ドル円148円台、中東情勢緊迫化で乱調な動き
10日午前の東京市場でドル円は148円台を乱高下。朝方148.54レベルで取引の始まったドル円は、序盤軟調に推移、前週末4.80%レベルで終了した米10年債利回りが、午前中時間外取引で4.62%割れの水準まで低下すると、ドル円は148.16まで売り込まれました。しかしその後、米長期金利が小幅に反発すると、ドル円は方向感を失い、148.67まで戻した後、東京時間正午現在は148.62レベルで取引されています。
日経平均株価は、昨晩FRBのジェファーソン副議長やダラス連銀のローガン総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示し、米主要株価指数が上昇した流れを受け、買いが先行。中東情勢緊迫化で時間外の米長期金利が低下したことや、原油先物価格が高騰したことによる資源関連銘柄の急騰に上げ幅を拡大し、772円の大幅高で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では米コロンバスデーの祝日で債券市場が休場、経済指標の発表もなく全般的には手掛かり難の中、パレスチナ自治区を実効支配するイスラム系組織ハマスが7日に開始した対イスラエルの軍事作戦に対し、イスラエルが激しく応戦して、戦争状態となったことからリスク回避の円買いが進行。複数のFRB関係者からハト派発言が出たこともあり、ドル円は米国序盤に149円台前半から148円台半ばに急落しました。その後はもみ合いに転じ、148.43を安値に148.53レベルで東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、本日148.80レベルの転換線を下抜けて、一時本日148.50近辺を上昇中の21日移動平均線も割り込んでいます。過去3営業日はローソク足の実体ベースでは21日線を維持してきたことから、本日終値ベースでの位置関係が注目されます。
週末、中東情勢緊迫化という新たな事態が発生、現状では今後どの程度の規模の紛争に拡大するかは不透明です。日本、米国が月曜祝日だったこともあり、市場は未だ材料として消化しきれていない状況で、ファーストリアクションとしては、原油高、安全資産米国債買いによる米長期金利低下、それを受けての株高、リスク回避の円買い、ドル買いで反応しています。ドル円では円買いが強く、円高となりましたが、事態がより深刻化した場合には、円買いよりもドル買いが強まることもありうること、米金利低下だけを材料に上昇した感のある株価にやや違和感があること、原油高騰のマイナス面が織り込まれていないこと等、いまだ市場は均衡点を見つけるに至っていないものと思われます。中東情勢の進展と、今晩連休明けの米市場の反応には、十分な注意が必要です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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