ドル円、介入警戒感を背景に上値の重い展開が継続。本日は米8月雇用統計がメインイベント(10/6朝)

5日(木)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、介入警戒感を背景に上値の重い展開が継続。本日は米8月雇用統計がメインイベント(10/6朝)

ドル円、介入警戒感を背景に上値の重い展開が継続。本日は米8月雇用統計

〇ドル円、米国時間朝方にかけ高値149.12まで反発するも終盤148円台半ばに値を崩す
〇米金利低下、米主要株価指数の冴えない動き等が背景
〇ユーロドル1.05台の狭いレンジ内で方向感に欠ける展開
〇ドル円、下方に複数のサポート並び、強い買いシグナルも継続、地合い崩れず
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード継続期待が支えに
〇一巡後のドル円急反発を本日のメインシナリオとして予想、本日は米9月雇用統計に注目
〇本日の予想レンジ:147.75ー149.75

海外時間のレビュー

5日(木)のドル円相場は上値の重い展開。(1)政府・日銀による介入警戒感の残存や、(2)本邦輸出企業の実需のドル売り(5・10日にかけてのドル売り・円買い)、(3)上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(ロングポジションのストップSELL誘発)が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値148.27まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)日経平均株価の6営業日ぶり反発(リスク選好の円売り再開)や、(5)円金利低下に伴う円売り圧力、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(7)米新規失業保険申請件数(結果20.7万件、予想21.0万件)の良好な結果、(8)米8月貿易収支(結果583億ドル赤字、予想623億ドル赤字、前回647億ドル赤字)の赤字幅縮小が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値149.12まで反発しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(9)米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが前日記録した4.88%から4.70%へ急低下)や、(10)米主要株価指数の冴えない動きが重石となり、本稿執筆時点(日本時間10/6午前6時00分現在)では、148.50前後まで値を崩す動きとなっております。尚、昨日はサンフランシスコ連銀デイリー総裁による「労働市場と物価の減速が続けば金利据え置きは可能」との発言や、リッチモンド連銀バーキン総裁による「現在の金利は高く感じるが、長期的なものではない」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

5日(木)のユーロドル相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。(1)スロバキア中銀カジミール総裁による「9月の利上げが最後になることを望む」とのハト派的な発言や、(2)デギンドスECB副総裁による「現状の政策金利水準はインフレ抑制に効果的」とのハト派的な発言、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(4)米新規失業保険申請件数の良好な結果、(5)米8月貿易収支の赤字額縮小が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0500まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(7)欧州株の底堅い動き、(8)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0552まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/6午前6時00分現在)では、1.0550前後で推移しております。尚、昨日はフランス中銀ビルロワドガロー総裁より「ECBの利上げが完了することを期待」とのハト派的な発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は10/3に記録した年初来高値150.16をトップに反落に転じると、昨日は一時148.27へと下落しました。政府・日銀による介入警戒感がドル円の上値抑制の主因と考えられます。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイント(21日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表基準線、雲上限など)が並んでいること(押し目買いポイントが大量に観測されること)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(足元の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大に伴う円キャリートレードの継続期待)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています(ドル円ショートはネガティブキャリーとなるため長期的に保有しづらい)。

こうした中、本日は上記1を確認する目的で、日本時間21:30に発表される米9月雇用統計に注目が集まります。10/3に発表された米8月JOLTS雇用動態調査の求人件数が約2年ぶり高水準を記録したこと等を踏まえると、非農業部門雇用者数(NFP)が市場予想を上回る可能性は十分あり得ると考えられるため、失業率の改善と、平均時給の伸び率加速が組み合わされば、米FRBによる金融引き締め長期化観測→米長期金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円が再び10/3に記録した年初来高値150.16に向けて一気に急伸するシナリオも想定されます。以上を踏まえ、当方ではドル円相場の一巡後の急反発を本日のメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:147.75ー149.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、介入警戒感を背景に上値の重い展開が継続。本日は米8月雇用統計

ドル円日足

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