ドル円見通し 10月3日夜の乱高下落ち着くも149円台を維持できずに上値重い展開(23/10/6)

10月5日は東京市場序盤に148.25円までいったん下げ、欧州時間に149.10円まで戻してからNY時間に148.27円まで反落するなど下振れし始めている。

ドル円見通し 10月3日夜の乱高下落ち着くも149円台を維持できずに上値重い展開(23/10/6)

ドル円見通し 10月3日夜の乱高下落ち着くも149円台を維持できずに上値重い展開

〇ドル円、10/5午前148.25まで下げ、夜149.10まで戻すもNY時間に148.27まで反落、下振れの様相
〇今夜は米9月雇用統計発表、年末へ向けた方向性も左右される可能性があり要注目
〇昨日発表の米経済指標はやや強めの結果
〇昨日はFRB高官発言相次ぐも、ハト派姿勢はさほど見られず
〇米長期債利回りは米雇用統計を控え調整的な動き、米株価は反騰入りへのきっかけつかめず
〇148.75以下での推移中は一段安余地あり、148円割れから続落の場合は147.41を試しに向かうとみる
〇149.10超えからは上昇期入りとみて、149.50、149.70を順次試す上昇を想定する

【概況】

ドル円は10月3日夜に年初来高値150.15円まで切り上げた後は147.41円まで急落、149円台前半へ戻した後は149円を挟んだ揉み合いに入っていたが、10月5日は東京市場序盤に148.25円までいったん下げ、欧州時間に149.10円まで戻してからNY時間に148.27円まで反落するなど下振れし始めている。
10月3日の一時的な急落については市場介入ともそうでないとも言われて市場は疑心暗鬼となっているが、市場介入の有無にかかわらず150円到達に対する売り圧力が極めて大きかったことを示しており、1月16日安値127.22円を起点とした上昇に対する一巡感も垣間見える。
今夜は米9月雇用統計の発表がある。年内あと1回の利上げが必要で利上げ期間が長期化するとのFRBによるタカ派姿勢を意識し、7月以降は米10年債利回りが2007年以来の高水準に達してドル全面高の様相で推移してきたが、米雇用統計をきっかけとして追加利上げ確率が上昇するのか低下するのかにより、年末へ向けた方向性も左右される可能性があると注目したい。

【10月5日夜の米経済指標はやや強め】

10月5日夜に米労働省が発表した新規失業保険申請件数は9月30日までの週間で前週比2000件増の20.7万件となり、2週連続の悪化だったが、市場予想の21万件を下回り好調な水準を維持した。失業保険受給者総数は9月23日までの週間で166.4万人となり、前週から1000人減少して市場予想の167.5万人を下回った。
再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによる9月の雇用削減は前月比37%減の4万7457人、7-9月の人員削減数は累計14万6305人となり、4-6月期から22%減少、9月の季節従業員採用計画は55万2800人で前年同月比54%増だった。労働市場の堅調さを示すものと市場は受け止めている。
米商務省による8月の米貿易赤字は前月比9.9%減の583.3億ドルとなり、7月の647億ドルから減少して2020年9月以来の低水準だった。原油高により輸出が1.6%増、輸入は0.7%減だった。

【FRB高官、ハト派姿勢はさほど見られず】

10月5日は米地区連銀総裁らの発言も相次いだ。サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は「労働市場が一段と鈍化してインフレが2%の目標に向かって低下するなら政策金利を据え置き、政策効果を作用し続けさせることができる」と述べたが、「景気が再加速するならば追加利上げで対応する」とも語った。同総裁は経済成長やインフレ率は今後も「緩やかに減速する」とし、「金融政策は景気抑制的であり、決定を急ぐ必要はない」とし、「2%のインフレ目標達成は視野に入っているがしっかり捉えていない」とした。
リッチモンド連銀のバーキン総裁は最近の米国債利回り急上昇について「堅調な経済指標と大量の国債供給を反映したもの」とし「過去に見られた正常な水準に戻りつつある」と述べて長期金利上昇への懸念を示さなかった。また年内追加利上げの是非を判断するのは時期尚早とした。
シカゴ連銀のグールズビー総裁も米長期債利回りの上昇について、失業率の急上昇や経済活動の急減速を引き起こすほどであればFRBは調整を行うと述べたものの、「リセッションを回避するという黄金の道から外れているという明確なシグナルは出ていない」として懸念を示さなかった。

【米長期債利回りはまちまち、ダウは反落で気迷い】

10月5日の米長期債利回りはまちまちの動きで、6日夜の米雇用統計を見定めたいとして調整的な動きに留まった。長期金利指標の10年債利回りは前日比0.02%低下の4.72%となった。10月4日に4.88%まで上昇して2007年以来の高水準を更新したところから低下に転じたが、5日は4.70%から4.78%までレンジで推移しながら若干の低下に終わった。
30年債利回りは前日比0.03%上昇の4.89%で終了。4日に5.01%をつけて2007年以降の最高水準を更新後に反落したが、5日は4.84%まで続落後に戻している。
利上げに敏感な2年債利回りは前日比0.04%低下の5.02%で終了。4日に5.18%を付けて9月21日の5.20%へ迫った後に低下、5日も続落しており上昇に一服感がみられる。

NYダウは前日比9.98ドル安と小幅下落した。33000ドル割れを繰り返し買われて8月1日高値からの下落基調に一服感がみられるものの反騰入りへの勢いを示せずにいる。ナスダック総合指数も16.18ポイント安と小幅下落したが、9月27日に13000ポイントを割り込んでから下げ渋っているものの反騰入りへのきっかけをつかめていない。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は10月3日夜の乱高下が落ち着いたものの、149円台を繰り返し売られて急落後の戻り幅の半値以上を削っている。5日午前安値で148.25円を付けてから5日夜高値149.10円まで戻して6日未明に148.27円へ反落しているため、5日安値を割り込む場合は5日高値を起点とした下落期入りとみて12日午前にかけての下落を想定する。ただし、米雇用統計をきっかけに5日高値超えへ反騰する場合は直前安値を起点とした上昇期入りとみて10日深夜にかけての上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では5日夜へ戻してからの反落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落しているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。5日高値を超えないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下げ再開とするが、5日高値超えからは上昇期入りとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は5日夜に50ポイントを超えたもののその後は40ポイントを挟んだ揉み合いとなっているため55ポイントを超えないうち一段安余地ありとし、30ポイント割れからは20ポイント弱を試す可能性があるとみる。55ポイント超えからは反騰期に入るとみて70ポイント台を目指す上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、148.00円を下値支持線、149.10円を上値抵抗線とする。
(2)148.75円以下での推移中は一段安余地ありとみる。148.00円前後は買われやすいとみるが、148円割れから続落の場合は10月3日夜の急落時安値147.41円を試しに向かうとみる。
(3)149.10円超えからは上昇期入りとみて149.50円、149.70円を順次試す上昇を想定するが、149.70円以上は反落警戒とする。

【当面の予定】

10/6(金)
休場 中国
14:00 (日) 8月 景気先行指数CI・速報値 (7月 108.2、予想 109.1)
14:00 (日) 8月 景気一致指数CI・速報値 (7月 114.2、予想 114.2)
15:00 (独) 8月 製造業新規受注 前月比 (7月 -11.7%、予想 1.8%)
15:00 (独) 8月 製造業新規受注 前年同月比 (7月 -10.5%、予想 -7.9%)
21:30 (米) 9月 非農業部門就業者数 前月比 (8月 18.7万人、予想 17.0万人)
21:30 (米) 9月 失業率 (8月 3.8%、予想 3.7%)
21:30 (米) 9月 平均時給 前月比 (8月 0.2%、予想 0.3%)
21:30 (米) 9月 平均時給 前年同月比 (8月 4.3%、予想 4.3%)
28:00 (米) 8月 消費者信用残高 前月比 (7月 104.0億ドル、予想 117.0億ドル)

10/9(月)
休場 米国(コロンブス・デー) 政府、為替、債券休場、株式と商品は通常)


注:ポイント要約は編集部

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