東京市場のドルは148円前半まで下落、米雇用統計前で積極的な売買は手控えか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外で米10年債利回りが4.70%台まで低下したことなどが影響し、148円台前半まで下落する場面が見られた。
昨晩の海外時間では、9月のADP雇用報告の伸びが予想以上に鈍化したことから、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が後退。米10年債利回りがピークの4.879%から0.15%ほど低下したことで、ドル売りが優勢となり148円70銭台まで売られた。
東京時間では、引き続き時間外で米10年債利回りが4.70%台まで下落したことや、実需筋とみられる円買いなどが入り、10時過ぎにドルは148円27銭まで下落。下げ一巡後はじりじりと戻したものの、149円台回復とはならなかった。なお、連日きつい下げを見せていた日経平均は大幅反発、30000円台割れは回避した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:148円99銭
高値:149円01銭
安値:148円27銭
終値:148円59銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円55銭
高値:156円56銭
安値:156円09銭
終値:156円28銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円31銭
高値:94円69銭
安値:94円20銭
終値:94円58銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:180円86銭
高値:180円88銭
安値:180円30銭
終値:180円61銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:30773円65銭
高値:31083円90銭
安値:30565円32銭
終値:31075円36銭(前日比+548円48銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:20.4万件、市場予想:20.9万件
21時30分、貿易収支、前回:−650.0億ドル、市場予想:−652.0億ドル
22時00分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁が講演会に出席
22時45分、欧、デギントスECB副総裁がECB金融政策会議に出席
23時40分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が会議に出席
24時30分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
25時00分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が講演
25時15分、米、バーFRB副議長が講演
※中国は国慶節のため6日まで休場
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いが、3日の乱高下以降、20日移動平均線(MA)の攻防を迎えている。心理的な節目である150円が目先の上値抵抗ラインとなりつつある。
米金利に振り回される地合いとなっているが、米金利上昇には、米議会混乱に伴う米国債の価格下落に伴う金利上昇というネガティブな要因も含まれていることから、「米債利回り上昇=ドル買い」という単純な構図では無くなっていると考える。
3日の海外時間での乱高下に関しては、日銀がディーラーに相場水準を確認する「レートチェック」だったとの公算が大きい。5日に公表した日銀の当座預金残高の数字もほぼ民間の事前予想通りだったことから、為替介入は行っていないとの観測だ。ちなみに、政府・日銀による為替介入実施状況は、財務省の「外国為替平衡操作の実施状況」にて確認可能だが、日次ベースは四半期、月次ベースは月末にそれぞれ公表されることから、神田財務官等が「介入実施した」と言わない限り、実施状況は不明なままだ。
とはいえ、150円水準では、「政府・日銀が何かしてくる」という認識が高まったことは事実で、ドルの上値を抑える要因となろう。足元、右肩上がりの20MAがサポートラインとして意識されているが、今後上値が重くなってくると、この水準もフラットとなろう。ネガティブな米利回り上昇と、150円水準から上での恐怖心が強まることで、20日MAを明確に割り込んでくると、足元のドル高円安のトレンドが転換する可能性もある。
今晩の海外時間は、明日、米雇用統計の発表を控えていることから新規のポジション構築は手控えられると推測。東京時間での下落に対する買戻しで149円台は回復しそうだが、上値も重くなろう。今晩の上値メドは149円10銭、下値メドは148円30銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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