ドル高トレンドそろそろ調整か(週報11月第三週)

それにしても大きな値動きが続いています。米国大統領選開票後の安値101.19レベルから週明け早朝の高値111.12レベルまで、

ドル高トレンドそろそろ調整か(週報11月第三週)

前週の主要レート(週間レンジ)

          始値    高値    安値    終値

ドル円     106.88   110.95   106.85   110.91
ユーロ円    115.67   117.51   115.55   117.45
ユーロドル    1.0823   1.0827   1.0569   1.0588
日経平均    17467.49  18043.72  17455.78  17967.41

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

前週の概況

11月14日(月)

前週後半のドル高の流れを継続し終日ドル買いが目立つ一日となりました。東京市場では史上最高値を更新したNYダウの動きを受け日経平均が上昇、ドル円も一段と買いが強まってのスタートを切りました。トランプ新大統領誕生後のドル高の流れに半信半疑な参加者も多く、ドル買いポジションがそれほど積み上がってない中じり高の展開となり、海外市場に移ってからはユーロドルも年初来安値を更新し、ドル円も108.54レベルの高値をつけ引けました。

11月15日(火)

東京市場では、輸出のドル売りオーダーや株価の上値が重かったことから短期筋の利食い売りを誘う結果となり、107円台を何度かトライする上値の重たい展開となりました。しかし、107円台後半では押し目買いを考える向きが多く下値を試すたびに108円台前半へと買い戻される動きを続けました。NY市場に入り予想よりも強い小売売上高に反応して再びドル買いの動きとなり、前日高値を上回るとドル買いが加速し引けにかけては109.34レベルまで上伸、ドル高値圏での引けとなりました。

11月16日(水)

東京市場のドル円は、朝方の輸出のドル売りで押しが入りその後買い戻される流れとなりました。ドル買いの動きは海外市場に入ってから強まり、前日高値を超えると109.76レベルまでドル買いが進みました。ドル円は225先物が夜間取引で18000円の大台を前に折り返すと追随する動きとなり、ドル買いの動きはユーロドルへとバトンタッチ。ユーロドルはNY市場の後場に1.0666レベルまで水準を切り下げ、ユーロ円の売りも強まったことから、ドル円も109円目前の水準まで下げての引けとなりました。

11月17日(木)

東京市場では日銀の指値オペに反応し一時的に円安に振れる場面も見られましたが、その後はイエレンFRB議長の議会証言を前に109円を挟んで一進一退の動きを続けました。NY市場に入り強い経済指標に反応してドル買いの流れが再開、イエレン議長も早期利上げを示唆したことからドルは一段高の動きとなり引けにかけて110円の大台に乗せる流れとなりました。ユーロドルでもドル買いの動きが続き1.06台前半へと下押しし安値圏での引けとなりました。

11月18日(金)

日米双方の金融政策方向性が再確認されたことに加え、安倍・トランプ会談で何も悪材料となる話が出なかったことにより、東京市場のドル円は一段高の動きとなって欧州市場に入る頃には110.93レベルの高値をつけました。その後、週末前の調整も入りNY市場では109.80レベルまで押しましたが、110円以下では買いたい向きも残っている様子で急速に切り返し、引けにかけては高値110.95レベルとわずかに高値を更新しての引けとなりました。ユーロドルは1.06を挟んで一進一退の動きとなっていましたが、こちらもNY市場でドル高の動きから1.0569レベルへと安値を更新し、ドル高地合いのままの週末クローズとなりました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。

11月21日(月)
08:50 本邦10月貿易収支
22:00 フィッシャーFRB副議長講演
22:30 米国10月シカゴ連銀全米活動指数
25:00 ドラギECB総裁議会証言

11月22日(火)
24:00 米国11月リッチモンド連銀製造業指数
24:00 米国10月中古住宅販売件数
24:00 ユーロ圏11月消費者信頼感速報値

11月23日(水)
**:** 東京市場休場
17:00 フランス11月製造業・サービス業PMI速報値
17:00 南ア10月CPI
17:30 ドイツ11月製造業・サービス業PMI速報値
18:00 ユーロ圏11月製造業・サービス業PMI速報値
22:30 米国新規失業保険申請件数
22:30 米国10月耐久財受注
23:45 米国11月MarkIt製造業PMI速報値
24:00 米国11月ミシガン大消費者信頼感指数確報値
24:00 米国10月新築住宅販売件数
24:30 米国週間原油在庫
28:00 FOMC(1・2日)議事録公表

11月24日(木)
**:** NY市場休場
16:00 ドイツ7〜9月期GDP確報値
16:45 フランス11月企業景況感
17:00 スペイン7〜9月期GDP確報値
18:00 ドイツ11月ifo景気期待指数
18:30 南ア10月PPI
**:** 南ア政策金利発表
20:00 トルコ政策金利発表
21:00 ドイツ12月GFK消費者信頼感
30:45 NZ10月貿易収支

11月25日(金)
08:30 本邦10月CPI、11月東京区部CPI
16:45 フランス11月消費者信頼感指数
18:30 英国7〜9月期GDP改定値
22:30 米国10月卸売在庫
23:45 米国11月MarkItサービス業PMI速報値
27:00 NY株式短縮取引で終了

今週の週間見通し

当局のコメント非対称、ドルインデックスに注意

それにしても大きな値動きが続いています。米国大統領選開票後の安値101.19レベルから週明け早朝の高値111.12レベルまで、ほぼ10円のドル高円安相場となっています。他の通貨ペアに比べてもリスクオンの影響が強く出て値幅的に大きなものとなっていますが、仮に円高でこれだけ動いたら「過度な変動」という言葉が当局から聞かれることは間違いありませんが、今回円安に動いた場合には「神経質な値動き」とした上で「足元では落ち着いた」と明らかに歓迎している非対称なコメントです。

日本経済にとっては、株高と円安でアベノミクス相場への流れに回帰することを願う気持ちは理解できますが、株高は良いとしても円安(ドル高)に関しては、どこで米国サイドからドル高警戒感が出てきても不思議ではありませんから、ドルインデックスの水準も見ながら(今朝の高値は101.51)注意深く見守っていくべきでしょう。

短期的にはいったん高値を付ける可能性が高まってきている

さて、ここまでのドル高の原因はトランプリスクの切り返し(かなり損切りも出たようです)に加え、一転トランプ新大統領の政策期待へと市場の流れた急展開したことによります。減税、インフラ整備をはじめとする景気刺激策と株式市場も為替市場もリスクオンで動いていますが、先週の週報で書いた財源問題から来る米国債の売りに対する懸念は今のところ目をつぶっているというところです。

特に為替市場に関しては、米国債の売り=長期金利上昇ですから、この金利上昇という部分にストレートに反応し、インフレ懸念が出てくれば12月の利上げだけでなく、その後の利上げの流れにもつながるといった考え方をしている様子です。市場に参加する立場としては流れについていくしかありませんので警戒しつつもドル買いの流れに乗るしかないのですが、冒頭に書いた通りで安値から既に約10円です。短期的にはいったん高値を付ける可能性が高まってきていると見た方がよいでしょう。

高値圏となり得るターゲット

材料を考えても答えは出ませんので、テクニカルに高値圏となり得るターゲットをいくつか示しておきます。

近いところでは5月高値の111.45、個人的にはこれは短期的にいい水準であると見ていますが、他にも候補をあげておきましょう。

 112.44 2015年高値(125.86)と2016年安値(99.02)の半値戻し
 114.88 日銀マイナス金利導入後の2月戻し高値
 115.46 9月安値、10月高値、11月安値のN波動から計算する261.8%フィボナッチエクスパンション
 115.60 2015年高値(125.86)と2016年安値(99.02)の61.8%戻し

111円台半ばから112円台半ばが短期的な高値の目途か

こうして見ると、111円台半ばから112円台半ばが最も近いターゲット、そしてその後は115円前後から半ばにかけてという水準が中期的なターゲットとなっていることがわかります。後者にはまだまだ距離があるため、とりあえずは前者の水準を短期的な高値の目途と考えることとします。

110円割れは買い意欲、レンジ109.50-112.00

一方サポートですが、金曜の動きを見ているだけでも110円割れには買いたい向きが残っていて、市場参加者全体の傾向としてドル買いが遅れているという印象が強いため、短期的には下値もまた限定的であると見ていたほうが良いでしょう。となると110円割れがひとつの目安となります。レートの振れも大きいため多少幅を広げ、109.50レベルをサポートに、112.00をレジスタンスとする流れを今週は見ておくこととします。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。

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