東京市場のドルは149円台半ばで推移、米10年債利回りを睨んだ展開に
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、株高などが下支えとなったが、米金利低下が重しとなり、149円台半ばでの小動きとなった。
先週末の海外時間では、10月の米雇用統計で、失業率が市場予想よりも悪化したほか、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回ったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げサイクルは終了したとの見方が強まり、米10年債利回りは一時4.5%台を割り込んだ。9月末の金利水準まで低下したことから、ドルは149円台前半まで売られる展開となった。
東京時間も149円台前半でスタートしたが、時間外で米10年債利回りの低下が一服したことから、149円台割れは回避された。株式市場では、日米の利回り低下や半導体関連株の上昇などが材料となり、日経平均が先週末比2%超の大幅高に。株高に伴いリスク選好のドル買いも入ったとの観測。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円38銭
高値:149円68銭
安値:149円37銭
終値:149円54銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:160円24銭
高値:160円68銭
安値:160円23銭
終値:160円55銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円22銭
高値:97円51銭
安値:97円22銭
終値:97円42銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:184円80銭
高値:185円21銭
安値:184円79銭
終値:185円11銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32450円82銭
高値:32766円54銭
安値:32395円50銭
終値:32708円48銭(前日比+758円59銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時30分、英、建設業PMI、前回:45.0、市場予想:45.9
25時00分、米、クックFRB理事が金融安定化について講演
27時00分、欧、ナーゲル独連銀総裁がデジタルユーロについて講演
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。20日MAでもみ合う場面も見られたが、10月31日の日銀金融政策決定会合後、この水準を上放れた。ボリンジャーバンドでは+2σを明確に上抜けていたが、10月31日に大陽線を残した後は上昇分を失う格好に。一週間単位でみると「ほぼ往って来い」の形状となった。
先週末の米雇用統計通過後、米10年債利回りは、一時、9月27日以来となる4.5%台割れとなった。日本の10年物国債利回りも0.8%台半ばまで低下しているが、10年物の日米金利差は3.65%ほどと、10月末時点の日米金利差4%台と比較するとだいぶ縮小している。この縮小を考慮すると、足元のドルは非常に底堅いと言えよう。
底堅さの背景としては、「日銀がオペを行うことから、日本の10年債利回りが1.0%を超えることは無い」「米経済はソフトランディングするとの見通しから、米国債利回りが今後も低下することはない」という考えがあるのだろう。
しかし、11月1日の神田財務官の「スタンバイ」発言を受けて、積極的なドル買いも難しい。ドルは149円台では底堅い一方、150円台では積極的に買いにくい、というモメンタムが上下で強まっていることから、10月中旬から下旬(日銀の金融政策決定会合前)のようなドル膠着相場に再び入る可能性がある。
なお、市場では材料視されなかったが、本日午前、植田日銀総裁は、2%の物価安定目標に向けた「見通し実現の確度が、少しずつ高まってきている」と述べた。同時に「賃金と物価の好循環がどの程度強まるか不確実性が高く、現時点では物価目標の持続的・安定的な実現を十分な確度をもって見通せる状況には至っていない」とも語ったことから、市場はニュートラルと捉えたもよう。
今晩の海外時間では、目立った経済指標等の発表は予定されていないことから、米10年債利回りは落ち着きを取り戻し、ドルは多少買い戻されると想定する。今晩の上値メドは150円00銭、下値メドは149円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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