介入疑われる動きからドル上値は重い展開(10/4夕)

4日の東京市場は気迷い取引。前日のNY時間に「円買い介入」が疑われる動きが観測され、それを受けた東京も149円前半を中心とした疑心暗鬼だった。

介入疑われる動きからドル上値は重い展開(10/4夕)

介入疑われる動きからドル上値は重い展開

〇本日のドル円、149円以下では底堅かったが上値も重く30ポイント強のボックス内での一進一退
〇昨夜の動きを受け、今後150円レベルが「介入シーリング」として意識されドルの上値を抑制するか
〇注目の米雇用統計を前に、少し広めに147.30-150.20といったレンジ内の変動がしばらく続く可能性も
〇欧米時間のドル円予想レンジ148.00-149.40。ドル高円安方向は本日東京高値149.30-35が最初の抵抗
〇ドル安円高方向は短期的には148.70レベルがサポート、次は21日MAのある148.20レベルがターゲット

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場は気迷い取引。前日のNY時間に「円買い介入」が疑われる動きが観測され、それを受けた東京も149円前半を中心とした疑心暗鬼だった。

ドル/円は149.00-05円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。149円以下では底堅かったが上値も重く上げ渋りの様相を呈している。本邦要人が口先介入を含めた為替関連への言及を相次いで避けるなか、148.95-149.30円といった30ポイント強のボックス内での一進一退に終始している。16時現在では149.15-20円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の為替スタンス」と「米債務上限問題」について。
前者は、米金利の上昇もあり、3日のNY時間にドル/円は一時150円台乗せ。しかし、一転してドルは急落すると、一時147円台も。ほんの十数分といった短時間で3円近い値動きが観測され、それが「当局の介入によるものではないか」と思惑を呼んでいた。なお、NYで観測された一連の急激なドル安・円高進行について、本邦要人は神田財務官が「コメントを控える」と発言するなど、鈴木財務相や松野官房長官など全員がコメントを拒否。なお、そうしたなか、本日午前に神田財務官が岸田首相と20分ほどの会談を実施。思惑を呼ぶ局面も見られたが、神田氏によると「為替についてとくに話したわけではない」とされていた。

対して後者は、期限ギリギリで米議会が「つなぎ予算」を可決され、米政府機関の閉鎖はなんとか回避されたものの、その代償は大きかったようだ。米議会下院において、史上初となる野党・共和党のマッカーシー下院議長の解任を求める動議が賛成多数で可決されている。今後の予定については、来週10日に後任候補を協議し、翌11日に投票を行う計画との情報もあるが、目先的にはマッカーシー氏の議長解任により下院の立法作業が停止を余儀なくされそうだ。つまり、新議長の選出がスムーズに進まなければ、米議会は別の意味で機能不全に陥るリスクを孕むことになる。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日、昨年10月21日以来の150円台を一時示現するも、前述したように「当局の円買い介入を疑われる動き」から一転してドルは急落をたどっている。個人的には「当局の介入実施」観測を懐疑的に思っているのだが、いずれにしても昨日の動きを受けて、150円レベルが新たな「介入シーリング」として意識されることは間違いなく、今後ドルの上値を強く抑制しそう。ドルの上値はこれまで以上に重くなりそうだ。
日米金融政策の違いを背景にしたドル高有利という状況そのものはいまだ変わりがない。しかし、先で記したように150円というレベルが今後強く意識されることになりそう。このあとの欧米時間も、発表される米経済指標の内容如何によっては、やや荒れる展開もありそうだが、仮に好数字となったとしてもドルの上値は限られる展開か。一方、それとは別に再び混迷の様相を呈しつつある米議会情勢も波乱要因として注意をしておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日一日だけでトータル3円近い価格変動。材料的には今週は注目の米雇用統計の発表など注目材料が目白押しながら、昨日の高安が当面の高安になるといった見方も取り沙汰されていた。つまり、少し広めではあるが147.30-150.20円といったレンジ内での変動がしばらくのあいだ続く可能性も否定できないだろう。
本日は米経済指標として、9月のADP雇用統計や同非製造業PMI確報、同ISM非製造業総合指数などが発表される予定となっている。またボウマンFRB理事の演説など本日も米通貨当局者の発言機会は少なくない。引き続き要人発言には要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.00-149.40円。ドル高・円安方向は本日東京高値である149.30-35円が最初の抵抗。ただ仮に超えても、150円は再び少し遠い存在になったか。
対するドル安・円高方向は、ごく短期的には148.70円レベルがサポートか。割り込めば148.20円レベルまで水準を切り上げてきた移動平均の21日線がターゲットに。

介入疑われる動きからドル上値は重い展開

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