東京市場のドルは156円50銭台まで上昇、今晩のPPIでドル買い加速か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本の10年債利回りがじりじりと上昇したものの、ドルじり高は続き156円台半ばまで買われた。
昨晩の海外時間では、イエレン米財務長官が介入を巡り「まれであるべきで、他国への伝達が必要」と慎重姿勢を繰り返したため円売りが優勢となったほか、NY連銀が発表した4月分のインフレ期待の上昇で利下げ観測が後退し、ドル買いが強まり、156円台で推移した。
東京時間では、じりじりと10年債利回りが上昇し、一時、0.965%と昨年11月の0.970%以来の水準までつけたことで、株式市場は金利上昇が警戒視された。一方、時間外の米10年債利回りは4.5%台手前でもみあっており、日米金利差はやや縮小したものの、ドルじり高は継続し156円50銭台まで円安ドル高が進んだ。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:156円24銭
高値:156円51銭
安値:156円18銭
終値:156円43銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:168円57銭
高値:168円78銭
安値:168円55銭
終値:168円72銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:103円25銭
高値:103円33銭
安値:103円18銭
終値:103円24銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:196円19銭
高値:196円50銭
安値:196円16銭
終値:196円36銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38287円99銭
高値:38477円68銭
安値:38084円71銭
終値:38356円06銭(前日比+176円60銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、独、5月ZEW景況感指標、前回:42.9、市場予想:45.9
18時00分、欧、5月ZEW景況感指数、前回:43.9
21時30分、米、4月生産者物価指数(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.4%
21時30分、米、4月生産者物価指数(前年比)、前回:2.1%、市場予想:2.1%
21時30分、米、4月生産者物価指数(コア)(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.3%
21時30分、米、4月生産者物価指数(コア)(前年比)、前回:2.4%、市場予想:2.3%
21時45分、欧、シュナーベルECB理事が科学会議に出席
22時00分、米、クックFRB理事が講演
23時00分、米、パウエルFRB議長、クノット・オランダ中銀総裁が講演
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
日足チャートでは、5月6日以降、8日連続で陽線が並んでおり156円台にしっかりと乗せている。足元、5月3日以降は堅調なリバウンド相場が続いていると言えよう。
債券市場では、昨日の定例の国債買入オペ(公開市場操作)で残存期間「5年超10年以下」の購入予定額を4250億円と前回から500億円減らしたことから、他の年限でも国債買入を減らす可能性が意識されており、日本の利回り上昇のバイアスは強まっている。
一方、米国の10年債利回りは4.5%手前で小動きとなっていることから、本来、日米金利差は若干縮小している。ただ、ドルは156円台と円安ドル高が進んでいる。足元のドル・インデックスが105.2台で止まっていることを考えると、じりじりとした円安が進んでいるというのが適切な表現か。豪ドルやポンド、ユーロも総じて円安に振れていることから、おそらくは投機筋が円売りポジションを積み上げているのだろう。
今後、日本の10年国債利回りが1.0%台に乗せても、円安の流れが変わらなかった場合、政府・日銀は非常に苦しくなる。今晩の米生産者物価指数(PPI)、明日の米消費者物価指数(CPI)をきっかけに、再度米10年債利回りが上昇しドル買いの流れが強まれば、日本市場は「国債売り、株売り、円売り」の状況も頭に入れておく必要がありそうだ。
今晩の海外時間は、まずは米PPIを見極める展開となる。上に動く地合いを想定しておきたい。上値メドは156円90銭、下値メドは156円10銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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