ドル高基調継続も、上値は重く上げ渋り継続か
〇ドル円、前日に記録した年初来高値を再び更新するも150円にはとどかず、基本的にレンジ取引
〇2日連続で年初来高値を更新したが、円買い介入警戒感が根強い状況にも変化なし
〇150円を目前に調整売りが出やすいといった指摘も、ドルの下押しにも一応要注意
〇基本的にドルは底堅く推移する公算が大きい、下値はかなり堅くなっている感
〇欧米時間のドル円予想レンジは149.20-150.10、ドル高・円安方向は150円の攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向は、149円半ば最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場はドルが小じっかり。前日に記録した年初来高値を再び更新したものの、150円にはとどかなかった。
ドル/円は149.85円レベルで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。実際、値動きは30銭にも満たなかったが、その過程のなかで149.95円レベルを示現し、前日高値を数ポイント上回った。ドルは連日の年初来高値を更新。しかし高値示現後にドルは軟落すると、16時現在ではやや小緩んだ149.75円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、豪ドル安は止まらず、対円などで続落。豪中銀が「一定の追加金融引き締めが必要になる可能性」などとしつつも、政策金利の据え置きを発表するなか、終日売りが優勢だった。
一方、材料的に注視されていたものは「米連邦債務上限問題」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、9月30日という期限ギリギリで米議会が「つなぎ予算」を可決、米政府機関の閉鎖はなんとか回避されたものの、問題が完全に解決したわけではないようだ。たとえば日経新聞では、「政府閉鎖回避も一時的、警戒緩まず」とレポート。つなぎ予算は11月17日までで、2024会計年度の本予算は成立していないことなどを不安要因として挙げていた。また、先のつなぎ予算可決後に一部で取り沙汰されていた「下院共和トップのマッカーシー下院議長の解任動議を提出の動き」が現実のものに。米下院共和党保守強硬派であるゲーツ議員が動議を提出したことで、今後マッカーシー氏の解任を問う投票が行われることになった。
対して後者は、EUは、「域外で初開催」となるウクライナの首都キーウでの外相会合を実施した。ゼレンスキー氏は演説を実施し、改めて支援を要請したことに対し、EUの外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は「最大50億ユーロの支援」を提案したという。また、別途ウクライナ中銀が、ロシアの軍事侵攻以来維持してきたドルペッグ(対ドル固定)制を緩和し、3日から柔軟な為替レートを導入すると発表したことも一部で話題に。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は2日連続で年初来高値を更新。しかし、円買い介入警戒感が根強い状況にも変化はなく、本日東京時間も150円にあと数銭まで迫りながらとどかなかった。果たして、最後の最後にいったい誰が「鈴を付けに行く」のだろうか。なお、東京最終盤にみられたように、150円を目前にし、調整売りが出やすい地合いといった指摘も聞かれており、一時的なドルの下押しにも一応要注意だ。
米金利の動きに一喜一憂しつつも、日米の金融差は基本的に大きく縮小することは予想しにくく、基本的にドル有利という状況は変わらない。このあとの欧米時間も、発表される米経済指標の内容如何によっては、やや荒れる展開もありそうだが、それでもドルは底堅く推移か。また、下がったところは確実に拾いたいとする日本の個人投資家なども多く、ドルの下値はかなり堅くなってきている。
テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京時間に再び高値を更新したが、150円にはとどかず。引き続き同レベルが抵抗として、まずは意識されそうだ。
それに対するドルの下値もかなり切り上がっており、目先は149円半ば前後が最初のサポートとなっている。当局による円買い介入でも観測されれば話は別だが、基本的にドルはかなり底堅く推移する公算が大きい。
本日は米経済指標として、8月のJOLT雇用動態調査が発表される予定となっている。またアトランタ連銀総裁の対話集会に参加なども予定されており、当局者らの発言には一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.20-150.10円。ドル高・円安方向は本日東京高値である149.95円レベルを含めた150円の攻防にまずは注目。ただ仮に超えても、ファーストトライで定着は難しいように思っている。
対するドル安・円高方向は、前述したように149円半ば最初のサポート。また割り込んできたとしても、本日だけに限れば149円台で下げ止まりそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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