上値重い、むしろ短期リスクは下向きか(11/6夕)

週明け6日の東京市場は基本レンジ取引。149円半ば挟みの値動きで、明確な方向性も乏しかった。

上値重い、むしろ短期リスクは下向きか(11/6夕)

上値重い、むしろ短期リスクは下向きか

〇本日ドル円、基本レンジ相場、149.30レベルで底堅く、上値も重く149.70前後で上げ止まる
〇先週の日米政策金利発表など重要材料をこなし端境期か
〇大きなトレンドは引き続きドル高方向だが、先週高値151.72をつけた流れは一服した様相
〇テクニカルには、先月末に向けた高値トライから一転、足もとのリスクはむしろドル安方向か
〇欧米時間のドル円予想レンジは148.90-150.10、ドル高・円安方向は149.80レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は先週末安値149.18の攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

週明け6日の東京市場は基本レンジ取引。149円半ば挟みの値動きで、明確な方向性も乏しかった。

先週末は、ロシア国防省が最新原潜から潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を実施し成功させたと発表し話題に。ちなみに、複数の弾頭が予定通り極東カムチャツカ半島に着弾したという。一方、中国首相は開催した「輸入博」で対外開放をアピールしていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は149.35-40円で寄り付いたものの、積極的な売買は手控えムード。149.30円レベルでは底堅かったが、上値も重く149.70円前後で上げ止まっている。先週までに日米の政策金利発表をはじめとする重要材料をこなし、足もとはやや端境期といった感も。16時現在では149.55-60円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「イスラエル情勢」と「中国情勢」について。
前者は、上川外相がイスラエル外相と会談。ブリンケン米国務長官もイスラエル首脳らとの会談で「戦闘の一時中断」を要請したが、受け入れられず。イスラエルのネタニヤフ首相は「人質を解放しない限り停戦を拒否する」とした頑なな姿勢を貫いていた。そうしたなか、イスラエル極右政党所属の閣僚がラジオ番組で、ガザ地区への核使用について「可能性のひとつだ」と肯定する発言をし、国内外で批判を浴びる結果に。急ぎ、ネタニヤフ首相が「政府の公式見解ではない」との声明を出したものの、完全な火消しには至っていない。

対して後者は、5日午前に沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に中国海警局の船1隻が侵入。また日中韓3ヵ国の環境相会合が日本で開催されるなか、中国は改めて処理水を「核汚染水」と表現するなど、日中対立から会合が荒れたと伝えられている。日中間の不穏なやりとりが取り沙汰されるなか、米CNNは「中国軍機1機が先月29日、南シナ海の国際水域上空を飛行中、カナダ軍のヘリコプターの前方でフレア弾を放出していたことが分かった」と報じ物議を醸す。言うまでもなく、かなり危険な行為だが、中国国防省は「繰り返しカナダ側に警告をしたが、応じないばかりか、超低空飛行などの挑発行為をとった」と反論。そして非難している。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場の大きなトレンドは引き続きドル高方向にバイアスが掛かるとみているが、少なくとも先週高値の151.72円を付けたような流れは一服した様相だ。ドルの上値は重いばかりか、短期的には逆にドル安方向のリスクすらうかがえるほどだ。ドル弱気派のなかからは、先週末に割り込んできた移動平均の21日線(149.80円前後)を目先抵抗に、先週安値148.81円割れを見込む声も聞かれていた。
注目されていた日米欧の金融政策が先週までに発表され、いずれも「金利据え置き」となった。しかし市場はすでに次回、12月会合における金融政策へ早くも関心が移行している。うち、米国については予想以上に弱気派が優勢ながら、これはこのあと発表される米経済指標次第で変化するといった見方もある。そうした意味では、この先発表される米経済指標に注目。ただ、本日は目立った指標発表が予定されておらず、米株や金利の動きを注視しつつ基本は様子見か。

テクニカルに見た場合、ドル/円の先月末に向けた高値トライから一転、足もとのリスクはむしろドル安方向か。7月末に上回って以来、サポートとして寄与してきた移動平均の21日線を先週末のNYクローズで割り込んできたことも気掛かりだ。早々に回復しないと、今後は同ラインが抵抗となる格好で、逆にさらなる下値模索をたどる可能性も否定できない。なお、ドルが続落した場合のターゲットは先週安値148.81円、そして148円近くまで値を上げてきた一目均衡表の先行帯の雲の上限となる。

本日はとくに目立った米経済指標の発表なし。また米通貨当局者の講演などもとくにはないようで、やや動きにくそうな雰囲気も。ただ、英国をはじめドイツやユーロ圏などにおいて10月の非製造業PMIが発表される見通しだ。欧州通貨の動意に要注意かもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.90-150.10円。ドル高・円安方向は21日線も位置する149.80円レベルが最初の抵抗。上抜けると再び150円乗せも。
対するドル安・円高方向は、先週末安値149.18円の攻防にまずは注目。それを下回ると先週安値148.81円がターゲットに。

上値重い、むしろ短期リスクは下向きか

ドル円日足


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