東京終盤は調整売り優勢、冴えない値動きも(9/29夕)

29日の東京市場はドルが弱含み。米金利の低下もあり、夕方に掛けて下げ足を加速させると、149円の大台を割り込む局面も観測されていた。

東京終盤は調整売り優勢、冴えない値動きも(9/29夕)

東京終盤は調整売り優勢、冴えない値動きも

〇本日のドル円、最終盤にかけて調整と思しき売りが優勢になり、149円を割り込み148.80レベルへ下落
〇ドル高・円安基調そのものは変化がないものの、調整のドル売りがもう少し続く可能性も
〇一旦の仕切り直したのち、ドル再上昇、150円を超えていくという値動きか
〇本日は8月PCEデフレーターや9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報が発表予定
〇欧米時間のドル円予想レンジは148.00-149.20、ドル高・円安方向は149円レベルが意識されそう
〇ドル安・円高方向は、短期のサポートとして育った148円半ばの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場はドルが弱含み。米金利の低下もあり、夕方に掛けて下げ足を加速させると、149円の大台を割り込む局面も観測されていた。

ドル/円は149.30円前後で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。一時は149円半ばまで値を上げた。なお、そうした流れのなか本日も鈴木財務相から、「急激な変動にあらゆる選択肢を排除せず適切に対応」とした口先介入が聞かれていたようだ。そんな鈴木発言が功を奏したのか、ドルは最終盤にかけて調整と思しき売りが優勢に。昨日一度も割り込めなかった149円を割り込み148.80円レベルへ。16時現在でも、そのままドル安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米連邦債務上限問題」と「中国情勢」について。
前者は、一部政府機関が閉鎖される10月1日という期限切れに向けて、土壇場での交渉が続けられるが、あまり上手くいっていないようだ。実際、日経新聞では「交渉は28日も難航した」と指摘したうえで、「米民主党は合意を目指した超党派案を拒否、期限となる30日までの合意は難しくなりつつあるようだ」と報じていた。ちなみに、政府機関が閉鎖された場合には、一部の対外援助プログラムも資金不足に陥る可能性があり、米国防総省によると「ウクライナ支援にも影響を与えそう」だという。

対して後者は、習国家主席が、建国74周年の国慶節(建国記念日)に先立つレセプションで「我々の未来は明るい」と発言。さらに、台湾の統一について「いかなる勢力も阻止することはできない」と強調するなど、意気軒昂だった。しかし、そうしたなか前日に詳しい理由がわからないなか、突然株式が売買停止になった恒大集団において、創業者の許家印会長が犯罪に関わった疑いで当局から「強制措置を執られた」と発表されている。これを受け、「同社の解体などを視野に経営への介入をより強める可能性がある」−−と複数メディアで報じられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、25日から27日に掛けて3日連続で高値更新したものの、昨日は更新できず。そして、前述したように本日東京時間には149円を割り込むような展開となっている。ドル高・円安という基調そのものは変化がないものの、足もとについては調整と思しきドル売りがもう少し続いても不思議はないだろう。一旦の仕切り直しを経たのち、ドルは再上昇。そして、いよいよ150円を超えていくという値動きか。
日米の金融政策スタンスをもとに、基本的にはドル高・円安が有利な状況にあることは間違いない。そうしたなか、本日東京で鈴木財務相から少し気になる発言が聞かれていた。それは「防衛ラインみたいなものがあって、それを超えたらどうするこうするということはない」−−とのコメントだ。以前からたびたび指摘されている「過度の変動」をより重視していることを示唆したものかもしれないが、今回の発言からするとマーケットの警戒感が強い150円へと到達しても、ドル高進行スピードが緩やかであるのなら介入に動くことはないと述べたに等しいのではないだろうか。

テクニカルに見た場合、ドル/円は27日に150円手前の149.71円まで上昇したものの、本日東京夕方に掛けて148円後半と、あっという間に1円程度も下落している。
そんな今回のドル高の起点をどこにするかによるが、仮に1日の144.44円であるとするならば、その後のドル下押しは最大で2円程度だ。したがって、目先もう少しドルは下落しても不思議はないものの、逆にドルが2円を超える下げとなったら、基調転換を疑う必要が生じるだろう。

本日は米経済指標として、8月のPCEデフレーターや9月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表される予定となっている。またNY連銀総裁の講演なども幾つか予定されており、こちらも要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.00-149.20円。ドル高・円安方向は予想以上に容易に149円を割り込んでおり、再び同レベルが抵抗として意識されそうだ。ただ、超えても27日高値の149.71円は少し遠のいた感がある。
対するドル安・円高方向は、短期のサポートとして育った148円半ばの攻防にまずは注目。下回ると148円、そして147円後半までレベルを切り上げてきた移動平均の21日線などがターゲットに。

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ドル円日足


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