米消費者物価に注目、レンジ放れ期待も(10/12夕)

12日の東京市場は揉み合い。149円前半を中心とした30ポイント程度のレンジ取引に終始している。

米消費者物価に注目、レンジ放れ期待も(10/12夕)

米消費者物価に注目、レンジ放れ期待も

〇ドル円、149.15-20で寄り付いたものの積極的な動意に欠け、16時現在149.00-05で推移
〇今夜は注目の米CPI発表予定、内容次第で利上げ打ち止め観測がさらに強まる可能性も
〇経済指標を受け148.17-149.54の上方向に放れれば、再び150円乗せが見えてくるか
〇欧州の中銀総裁の発言やG20やG7財務相・中銀総裁会議の行方にも注目
〇欧米時間のドル円予想レンジは148.30-149.80、ドル高・円安方向は149.54が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、移動平均21日線が位置する148.60レベルの攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場は揉み合い。149円前半を中心とした30ポイント程度のレンジ取引に終始している。

ドル/円は149.15-20円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。日経平均株価は本日も大幅高。クローズベースで500円以上の上昇となったが、本日は為替市場との連関性が低く、ドル高・円安とはならなかった。野口日銀委員から「慌てて政策修正をする必要はいまのところない」といった発言が聞かれるなか、16時現在では149.00-05円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「パレスチナ情勢」と「欧米金融政策」について。
前者は、パレスチナ情勢が引き続き関心を集めるなか、クレバリー英外相がイスラエルを訪問。政府高官らと会い、イスラエルの自衛権に対する英国の支持を表明していた。またバイデン米大統領も、イスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃以降、イスラエルのネタニヤフ首相と4回目となる電話会談を行ったと明らかにしている。そうしたなか、米国は空母打撃群を中東地域に派遣したことを発表しているが、ロシアのプーチン氏は一連の米国の動きについて「事態をあおる行為」などと強く非難していたようだ。なお、今年のG7議長国・日本の神田財務官は12日に開催するG7財務相会議において、「中東情勢の緊迫化が世界経済に与える影響について話し合われる可能性がある」と発言していた。

対して後者は、昨日欧米時間以降に欧米要人からの金融政策に関する発言が相次ぎ観測されている。例えば欧州では、クロアチア中銀総裁が「見通しが維持されれば、これ以上の利上げは必要ない」と述べた反面、オーストリア中銀総裁は「インフレは予想よりも強まる可能性がある」と指摘していた。一方、米国は発表された9月のFOMC議事要旨で「大多数は引き続きインフレの上振れリスクを認識している」ことが明らかにされるも、アトランタ連銀総裁は「政策金利について、これ以上何かする必要はないと考える」、ウォラーFRB理事も「金利の動向を見守る姿勢」などと発言しており、ハト派的スタンスがやや優勢だった。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日そして本日東京時間のドル/円は、形成していた148.17-149.54円という小レンジの中での値動き。つまり、依然として明確な方向性を欠いているとも言えそうだ。ある市場参加者によると、3日に観測された「円買い介入と思しき動き」を受けて、ヘッジファンドなど大手投機筋の関心がドル/円から離れつつあるという。関心の低さにともなう小動きの続く危険性も一部で取り沙汰されているようだ。
引き続き日米などの金融政策を注視する向きが多いなか、前述したように米金利見通しについて強気派が少し後退している感も否めない。そうしたなか、本日は注目の米消費者物価指数発表が予定されており、その内容如何では米利上げ打ち止め観測がさらに強まる可能性もある。移動平均の21日線が位置する148.60円レベルをしっかり下回ると、市場センチメントに変化が生じかねないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は149円を中心としたレンジ取引で、引き続きトレンドレス。そんなレンジ相場がいま少し続く展開も否定できないが、本日はNY時間に注目の米経済指標発表を控えており、それを受けたレンジ放れへの期待感も強い。まずは、形成している足もとの148.17-149.54円を上下どちらに放れていくのかが注視されている。上方向に放れれば、再び150円乗せが見えてくるが果たしてどう動くか。

本日は米経済指標として、9月の消費者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるうえ、欧州の中銀総裁を中心とした講演などの発言機会も引き続き多い。また開催予定のG20やG7財務相・中銀総裁会議の行方にも注目だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.30-149.80円。ドル高・円安方向は先で指摘した小レンジ上限である149.54円が最初の抵抗。超えれば、150円が名実とも再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、移動平均21日線が位置する148.60円レベルの攻防に注目。ザラの動きもさることながら、NYクローズで維持できるか否かも気掛かりなところだ。

米消費者物価に注目、レンジ放れ期待も

ドル円日足


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