150円突破もドル上値の重さ変わらず(10/27夕)

27日の東京市場はドルが小安い。150円以上のレベルは維持したものの、円買い介入警戒は依然として強く上げ渋った。

150円突破もドル上値の重さ変わらず(10/27夕)

150円突破もドル上値の重さ変わらず

〇本日ドル円、150.40前後で寄り付き基本は揉み合い、150.10-45といった狭いレンジ内での推移
〇ドル円は昨日150.77まで上昇、150円を超えたあとは150円を割り込まず、レベルが一段階上がったか
〇来週の日米の政策金利発表に注目集まる、昨日ECBは金利据え置きを発表
〇欧米時間のドル円予想レンジは149.60-150.70、ドル高・円安方向は150円半ばが短期の抵抗か
〇ドル安・円高方向は、150円や昨日安値149.88などをめぐる攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場はドルが小安い。150円以上のレベルは維持したものの、円買い介入警戒は依然として強く上げ渋った。

ドル/円は150.40円前後で寄り付いたものの、基本は揉み合い。150.10-45円といった狭いレンジ内での推移をたどっている。レベルがレベルだけに、鈴木財務相から「過度な為替変動は望ましくない」とのコメントが聞かれるも影響はほぼなし。米金利の動きなどをにらみつつ、ドルは緩やかな右肩下がり。16時現在では150.15-20円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ECBの政策金利」について。
前者は、訪米中の中国の王政治局員兼外相が、ワシントンでブリンケン国務長官と会談したなどと伝えられる反面、軍事面では引き続き緊迫したやりとりが観測されている。たとえば中国国防省は、南シナ海で米駆逐艦が中国の艦船に異常接近したとする動画を公開したうえで、「危険行為を繰り返している」と非難。それに対し、米国側も南シナ海の国際空域を飛行していた米空軍のB52爆撃機に、中国軍の殲11戦闘機が異常接近した映像を公開。同様に強い非難を行っていた。なお、それらとは別に中国国営の中央テレビは「李前首相が心臓発作に見舞われ、上海の病院で死亡が確認された」と報じている。

対して後者は、ECBが昨日政策金利の「据え置き」を発表し、過去最長となっていた連続利上げがついに途切れた。しかし、一部で台頭していた「利下げ討議」思惑については、「現在の政策金利を十分に長い期間維持すれば、インフレはしっかり抑制される可能性がある」などとし疑念を払しょく。またラガルド総裁自身も「利下げは議論せず、まったくもって時期尚早」と完全否定していた。とは言え、市場では予想よりハト派といった見方も取り沙汰されていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、昨日一時150.77円まで上昇。また、150円をしっかり超えたあとは150円を割り込んでおらず、「150円を上限」としたステージからレベルが一段階上がったようだ。週末ということでポジション調整による下押しを警戒する声も聞かれているが、それでもドルは底堅く推移しそう。実弾介入実施といった特別な要因でもなければ、149円半ばまで値を上げている移動平均の21日線が強いサポートか。
市場は来週に予定されている日米の政策金利発表を注目。それに先んじて今週発表されたカナダそしてECBの金利据え置きだった。ただ、昨日発表された米4-6月期GDP速報値は驚くほどの好数字で、「米金利据え置き」といった市場の弱気ムードが若干後退した感もある。いずれにしても、引き続き発表される米経済指標には要注意だ。なお、ブルームバーグは「財務省が数日内に発表する見通しの10月分の為替介入データが注目されている」と指摘したうえで、「3日の介入見送りが確認された場合、円安が加速する可能性もある」としていた。頭の片隅にでもとどめておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は基本的なドル高トレンドが継続中。ただ、昨日150円をしっかりと超え150.77円まで値を上げたにもかかわらず、ドルの上値の重さは相変わらずだ。昨年高値の151.94円が一応視界内に捉えられているものの、予想していた「現実的な次の目標」ではなく、いまだ近くて遠い存在と思われる。
それに対するドルのサポートは150円や、昨日安値149.88円など。また、それらを下回っても移動平均の21日線では下げ止まりそうだ。

本日は米経済指標として、9月のPCEデフレーターや10月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表される予定となっている。また、訪米中の中国の王政治局員兼外相が、バイデン米大統領と面会する見通しとされており、そちらを警戒する声もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.60-150.70円。ドル高・円安方向は150円半ばが短期の抵抗として、育ちつつあるようだ。超えれば昨日東京高値150.77円を目指しそう。
対するドル安・円高方向は、150円や昨日安値149.88円などをめぐる攻防にまずは注目。週末ということもありNYクローズで150円を下回ると、来週のドル上値はさらに重くなる可能性も。

150円突破もドル上値の重さ変わらず

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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