ドル円、市場予想を上回る米CPIを受けて149円台後半まで急上昇。年初来高値が射程圏内
〇ドル円、予想を上回る米CPIの結果を受け、米国時間午後にかけ高値149.88まで急伸
〇ユーロドル、ECB関係者のハト派発言、米CPIの結果受け一時1.0526まで急落
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上側で推移、買いシグナルも継続、地合い極めて強い
〇米FRBによる金融引き締め長期化観測強まり、ファンダメンタルズもドル円をサポート
〇引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇但し、円安牽制発言やレートチェック、実弾介入には要警戒
〇本日の予想レンジ:149.00ー150.50
海外時間のレビュー
12日(木)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間午後にかけて、安値148.95まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)米新規失業保険申請件数(結果20.9万件、予想21.0万件)の良好な結果や、(2)米9月消費者物価指数(結果+3.7%、予想+3.6%)の市場予想を上回る結果、(3)上記2を背景とした米FRBによる金融引き締め長期化観測(米10年債利回りが4.53%から4.73%へ急上昇→米ドル買い)、(4)米30年債入札の低調な結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値149.88まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/13午前5時45分現在)では、149.80前後で推移しております。
12日(木)のユーロドル相場は急反落。アジア時間午後にかけて、高値1.0640まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「ユーロ圏のインフレ率のピークは過ぎた模様」「ECBは利上げという行動よりも見守るという忍耐が必要」とのハト派的な発言や、(2)米9月消費者物価指数の市場予想を上回る結果、(3)上記2を背景とした米FRBによる金融引き締め長期化観測(米金利上昇→米ドル買い)、(4)欧州株の冴えない動きが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0526まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/13午前5時45分現在)では、1.0530前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は10/10に記録した安値148.16をボトムに切り返すと、昨日は一時149.88まで急伸しました。ローソク足(1時間足、4時間足、日足、週足、月足)が全ての主要テクニカルポイントの上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(短期的にも中長期的にもテクニカルはアップサイドを示唆)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(先週末金曜に発表された米雇用統計、今週発表された米PPI・米CPIはいずれも市場予想を上回る強い結果→米FRBによる金融引き締め長期化の思惑→米金利上昇→米ドル買い)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(円キャリートレードの継続期待→円売り安心感)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。
本日予定されている米9月輸出入物価指数や、米10月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が市場予想を上回る結果となれば、10/3に記録した年初来高値150.16の上方ブレイクも視野に入ってくるため、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(但し、10/3に年初来高値を記録した際は、わずか数分で150.16から147.38まで押し下げられる展開となった為、本日も政府・日銀による円安牽制発言やレートチェック、実弾介入には要警戒)。
本日の予想レンジ:149.00ー150.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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