ハマス情勢などが不確定要因、予断許さず(10/10夕)

10日の東京市場はドルが底堅い。148.15円レベルを付け、一時3日以来の安値を示現したがその後はドルの反転高。

ハマス情勢などが不確定要因、予断許さず(10/10夕)

ハマス情勢などが不確定要因、予断許さず

〇本日のドル円、一時148.15レベルへ下げるもその後ドルの反転高、終盤に掛けて149円近くまで上昇
〇足もとは依然としてレンジから脱却出来ず、まずは148.10-149.50といったレンジの動静に注目
〇米通貨当局者による発言や、中東情勢に要注意
〇欧米時間のドル円予想レンジは148.40-149.60、ドル高・円安方向は149円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、148円半ばの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場はドルが底堅い。148.15円レベルを付け、一時3日以来の安値を示現したがその後はドルの反転高。

ドル/円は148円半ばで寄り付いたのち、前日の流れを継いでか当初はドル売り優勢。148.15円レベルへと小緩む展開となった。しかし、目先底入れ後はドルの逆行高。日経平均株価がザラ場ベースで一時800円を超える急伸をたどるなか、終盤に掛けてドル/円も149円近くまで連れ高となり、16時現在では148.85-90円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「ハマス攻撃」と「米金融政策」について。
前者は、新たな地政学リスクとして警戒されている「イスラム組織ハマスによるイスラエルの大規模攻撃」が、引き続き思惑を呼ぶ。また、関連した各国首脳会談なども次々開催され、たとえば「米英独仏伊首脳が緊急電話会談を行い、イスラエル支持を表明した」という。さらに、続けて10日にはEUが緊急外相会合を開催し、「ハマスによるイスラエルへの攻撃を受け、パレスチナ向けの支援を見直す」ことを表明したほか、アラブ連盟も11日に緊急の外相会合を開く予定だという。

対して後者は、9日のNY市場がコロンブスデーで休場となるなか、米地区連銀総裁などの発言が幾つか観測されていた。薄商いのなか、調整的なドル売りを炙り出すきっかけとなっていたようだ。なかでも材料視されていたのは、ダラス連銀総裁による「米金融情勢の引き締まりは急速、追加利上げの必要性を低下させる可能性がある」との発言。それに対して、ジェファーソンFRB理事は「金融政策を慎重に進めることが可能」と述べていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、昨日まで形成していた148.27-149.54円という小レンジを、本日東京時間に一時底割れ。しかし、そののちレンジ内へと回帰する展開で、様相としては前述小レンジを下方向にやや拡大させただけとなっている。つまり、足もとは依然としてレンジからの脱却が出来ておらず、まずは148.10-149.50円といった1.4円レンジの動静に注目だ。仮に上抜けることが出来れば、10月高値の150.16円が再び視界内に。
引き続き金融市場は日米などの金融政策をめぐり一喜一憂。発表される経済指標や、要人発言を受けて右往左往する展開だ。本日の欧米時間も、昨日に続き米通貨当局者による講演などの発言機会も多いだけに注意を払いたい。また、原油市況に多大な影響を及ぼしている「ハマス・イスラエル紛争」の行方や、中国情勢も気掛かり。ちなみに、中国については不動産大手の碧桂園が「オフショア債務のすべての利払いを行うことはできないと警告した」と伝えられている。デフォルト待ったなしといった状況の可能性も。

テクニカルに見た場合、ドル/円は形成していた1円レンジ(148.27-149.31円)を先週末に上限抜け、本日東京で下限割れを試すもともに失敗。大まかに148.10-149.50円といったところで、レンジを上下に少し広げただけに過ぎないようだ。改めて指摘するまでもなく、上記レンジがブレーク出来るかが目先の注目ながら、仮に抜けることが出来ても結局は元のレベルへと回帰するといった見方をする向きもあるようだ。

本日は米経済指標として、8月の卸売売上高などが発表される予定となっている。また、昨日に続き本日も米通貨当局者による講演などの発言機会も多く、発せられるコメントには引き続き注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.40-149.60円。ドル高・円安方向は東京夕方に上抜きかかっている149円レベルが最初の抵抗。超えると昨日高値149.24円、そして149.54円などを目指す。
対するドル安・円高方向は、148円半ばの攻防にまずは注目。同レベルには移動平均の21日線が位置しており、本日東京のザラ場ベースでは一時割り込む局面も観測されていた。「しっかり」と下回ってしまうのか、NYクローズレベルにも注目だ。

ハマス情勢などが不確定要因、予断許さず

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