ドル円、上下しつつも方向感を見出せず。米当局者による相次ぐハト派発言が米ドルの重石に(10/11朝)

10日(火)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出せず。

ドル円、上下しつつも方向感を見出せず。米当局者による相次ぐハト派発言が米ドルの重石に(10/11朝)

ドル円、上下しつつも方向感を見出せず。米当局者による相次ぐハト派発言が重石に

〇ドル円、米長期金利の低下幅縮小、短期筋のショートカバー等に米国時間に149.13まで反発
〇買い一巡後は伸び悩み、FRB関係者の相次ぐハト派発言に、148.72まで値を崩す展開
〇昨日の日銀が23年度の物価上昇率を3%近くに上方修正する検討に入ったとの報道には反応薄
〇ユーロドル、欧州株の堅調と米長期金利低下に米国時間午後にかけ高値1.0620まで反発
〇ドル円、振れを伴いつつも方向感を見出すには至らず
〇テクニカル、ファンダメンタルズとも地合いの強さ、目につく買い材料に変わりなし
〇ドル円相場の一巡後の反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:148.00ー149.50

海外時間のレビュー

10日(火)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出せず。(1)中東情勢を巡る地政学的リスクの高まり(リスク回避の円買い圧力)や、(2)上記1を背景とした質への逃避の米債買い圧力(時間外取引の米金利急低下→米ドル売り)、(3)ドル円ロング勢の大規模ロスカットが重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値148.16まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)日経平均株価の堅調推移(前営業日比751円高→リスク選好の円売り再開)や、(5)5・10日に絡むドル買い需要、(6)米長期金利の低下幅縮小、(7)短期筋のショートカバー(俄かショート勢のストップBUY)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値149.13まで反発しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(8)アトランタ連銀ボスティック総裁による「これ以上の利上げは必要ないと考える」とのハト派的な発言や、(9)ミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「インフレは下サイドに向かっている」「10年債利回り上昇の理由は少々不可解」とのハト派的な発言、(10)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間10/11午前5時45分現在)では、148.72前後まで値を崩す展開となっております。尚、昨日は一部メディアより「日銀は23年度の物価上昇率を3%近くに上方修正する検討に入った」とのヘッドラインが報じられましたが、円買いでの反応は一時的なものに留まりました。

10日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)中東情勢を巡る地政学的リスクの高まりや、(2)上記1を背景としたリスク回避ムードが重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0554まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)米当局者によるハト派的な発言や、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力、(5)欧州株の堅調推移、(6)ECBによる金融引き締め継続の思惑(中東情勢を巡る地政学的リスク→原油価格の上昇懸念→欧州圏のインフレリスク再開懸念→ECBによる金融引き締め継続の思惑→ユーロドルのショートカバー誘発)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0620まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/11午前5時45分現在)では、1.0606前後で推移しております。尚、昨日は国際通貨基金(IMF)より、ユーロ圏の成長率見通しの下方修正(2023年分は従来の0.9%から0.7%へ下方修正。2024年分は従来の1.5%から1.2%へ下方修正)が発表されましたが、ユーロ売りでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は振れを伴いつつも方向感を見出すには至りませんでした(始値148.34→安値148.16→高値149.13→現在148.72近辺)。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、全てのトレンド系インジケータが右肩上がりの形状を維持していること、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(下値余地は乏しい)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(円キャリートレード継続の思惑)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

今週は米当局者による相次ぐハト派発言や「日銀が23年度の物価上昇率を3%近くに上方修正する検討に入った」とのヘッドラインを受けて上記1と2の要因が幾分和らいだことや、中東情勢を巡る地政学的リスクを背景にリスク回避の円買いが強まったこと等を材料に、ドル円ロングの投げと思しきフローが一部で見られていますが、前者については、日米金利差の観点で誤差(円キャリートレード解消には繋がるほどの大きな動きにはなり得ない)と考えられる他、後者についても、地政学的リスクはリスク回避の円買いと同時に有事のドル買いを引き起こす材料でもあるため、ドル売り・円買いでの反応は一時的なものに留まると考えられます。

以上のことから、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の反発をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は、米9月生産者物価指数や、米10年債入札、米FOMC議事要旨(9/19ー9/20開催分)、米当局者発言(アトランタ連銀ボスティック総裁、ボストン連銀コリンズ総裁)などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:148.00ー149.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、上下しつつも方向感を見出せず。米当局者による相次ぐハト派発言が重石に

ドル円日足

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