東京市場のドルは150円手前での攻防、悪い米国債利回り上昇が上値を抑えるか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日米金利差拡大を意識したドル買いと政府・日銀による為替介入警戒が対立、年初来高値圏でのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、米政府機関の一部閉鎖が回避されたことや、9月のISM製造業景況指数が49.0と市場予想(47.7)を大幅に上回ったことからドル強含みの展開となったが、心理的な節目でもある150円接近を受けて、政府・日銀による為替介入が警戒視されて、一段高とはならなかった。
東京時間では、150円を前に政府・日銀による為替介入(ドル売り・円買い)への警戒感と、日米金利差拡大を意識したドル買いが拮抗。上下の値幅はわずか20銭弱に留まる膠着相場となった。鈴木財務相による6日連続の口先介入や、株式市場で、日経平均が下げ幅を拡大する展開となったが、為替市場への影響は限定的だった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円85銭
高値:149円96銭
安値:149円78銭
終値:149円93銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円99銭
高値:157円09銭
安値:156円75銭
終値:156円90銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円32銭
高値:95円41銭
安値:94円53銭
終値:94円55銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円12銭
高値:181円22銭
安値:180円78銭
終値:180円84銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31607円97銭
高値:31607円97銭
安値:31157円40銭
終値:31237円94銭(前日比−521円94銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時00分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演
21時45分、欧、ビルロワドガロー・フランス中銀総裁が中銀デジタル通貨に関する会議に出席
23時00分、米、JOLTS求人件数、前回:882.7万人、市場予想:883.1万人
※中国は国慶節のため6日まで休場
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。9月1日の144円44銭と、11日の145円90銭を結んだ下値支持線に対して、7日と8日の147円88銭と、15日の147円99銭を結んだ上値抵抗線を上放れていることから、短期的なターゲットとして、昨年10月以来となる150円台到達が意識されよう。
150円台が間近に迫っているが、鈴木財務相の口先介入はトーンが変わらないどころか「為替動向は水準ではなくボラティリティの問題」と発言。「緩やかなドル上昇」を受けて、政府・日銀による為替介入は、大義名分がなくて実施できないことを露呈したように思える。発言の後、ドル買いは加速しなかったが、今晩の海外時間では米国債利回りの拡大を材料に、150円台乗せを試す展開となりそうだ。
一方、足元の米国債の利回り拡大の背景は大きく二つ存在する。一つは、堅調な米経済をベースとした追加の利上げ期待である。これはある程度織り込まれていた部分だが、この要因は「強いドルを買う」というシンプルな発想だ。
ただ、もう一つの背景が問題だ。米政府機関の閉鎖に伴う米国債の格下げ懸念である。単純に米国債の価格が下がることで利回りが上昇するわけなので、ネガティブな利回り拡大だ。こうした二つの要因を背景に米国債利回りは16年ぶりの水準まで拡大しており、日米金利差拡大を材料にドルがじりじりと上昇しているが、日米金利差が拡大するから必ずしもドルを買っていい地合いではなくなっている。
足元、ドル上昇のピッチが落ちてきたのは、こうした要因を市場が理解しているからと推測する。強い米経済指標が確認できない状況下、米国債の利回りが拡大した場合、ドルが下がる可能性があることを意識しておきたい。
今晩の海外時間は、いったん150円にタッチする可能性はあるが、一段高を期待するドル買いは手控えられ、東京時間同様、149円台後半でもみ合うと想定する。上値メドは150円10銭、下値メドは149円40銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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