米雇用統計に注目、発表前後は荒れた展開も(10/6夕)

6日の東京市場はドルが一段高。夕方に掛けて上値を広げる展開で、149円レベルへと達する局面も。

米雇用統計に注目、発表前後は荒れた展開も(10/6夕)

米雇用統計に注目、発表前後は荒れた展開も

〇本日のドル円、夕方に掛けて上値を広げ149.00レベルまで値を上げる、ドルが一段高の展開
〇ドル/円相場は、足もとは148.27-149.31というおよそ1円の小レンジを形成しつつあるか
〇本日発表される米雇用統計の内容に要注意、発表前後の相場は荒っぽい変動の可能性も
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは148.10-149.50、ドル高・円安方向は149.31が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、148.30レベルが最初の強いサポートか

<< 東京市場の動き >>

6日の東京市場はドルが一段高。夕方に掛けて上値を広げる展開で、149円レベルへと達する局面も。

ドル/円は148円半ばで寄り付いたのち、日中安値の148.35-40円へと小緩む。しかし、米金利の動きなどに一喜一憂しつつも、以降は緩やかな右肩上がり。とくに夕方に掛けては上げ幅を拡大させる展開となった。一時149.00円レベルまで値を上げ、16時現在でもそのままのドル高値圏をキープし、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、4日に発表されたADP雇用統計が悪化した反面、昨日の新規失業保険申請件数はわずかながら改善を示す内容と対照的な結果に。そうしたなか、複数の米地区連銀総裁などから金融政策に関する発言が聞かれ、それぞれの内容をめぐり市場は右往左往をたどっている。しかし、サンフランシスコ連銀総裁からの「FRBの金融政策はかなり制約的な領域に入っている」といったコメントがもっとも材料視されていたようで、最終的にはドル売りが優勢だった。いずれにしても、本日のNY市場で発表される米雇用統計の内容には要注意で、発表前後の相場は荒っぽい変動も。

対して後者は、EU加盟国と近隣諸国の新たな連合体「欧州政治共同体(EPC)」の首脳会合が開かれ、ウクライナ侵攻を続けるロシアに結束して対抗する姿勢を演出するとともにウクライナとの連帯を強調した。なお、そうしたなかゼレンスキー大統領は、同会合で演説を行い「欧州各国によるウクライナ支援が揺らいだ場合、ロシアが他国を攻撃する可能性がある」と述べたうえで、さらなる支援を要請していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、今月3日に当面の高安を記録した感がある。つまり、147.30-150.16円という大レンジを完成させると同時に、足もとはそれより小さな148.27-149.31円という、およそ1円レンジを形成しつつあるようだ。いましばらく、そんなレンジ取引が続く可能性も否定できないが、本日はこのあとNY時間に注目の米雇用統計発表を控えており、予断を許さない。ただ、足もとの小レンジはブレークするものの、大レンジの中にはとどまるといった見方も。
基本的な日米金利差を背景としたドル高有利の状況にいまだ変わりがないものの、先でも取り上げたサンフランシスコ連銀総裁発言が、目先のドル上値抑制要因となっている。そうしたなか、本日発表される注目の米雇用統計が仮に悪化するようだと、さらなるドル売りを誘発しかねない状況だ。したがって敢えて高い方のリスクを指摘すれば、米指標悪化でドル売りということになるだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は足もと形成している1円レンジ(148.27-149.31円)の攻防にまずは注目だ。底割れすれば、レベルを連日切り上げている移動平均の21日線も下回ることになり、来週以降のドル続落が改めて意識されかねない。
それに対し、レンジを上放れた場合には3日高値150.16円が再び視界内に捉えられるが、円買い介入警戒もあり、ドルの上値は限られそうだ。

本日は米経済指標として、9月の雇用統計や8月の消費者信用残高が発表される予定となっている。なかでも前者への関心が高く、予想から乖離した内容となれば市場の波乱要因に。ちなみに、雇用統計のなかでも注目度の高い非農業部門雇用者数予想はプラス17万人、失業率は3.7%が予想されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.10-149.50円。ドル高・円安方向は先で指摘した小レンジ上限の149.31円が最初の抵抗。仮に超えても、150円への到達は簡単ではないか。
対するドル安・円高方向は、同じ足もとの小レンジ下限に当たる148.30円レベルが最初の強いサポート。移動平均の21日線も近いレベルに位置していることで、ザラ場だけでなくNYクローズでも同レベルは意識されている。

米雇用統計に注目、発表前後は荒れた展開も

ドル円日足


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