いよいよ150円を意識、実弾介入は如何に!?
〇ドル円、財務相の口先介入に149.25まで小幅に値を崩すも持ち直し、16時現在149.35-40で推移
〇日米金利差を材料に市場は引き続きドル高・円安が有利な状況
〇円買い実弾介入の事前段階、レートチェック実施で1円を超えるドル急反落の可能性も
〇本日は米4-6月期のGDP確報値、新規失業保険申請件数、要人発言に注意
〇欧米時間のドル円予想レンジは148.60-149.70
〇ドル高・円安方向は、昨日高値149.71をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、昨日安値148.87が最初のサポートか
<< 東京市場の動き >>
28日の東京市場はレンジ取引。調整と思しき売りに一時押しが入ったものの、下値も堅かった。
ドル/円は寄り付いた149.65円レベルを日中高値にドルは小安い。円安警戒が根強く、実際に鈴木財務相から「過度な為替変動に対し、あらゆる手段を排除せず」との口先介入が観測されるなか、149.25円レベルまで小幅に値を崩した。しかし、底入れ後ドルは再び持ち直しの動きに。16時現在では149.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米連邦債務上限問題」と「中国情勢」について。
前者は、前日に「米上院で与野党指導部が『つなぎ予算』で合意」し、警戒感がやや後退した感もあった米債務上限問題。しかし、米共和党のマッカーシー下院議長が上院で進められている、政府資金を一時的に手当てする法案を拒否すると表明したことなどで、一部の政府機関が閉鎖されるリスクが再び高まっていたようだ。そうしたなか、米SEC委員長からは「政府機関閉鎖なら90%以上の職員を失う」との発言が聞かれたほか、日経新聞は「米政府閉鎖迫る期限、財政運営に市場疑念」と報道。また、ブルームバーグでは「政府の請負業者が直面する売上高の損失や遅延は一日当たり最大で19億ドルに上る」との試算が発表されていた。引き続き動静には注意を払いたい。
対して後者は、詳しい理由はわからないが、香港取引所に上場する中国恒大集団の株式が突然売買停止となったとして思惑を呼ぶ。先日、創業者の許家印会長が警察に連行されたとの報道もあるなかだけに、警戒感がさらに強まっていたようだ。それとは別に、「中国ハッカーが米国務省に進入、電子メール6万通盗む」との報道や、中国外相がEUの中国製EV調査について「国際貿易ルールに違反」などと強い不満を示していたといったニュースも観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、昨日まで3日連続で高値更新。一時149.71円を示現している。心理抵抗線である150円まで、あと30ポイントと迫り、いよいよ現実的なメドとして意識されてきたことは間違いない。なお、日経新聞は「個人が介入にらみ『神田トレード』」などと、150円到達で円買い介入が実施されるように報じていたが、本当だろうか。確かに要注意ではあるものの、以前から何度かレポートしているように、当局が重視する「過度の変動」との整合性がいまひとつ取れないのではないかという気がする。
明らかになった日米の金融政策スタンス、それをもとにした日米金利差を材料に市場は引き続きドル高・円安が有利な状況にある。ドル高という基調そのものが簡単に転換するとは思えない。また、先で記したように円買いの実弾介入にはやや懐疑的に思っている部分もあるのだが、当局としては事前段階として出来ることは幾つかあり、それを実践してくる可能性までは否定できない。その最たるものはレートチェックで、実施されればそれだけで1円を超えるドルの急反落が進行しても不思議はなさそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円はついに150円一歩手前の149.71円まで上昇。150円が次の上値メドとして意識されてきた。超えれば昨年高値の151.94円も薄っすらとだが視界内に。
対するドルのサポートは148円半ば。当局の介入といった特殊要因でもなければ、ドルの大崩れは予想できない。
本日は米経済指標として、4-6月期のGDP確報値や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。また米通貨当局者の講演など、発言機会が相次ぎ予定されており、こちらも要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.60-149.70円。ドル高・円安方向は昨日高値の149.71円をめぐる攻防に注目。超えれば名実ともに150円を目指す。
対するドル安・円高方向は、ドル上値が切り上がるとともに下値も連日切り上がっており、それからすると昨日安値148.87円が最初のサポートか。ただ、仮に下回っても底堅そう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2023.09.29
ドル円、介入警戒感と米金利低下を材料に年初来高値圏からひとまず反落(9/29朝)
28日(木)のドル円相場は上値の重い展開。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:中島 光牙
2023.09.28
東京市場のドルは149円台半ばでのもみ合い、要人発言で150円台乗せにトライか(23/9/28)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、心理的な節目である150円が迫っていることなどが意識されて上値は重くなったが、149円台半ばでのもみ合いとなった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。