ドル高基調継続、当局の介入は如何に
〇本日のドル円、寄り付いた156.15-20を安値にドルが小高いが、上値も重く高値は156.55-60まで
〇昨日156円レベルを上抜けてその後もじりじりとドル高継続、次のターゲットは157円レベル
〇日本当局の円買い介入がそう簡単に実施できないといった見方もあり、ドル高基調はこの後も続くか
〇5/14発表の4月米生産者物価指数・5/15の消費者物価指数に注目集まる
〇欧米時間のドル円予想レンジは155.90-156.90、ドル高円安方向は156.55-60が最初の抵抗
〇ドル安円高方向は、156.15レベルをめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小高い。上値は重くじりじりとした値動きながら、連日の戻り高値更新となった。
ドル/円は寄り付いた156.15-20円を日中安値にドルが小高い。しかし上値も重く、高値は156.55-60円まで。つまり、値動きは40ポイント強にとどまった。そうしたなか、本日も鈴木財務相から円安けん制発言が聞かれたものの、効果はほとんどなし。16時現在では156円半ばで推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「円買い介入」と「ガザ情勢」について。
前者は、4月25日に「介入はまれであるべき」などと述べ、為替市場で思惑を呼んだイエレン米財務長官だが、昨日は「政策がより根本的に変化しなければ、必ずしも介入が機能するとは限らない」と指摘したという。また日本を念頭に置いたか否かは不明だが、「極端な変動を抑えるためでない限り、為替レートに手を付けないことでG7は合意している」とも述べたとされ、為替市場では日本の対応が注視されていたようだ。そうしたなか、前述したようにのちの東京時間に鈴木財務相から口先介入が聞かれたが、その内容は「必要であれば適切な対応を堂々とる」としつつ、「水準に着目するのではなく安定推移が重要」といったもの。円安阻止にあまり積極的ではない印象も残した。
対して後者は、米CNNが、バイデン米政権による分析として「イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ最南部ラファ周辺に部隊を集結させており、数日内の本格侵攻が可能になった」と報じ話題に。休戦合意に向けた取り組みが振り出しに戻っただけに、地政学リスクが再び高まりかねないなどとした懸念の声も聞かれていた。なお、そうした状況下、米国のサリバン大統領補佐官は、イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘によるパレスチナ人の犠牲について、「米政権はジェノサイド(大量虐殺)と見なしていない」と発言。イスラエルはもとより、米国に対する非難の声も上がっていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、しばらく抵抗になるかもしれないと考えていた156円レベルを昨日上抜け。そして、その後もじりじりとしたドル高が続いている。何度か報じているように、高値160.22円を起点とした下げ幅のフィボナッチからすると、156円を超えたことで次のターゲットは61.8%戻しの157円レベル。先でも取り上げたイエレン発言を背景に、日本当局の円買い介入がそう簡単に実施できないといった見方も取り沙汰されており、ドル高基調そのものはこのあとも続く見通しだ。
市場ではいまだ見解の分かれる米金融政策を見極めたいとの向きが多く、15日に発表される4月の米消費者物価指数がとくに注目されているようだ。ただ、本14日にも同生産者物価指数が発表されるだけに、もちろん数字次第だが油断は禁物だろう。一方、それとは別にガザ情勢を警戒する声もある。休戦合意に向けた取り組みが振り出しに戻っただけに、地政学リスクが再び高まることへのリスクも取り沙汰されている。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末に掛け3日連続で上げ渋った156円レベルを上抜け。本日東京でも156円台での推移となっている。ドル高基調は依然として続いており、さらなる高値トライの可能性もある。ちなみに、そんなドルの上値メドはフィボナッチポイントに当たるまずは157円レベル、そして5月1日高値の157.98円となる。ただし、円買い介入警戒などもあり、一本調子にそれらレベルに到達するか否かは未知数だ。
本日は米経済指標として、4月の生産者物価指数や米レッドブック週間小売売上高などが発表される予定となっている。またパウエルFRB議長などの講演、発言内容を注視している向きも多い。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは155.90-156.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値に当たる156.55-60円が最初の抵抗。抜けると157円に接近あるいはトライも。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる156.15円レベルをめぐる攻防にまずは注目。割り込むようだと、先週末までドル上値を抑制してきた156円前後がサポートとなりそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.05.15
ドル円、米PPI発表後に乱高下するも底堅さを維持。本日は米CPIがメインイベント(5/15朝)
14日(火)のドル円相場は堅調な値動き。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.05.14
東京市場のドルは156円50銭台まで上昇、今晩のPPIでドル買い加速か(24/5/14)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本の10年債利回りがじりじりと上昇したものの、ドルじり高は続き156円台半ばまで買われた。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。