米指標に一喜一憂しつつ基本はレンジ取引か(10/5夕)

5日の東京市場はドルが小安い。一時148円前半まで値を下げたが、その後は巻き戻しの動きが優勢だった。

米指標に一喜一憂しつつ基本はレンジ取引か(10/5夕)

米指標に一喜一憂しつつ基本はレンジ取引か

〇本日のドル円、目先安値を示現後148.85までV字型回復、戻り高値のまま欧米市場迎える
〇10/3急伸時の高値と介入を疑われた直後の急落で当面の高安を記録したか
〇10/3安値147.30まではとどかない一方、149円半ばからはドルの上値がかなり重くなりそう
〇本日は米8月貿易収支、新規失業保険申請件数発表に要注意
〇ドル円予想レンジは148.40-149.50、ドル高・円安方向は昨日高値149.31が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京で示現した148.25-30がなかなか強いサポートか

<< 東京市場の動き >>

5日の東京市場はドルが小安い。一時148円前半まで値を下げたが、その後は巻き戻しの動きが優勢だった。

ドル/円は寄り付いた149.10-15円を日中高値にドルが冴えない。米金利の動きをにらみつつ、一時は148.25-30円まで下落している。しかし目先安値を示現後、ドルはVの字型の回復。148.85円レベルまで値を戻したのち、16時現在ではそのままのドル戻り高値をキープ、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の為替スタンス」と「米債務上限問題」について。
前者は、3日に記録した3円近いドル/円の急落について、鈴木財務相をはじめ日本の当局者はコメントを差し控えている。そのため、市場が疑心暗鬼に陥っている感があるが、一方でブルームバーグは、日銀当座預金残高の予想と民間短資会社の推計に基づく試算をもとにし、「介入した可能性は低いとみられる」と報じていた。なお、本日東京時間はほとんどの時間帯を148円台で推移したこともあり、当局者から円安けん制発言などの動きは特段観測されていなかったようだ。

対して後者は、米共和党のマッカーシー下院議長の解任により、市場では後任人事に関心が移行しつつある。早速、米共和党のジョーダン議員による立候補が伝えられたが、院内総務を務める下院共和党ナンバー2のスカリス議員なども有力候補とされており、まだまだ予断を許さない。そうしたなか、格付け会社フィッチは、今回の米下院議長解任動議可決を受け、「連邦予算をめぐる与野党の攻防で年内に政府機関が一部閉鎖される可能性がある」との見方を表明。しかし、仮に政府機関が閉鎖されても、米国のソブリン格付けには影響しないと指摘していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、「当局の円買い介入を疑われる動き」が観測された3日に当面の高安を記録したという色彩をさらに強めつつある。本日東京時間に一時148円前半まで軟落したものの、それでも3日安値147.30円まではとどかず。一方で150円に接近する展開、149円半ばぐらいからはドルの上値がかなり重くなりそうだ。結局、乱高下などはあるにせよ149円挟みが居心地良く、次の方向性を探る一進一退が続く可能性もある。
日米金融政策の違いを背景にしたドル高有利という状況そのものはいまだ変わりがないものの、ドルの上値を積極的には追い難くなった感がある。再び150円は近くて遠い存在に。そうしたなか、週末の米雇用統計の発表をにらみつつ、本日も発表される米経済指標に一喜一憂する展開か。なお、株式や債券市場の動きとともに、原油価格を警戒する声が少なくないようだ。動静如何によっては、金融市場の波乱要因にも。

テクニカルに見た場合、ドル/円は3日のドル高値150.16円と同安値147.30円で当面の高安を付けた感があり、それを大レンジとして、足もとは小レンジを形成中。昨日から本日東京時間を見た限りでは、148.30-149.30円といった1円レンジを現在形成しつつあるのかもしれない。まずは、その攻防が注目されよう。ただブレークしたとしても、大レンジを超えていく展開はしばらく見込みにくい。

本日は米経済指標として、8月の貿易収支や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。うち後者の雇用指標は、明6日に注目の米雇用統計発表を控えるなか、昨日発表されたADP雇用統計が悪化しており、その内容が警戒されているようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.40-149.50円。ドル高・円安方向は昨日高値149.31円が最初の抵抗。仮に超えても149円半ばあたりから再び上値は重くなりそうで、150円は少し遠いイメージに。
対するドル安・円高方向は、本日東京で示現した148.25-30円がなかなか強いサポートか。移動平均の21日線も近いレベルに位置しており、ザラ場だけでなくNYクローズベースでも同レベルは意識されそうだ。

米指標に一喜一憂しつつ基本はレンジ取引か

ドル円日足


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