はオースティン国防長官が中国政府に対し、米中国防相会談に応じるよう要請したとの一部報道が観測されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は目先高値151.72円から一時3円近い下押し。移動平均の21日線(149.80円前後)をNYクローズで割り込むなど、短期的にはドルの下押しリスクが強まった感もあったが、昨日そして本日はドルが逆行高。前述したように、本日東京では150.40円レベルまで値を戻している。とは言え、このまま勢いに任せてドルはさらなる上値を試すとも思われず、ドルは150円台を中心とした一進一退がしばらく続くことになるだろう。
10月あるいは11月の日米欧金融政策会合が終わったばかりだが、市場はすでに次回、12月会合における金融政策へと早くも関心が移行している。そんな次回会合をにらみつつ、当面は発表される経済指標や要人発言、あるいは原油市況などに一喜一憂する展開か。また、7日から9日にかけて実施される米四半期の定例大型入札を警戒している向きもあるようだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円の先月末に向けた高値トライから一転、短期的にはむしろドル安方向のリスクが感じられたが、先週末そして昨日と149円を割り込めず、下値トライが失敗した可能性も取り沙汰されている。
ただし、日足以下のチャート形状がヘッド&ショルダーを形成中のようにも思われ、そうであるならば足もとのドル戻りは「右肩形成」の動きで、一時的な戻りか。情勢をしっかりと見極めたい。

本日は米経済指標として、9月の消費者信用残高などが発表されるものの関心はさほど高くなく、基本的にはノーインパクトか。しかし、ダラス連銀総裁の講演など幾つかの発言機会が見込まれており、そちらには要注意だろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.80-150.90円。ドル高・円安方向は150.80円から151円レベルが最初の抵抗。上値は重そうだが。超えれば151.72円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京でスムーズに回復してきた150円の攻防にまずは注目だ。その少し下には移動平均の21日線も位置している。

一転ドルは戻り歩調、ただ上値重い状況継続

ドル円日足


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