東京市場のドルは149円台でのもみ合い、米CPI上振れでも150円台は遠いか(23/10/12)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、今晩発表の9月の米消費者物価指数(CPI)を見極めたいとするムードが強く、149円台前半での小動きとなった。

東京市場のドルは149円台でのもみ合い、米CPI上振れでも150円台は遠いか(23/10/12)

東京市場のドルは149円台でのもみ合い、米CPI上振れでも150円台は遠いか

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、今晩発表の9月の米消費者物価指数(CPI)を見極めたいとするムードが強く、149円台前半での小動きとなった。

昨晩の海外時間では、9月の生産者物価指数(PPI)が予想を上回る伸びとなったほか、ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)理事が、インフレ抑制で追加利上げが必要となる可能性に言及しタカ派姿勢を維持したことなどが材料視されて、ドルは149円台半ば近くまで上昇した。

東京時間では、今晩の9月の米CPI発表を控えていることから、積極的な売買は手控えられたものの、ほぼ終日149円台を維持。株式市場で、日経平均が前日比500円超上昇するなど強い動きを見せたことも安心材料となった。なお、野口旭日銀審議委員が「YCC政策、先手を打って柔軟化しないと維持が困難」「YCC柔軟化、金融緩和の縮小を意味するものではない」と発言したが、市場への影響は限定的だった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円01銭
高値:149円28銭
安値:148円99銭
終値:149円12銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円23銭
高値:158円57銭
安値:158円23銭
終値:158円51銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円62銭
高値:95円81銭
安値:95円60銭
終値:95円67銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:183円47銭
高値:183円82銭
安値:183円46銭
終値:183円73銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32120円94銭
高値:32494円66銭
安値:32120円94銭
終値:32494円66銭(前日比+558円15銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

17時30分、欧、ビルロワドガロー・フランス中銀総裁が国際金融協会で講演
19時00分、欧、クノット・オランダ中銀総裁が国際金融協会で講演
20時00分、欧、パネッタECB理事がIMF世銀年次総会討論会に参加
20時30分、欧、ECB議事録(9月14日開催分)
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:20.7万件
21時30分、米、消費者物価指数(CPI)(前月比)、前回:0.6%、市場予想:0.4%
21時30分、米、消費者物価指数(CPI)(食品・エネルギー除くコア)(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.4%
21時30分、米、消費者物価指数(CPI)(前年比)、前回:3.7%、市場予想:3.6%
21時30分、米、消費者物価指数(CPI)(食品・エネルギー除くコア(前年比)、前回:4.3%、市場予想:4.1%
24時00分、米、原油在庫(前週比)、前回:−222.4万バレル
26時00分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁がアトランタ連銀主催会議で挨拶
29時00分、米、コリンズ・ボストン連銀総裁がボストン連銀主催会議で講演

※IMF世銀年次総会(15日まで)
※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いが、3日の乱高下以降、20日MAがサポートラインとして機能しつつある。心理的な節目である150円が目先の上値抵抗ラインとなりつつある。右肩上がりだったボリンジャーバンドの上限レンジも上げ一服となっており、徐々に上値の重さが意識されつつある。

米政府高官の発言を受けて、昨晩のドルはやや動いたが、ドルは149円台を挟んでの狭いレンジで推移している。米10年債利回りは4.55%水準で下げ止まっているが、ドルの反発は限定的だ。10月3日の乱高下以降の翌日から、ドルは20日MAと150円水準のわずか1.5円ほどのレンジでのもみ合いが続いている。

足元、「米政府高官の発言は、タカ派、ハト派ともに存在するが、11月米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げはない」「中東地政学リスク」「欧州同様のスタグフレーション警戒」などが意識されて、方向感に乏しくなっているようだ。

ちなみに、週初から「中東地政学リスク」を注目していたが、「有事のドル買い」という発想は既に古いと考えを改めた。そもそも「リスク回避のために安全資産であるドルを買う」という話だが、「既にドルは買われている」「スタグフレーション警戒もあるドルをここから買うメリットがない」「150円水準での政府・日銀による為替介入も面倒」といった状況を考慮すると、よほどリスクがある通貨(アルゼンチンペソなど)を持っているのであれば話は別だが、基本、リスク回避のドル買いは入らないと見ておいた方が良さそうだ。このような整理から「有事のドル買い」はいったん忘れてほしい。

ということで、今晩は9月CPIに集中したい。振れが大きい食品・エネルギーを除いたコアCPIが、市場予想を上回る強い数字となった場合、昨日の9月PPI上振れとの連想から、「米インフレリスクの再燃→FRBによる追加利上げ実施期待→米10年債利回りの上昇」といったロジックでドルが買われる可能性はある。ただ、上でも述べている通り、「150円水準での政府・日銀による為替介入も面倒」は強く意識されることから、CPI上振れでも149円台後半が上値の限界と考える。今晩の海外時間の上値メドは149円70銭、下値メドは148円60銭とする。

東京市場のドルは149円台でのもみ合い、米CPI上振れでも150円台は遠いか

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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