東京市場のドルは148円台後半まで買戻し、20MAをサポートに「有事のドル買い」か?
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株高を材料に、連休中の海外時間に売られたドルが買い戻され、148円台後半で取引を終えた。
昨晩の海外時間では、ローガン・ダラス連銀総裁が、長期金利の上昇によって利上げの必要性が後退したとの見解を示したほか、ジェファーソン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長も慎重に政策を進める姿勢を再表明したため、年内利上げ観測が後退。イスラエル情勢も重しとなり、149円台前半で推移していたドルは148円半ばまで売られた。
東京時間では、イスラエル情勢を巡る不透明感がリスクオンのムードを邪魔したものの、株式市場で日経平均が先週末比751円高と、日本株が大幅に買われたことからドルの買戻しが先行。一気に149円台回復とはならなかったが、148円台後半まで値を戻した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:148円43銭
高値:148円79銭
安値:148円16銭
終値:148円76銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円87銭
高値:157円18銭
安値:156円77銭
終値:157円11銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円14銭
高値:95円50銭
安値:95円14銭
終値:95円35銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円66銭
高値:182円04銭
安値:181円55銭
終値:181円89銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31314円67銭
高値:31818円26銭
安値:31314円67銭
終値:31746円53銭(前日比+751円86銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
22時30分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会に参加
23時00分、米、卸売在庫(前月比)、前回:−0.1%、市場予想:−0.1%
24時15分、欧、ビルロワドガロー・フランス中銀総裁がIMF世銀年次討論会に出席
26時00分、米、ウォラーFRB理事が金融政策会議に出席
28時00分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が会議に出席
31時00分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁がシカゴ国際問題評論会で講演
※IMF世銀年次総会(15日まで)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いが、3日の乱高下以降、20日移動平均線(MA)の攻防を迎えている。心理的な節目である150円が目先の上値抵抗ラインとなりつつある。右肩上がりだったボリンジャーバンドの上限レンジも上げ一服となっており、徐々に上値は重くなっている。
先週末の9月米雇用統計発表直後、米10年債利回りは4.885%と4日の水準を上回ったことから、目先「5.0%到達は近い」と市場は利回り上昇ムードが強まったが、昨晩の米政府の要人発言を受けて、米10年債利回りは4.6%台までトーンダウン。10月2日の水準まで利回りは低下している。
米金利低下に伴いドルを買いにくくなった一方、中東情勢の混迷は、基本的には「有事のドル買い」につながる可能性がある。はっきりとした「地政学リスクの高まりに伴うドル買い」は今のところ観測されていないが、先週末と比べて、日米金利差が0.2%強も小さくなった割に、ドルの下げ幅は、5−60銭ほどと限定的なことから、セオリー通りの「有事のドル買い」が入っているとの見方もできよう。
今週の経済指標では、12日(木)の9月の米消費者物価指数に注目が集まる。こうした経済指標のほか、「148円50銭台の20日MA」「中東情勢に伴う有事のドル買い」「米10年債利回り」を睨んだ展開となろう。150円水準では、政府・日銀による介入警戒が非常に高待っていることからドルの上値は重い。となれば、20MAが位置する148円50銭台から150円の狭いレンジでの推移が今週は続くと想定する。
今晩の海外時間は、20日MAをサポートに149円水準を上限とした狭いレンジでの推移となろう。動意材料は、中東情勢やタカ派な要人発言の有無と考える。今晩の上値メドは149円10銭、下値メドは148円40銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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