米FOMCに注目、ドル高基調は継続か(11/1夕)

1日の東京市場はドル弱含み。執拗ともいえる当局者などによる口先介入が聞かれたこともあり、終日上値は重かった。

米FOMCに注目、ドル高基調は継続か(11/1夕)

米FOMCに注目、ドル高基調は継続か

〇東京市場のドル円、本邦要人の円安けん制発言が相次ぎ終日上値重い
〇神田財務官の「為替介入をスタンバイ」が特に思惑を呼び、一時後退していた円買い介入警戒再び強まる
〇2日未明のパウエルFRB議長の講演でタカ派スタンスが維持されればドルは底堅く推移か
〇本日この後は10月ADP雇用統計や同ISM製造業景況指数等の米経済指標が発表予定
〇ドル高円安方向は昨日示現した151.72が最初の抵抗。上抜けると152円台乗せを目指す
〇ドル安円高方向、151円台に乗せたあと確りと割り込んでいない151円レベルの攻防にまずは注目
〇欧米時間のドル円予想レンジは150.60-151.90

<< 東京市場の動き >>

1日の東京市場はドル弱含み。執拗ともいえる当局者などによる口先介入が聞かれたこともあり、終日上値は重かった。

ドル/円は寄り付いた151.70円レベルを日中高値に冴えない。早い時間帯から鈴木財務相や神田財務官、松野官房長官らによる円安けん制発言が相次ぎ、調整と思しきドル売りに押される展開だった。しかし、それでも151円は割り込めず下値は151.15円レベルまで。以前よりレンジも切り上がったようだ。16時現在では151.20-25円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「当局介入スタンス」と「欧州金融政策」について。
前者は、昨日発表された「為替介入実績(外国為替平衡操作の実施状況)」で、10月3日に観測された怪しい動きが円買い介入でなかったことが明らかになった。それを受け、欧米市場では一段のドル高・円安が進行している。また、そののち発表された米経済指標、10月の消費者信頼感指数が予想を上回ったこともドル買いを支援。結局151.72円まで一気に値を上げ、NYもそのまま高値圏で大引け東京市場へとバトンタッチするなか、先で記したように本邦要人から口先介入が相次いだ。なかでも、神田財務官が発した「為替介入をスタンバイ」がとくに思惑を呼んでいたようで、一時後退していた円買い介入警戒が再び強まってきたようだ。

対して後者は、昨日の欧米時間にECB政策委メンバーを中心に、欧州の金融政策に関する発言が相次いで発せられていた。独連銀総裁は「インフレをまだ克服していない」と強気コメントを述べたものの、ほかは総じて弱気な内容。たとえば、仏中銀総裁は「インフレ率は明らかにピークを過ぎた」、ECB副総裁「インフレ率は来月も引き続き鈍化すると予想」、ギリシャ中銀総裁「インフレが3%下回れば利下げ検討」などといったコメントが観測されていた。対円では15年ぶり高値となる160円台で推移しているユーロだが、前記した発言を勘案すると、このあと少しずつ上値が重くなる可能性も否定できない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円はおよそ1年という時間をおいて再び151円台へ。そして昨年高値151.94円迫る151.72円を示現している。リスクがドル高方向に高いことは間違いなく、昨日高値そして昨年高値を超えていく展開をたどってもまったく不思議はない。しかし、先月3日の150円超えでは観測されなかった当局の実弾円買い介入への警戒が、ここにきて一気に強まってきた。本日東京で聞かれていた神田発言「為替介入をスタンバイ」は、昨年9月の介入前に聞かれた「スタンバイの状態と考えていい。いつでもやる用意がある」に極めて近いニュアンスを感じさせる。油断は禁物だろう。

市場で注目されていた日米欧の金融政策発表のうち、日欧がすでに政策金利を発表し、残りは米国。そして、その米国で本日FOMCの金融政策発表と、パウエルFRB議長の講演が実施される予定だ。なお、本日のFOMCで利上げの実施を見送るとの見方が有力だが、果たしてどうなるのか。仮に金利引き上げとなった場合には予想外のサプライズとなり、為替市場はドル買いで反応する公算が大きそうだ。逆に利上げ見送りでも、タカ派スタンスが維持されればドルは底堅く推移する可能性がある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は目先高値から2円程度の下押しを経て、昨日再び年初来高値を更新。下落しても、それ以上の戻りをたどる展開でドル高基調はいまだ変わっていないようだ。円買い介入警戒が再び強まっているが、昨日高値151.72円を超えれば昨年高値の151.94円そして152円乗せも。
それに対するサポートはまず151円。以降も50ポイント刻みでサポートが観測されており底堅そう。

本日は米経済指標として、10月のADP雇用統計や同ISM製造業景況指数などが発表されるものの、やはり市場でもっとも注視されているのは米FOMCの金融政策発表と、その後のパウエルFRB議長の講演だ。昨日のドル/円は一日で2.7円もの大変動を記録しているが、本日も荒っぽい変動に引き続き要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.60-151.90円。ドル高・円安方向は昨日示現した151.72円が最初の抵抗。上抜けると152円台乗せを目指す。
対するドル安・円高方向は、151円台に乗せたあとしっかりと割り込んでいない151円レベルの攻防にまずは注目。ただ、割り込んでも50ポイント刻みでサポートがあり大崩れは基本予想しにくい。

米FOMCに注目、ドル高基調は継続か

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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