ドル円、年初来高値更新後に反落。FOMC通過後の米金利低下がドル円の重石に(11/2朝)

1日(水)のドル円相場は高値圏から反落。

ドル円、年初来高値更新後に反落。FOMC通過後の米金利低下がドル円の重石に(11/2朝)

年初来高値更新後に反落。FOMC通過後の米金利低下がドル円の重石に

〇ドル円、米FOMCの政策金利据え置き、パウエルFRB議長のハト派発言に150.66まで反落
〇ユーロドル、米国時間にかけ1.0518まで下落後、FOMC結果公表後は1.05台後半に持ち直す
〇ドル円、アジア時間の年初来高値151.74から急反落するもテクニカルの地合い崩れていない
〇ファンダメンタルズもドル円相場の上昇を連想させる材料揃う
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.25ー151.75

海外時間のレビュー

1日(水)のドル円相場は高値圏から反落。アジア時間早朝にかけて、年初来高値151.74を記録するも、一巡後に伸び悩むと、(1)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(2)円金利上昇に伴う円買い圧力、(3)神田財務官による「一方的で急激な動きを懸念している」「過度な変動に対してはあらゆる手段を排除せず適切な行動をとる」「介入を含めた準備状況はスタンバイ」との円安牽制発言、(4)上記4を背景とした政府・日銀による介入警戒感、(5)米10月ADP全米雇用報告(結果+11.3万人、予想+15.0万人)の市場予想を下回る結果、(6)米10月ISM製造業景況指数(結果46.7、予想49.0)の市場予想を下回る結果、

(7)米FOMCの政策金利据え置き決定(FF金利誘導目標を5.25ー5.50%で据え置き)、(8)パウエルFRB議長による「我々は長期金利の上昇に注意を払っている」「サイクルの終わりに近づいている」とのハト派的な見解発表(年内追加利上げ観測後退)、(9)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値150.66まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/2午前5時50分現在)では、150.95前後で推移しております。

1日(水)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間早朝にかけて、高値1.0586まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)欧州経済の先行き不透明感や、(2)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(3)ECBによる金融引き締め終了の思惑が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0518まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米FOMCによる政策金利の据え置き決定や、(5)パウエルFRBのハト派的な発言、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力(年内追加利上げ観測後退→米10年債利回りが4.93%から4.75%へ急低下)、(7)欧州株の堅調推移が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間11/2午前5時50分現在)では、1.0570前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円はアジア時間早朝に記録した年初来高値151.74をトップに反落に転じると、海外時間にかけて、一時150.66まで反落しました。急ピッチな上昇に対する反動が出てきたことや、政府・日銀による介入警戒感が高まったこと、米金利低下でドル売り圧力が強まったこと等がドル円下落の背景と考えられます。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(一巡後に再びドル買い・円売りが強まる公算大)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(パウエルFRB議長は追加利上げについて示唆しなかったものの、一方で「現時点では利下げについては全く考えていない」「委員会は利下げについて検討、協議していない」と利下げの可能性についても時期尚早であると一刀両断→政策金利の「より高く・より長く」が意識される展開)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁は前日の記者会見で金融緩和の継続姿勢を再強調)、(3)日米金融政策の方向性の違いとそれに伴う円キャリートレードの継続期待(円売り安心感)、(4)政府・日銀による為替介入のやりにくさ(ドル高・円安の根本的な原因は日米金利差という典型的なファンダメンタルズ要因であるため、安易に為替介入に踏み切りづらい。10/31に公表された外国為替平衡操作の実施状況を見ても、政府・日銀は9/28ー10/27の期間で介入実績がゼロ)、

(5)株式市場の持ち直し期待(リスク選好の円売り圧力)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。本日以降は日米金融政策イベント通過に伴うアク抜け感も期待できることから、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(昨年高値151.95の上方ブレイクを試すシナリオを想定)。尚、本日は米7ー9月期非農業部門労働生産性速報値や、米7ー9月期単位労働コスト速報値、米新規失業保険申請件数、米9月製造業受注指数、米9月耐久財受注確報値などが予定されております。

本日の予想レンジ:150.25ー151.75

注:ポイント要約は編集部

年初来高値更新後に反落。FOMC通過後の米金利低下がドル円の重石に

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る