東京市場のドルは149円台前半で推移、米政府機関閉鎖懸念が売買手控え要因に(23/9/29)

ドル・円は、月末と四半期、上半期末が重なったことに伴うリバランスなどが商いの中心となるなか、時間外で米10年債利回りが低下したことから149円台前半推移となった。

東京市場のドルは149円台前半で推移、米政府機関閉鎖懸念が売買手控え要因に(23/9/29)

東京市場のドルは149円台前半で推移、米政府機関閉鎖懸念が売買手控え要因に

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、月末と四半期、上半期末が重なったことに伴うリバランスなどが商いの中心となるなか、時間外で米10年債利回りが低下したことから149円台前半推移となった。

昨晩の海外時間では、米4−6月期国内総生産(GDP)確定値が、1年ぶりの弱い伸びに留まったほか、9月のカンザスシティ連銀製造業活動が予想を下回ったことなどから、米成長減速懸念が意識されてドルは下落。注目されたグールズビー・シカゴ連銀総裁も「過剰な政策は景気後退につながるリスク」とハト派らしい警鐘を鳴らしたことも影響して、ドルは149円台前半での推移となった。

東京時間では、9月最終営業日ということで、期末に絡んだリバランスなどが売買の中心となるなか、日銀が臨時の国債買い入れオペを通知したことでややドルが買われる場面が見られた。ただ、14時頃から時間外の米10年国債利回りが4.56%台まで低下したことから、ドルは軟化。149円台前半で東京時間の取引を終えた。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円26銭
高値:149円51銭
安値:149円15銭
終値:149円16銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円70銭
高値:158円11銭
安値:157円65銭
終値:157円78銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円94銭
高値:96円52銭
安値:95円91銭
終値:96円28銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:182円22銭
高値:182円67銭
安値:182円17銭
終値:182円31銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32018円64銭
高値:32027円46銭
安値:31717円74銭
終値:31857円62銭(前日比−14円90銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

16時40分、欧、ラガルドECB総裁がIEA会議にて講演
18時00分、欧、ユーロ圏消費者物価指数(前年比)、前回:5.2%、市場予想:4.5%
18時00分、欧、ユーロ圏消費者物価指数(コア)(前年比)、前回:5.3%、市場予想:4.8%
21時30分、米、PCEデフレータ(前年比)、前回:3.3%、市場予想:3.6%
21時30分、米、PCEコアデフレータ(前年比)、前回:4.2%、市場予想:3.9%
22時45分、米、シカゴ購買協会景気指数(PMI)、前回:48.7、市場予想:47.0
23時00分、米、ミシガン大学消費者信頼感指数、前回:67.7、市場予想:67.7

※30日(土)、日、植田日銀総裁が日本金融学会で講演
※30日(土)、中、9月の中国製造業PMI、前回:49.7、市場予想:50.1
※30日(土)、中、9月のサービス業PMI、前回:51.0、市場予想:51.4
※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。9月1日の144円44銭と、11日の145円90銭を結んだ下値支持線に対して、7日と8日の147円88銭と、15日の147円99銭(年初来高値)を結んだ上値抵抗線を上放れていることから、短期的なターゲットとして、昨年10月以来となる150円台到達が意識されよう。

今週のドル・円は、9月26日頃から149円台での値固めの展開となり、28日の海外時間で年初来高値149円73銭をつけた。そのまま150円台突破かと思われたが、上値が重くなっている。米金利の拡大に伴い日米金利差拡大がドル高の原動力と見られている一方、ネガティブな金利上昇も意識され始めているようだ。

米議会で民主党と共和党が対立していることから米国政府機関閉鎖への懸念が強まっている。既に米格付け会社ムーディーズが「米連邦政府の政府機関が閉鎖に追い込まれれば、米国債の信用面でマイナス」と表明しており、米国債下落に伴うネガティブな金利上昇も、足元の金利上昇には含まれていると推測。

9月末から10月にかけて、米議会の調整がうまくいけば、改めて150円にトライという地合いになると考えるが、今時点では民主党と共和党の妥協点は見つかっていない。週末、よりネガティブなニュースが伝われば、週明け一番早くスタートするオセアニア時間にて、ドルがギャップ・ダウンのスタートとなる展開も意識しておきたい。

米国政府機関の閉鎖の話は、2000年以降では、2013年、2018ー19年の2回に発生した。よく揉めるが、閉鎖する前には妥結するというチキンレース化の印象だが、本当に閉鎖となれば、ドルにはネガティブなニュースだ。今晩の海外時間から週末にかけては、複数の米中経済指標や、日銀植田総裁の講演など注目イベントが控えている。ただ、「米国政府機関の閉鎖回避」というニュースを見ないことには、積極的な売買は手控えられよう。

今晩の海外時間は上値が重く、149円台を挟んでのもみ合い相場を想定する。上値メドは年初来高値より下の149円40銭、下値メドは148円50銭とする。

東京市場のドルは149円台前半で推移、米政府機関閉鎖懸念が売買手控え要因に

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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