東京市場のドルは149円台半ばでのもみ合い、要人発言で150円台乗せにトライか(23/9/28)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、心理的な節目である150円が迫っていることなどが意識されて上値は重くなったが、149円台半ばでのもみ合いとなった。

東京市場のドルは149円台半ばでのもみ合い、要人発言で150円台乗せにトライか(23/9/28)

東京市場のドルは149円台半ばでのもみ合い、要人発言で150円台乗せにトライか

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、心理的な節目である150円が迫っていることなどが意識されて上値は重くなったが、149円台半ばでのもみ合いとなった。

昨晩の海外時間では、8月の米耐久財受注が市場予想を上回ったほか、ハト派だったカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が、年内利上げを予想するなどタカ派に転じたことなどが材料視されて、米10年債利回りは4.64%台まで上昇。ドルは買い優勢の展開となり、149円73銭(年初来高値)まで買われた。

東京時間では、鈴木財務相が「緊張感をもって見ている」「過度な変動があれば適切に対応する」と3日連続で口先介入を行ったが、為替市場への影響は限定的。ただ、心理的な節目である150円に接近していることで、政府・日銀による実弾の為替介入の現実味が増していることが相場の重しに。日経平均が配当落ち分以上に大幅安となったことも、ドルのネガティブ要因となった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円47銭
高値:149円56銭
安値:149円25銭
終値:149円35銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円00銭
高値:157円23銭
安値:156円77銭
終値:156円94銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円88銭
高値:95円28銭
安値:94円82銭
終値:95円22銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円34銭
高値:181円58銭
安値:181円24銭
終値:181円38銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32119円37銭
高値:32164円45銭
安値:31674円42銭
終値:31872円52銭(前日比−499円38銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

17時00分、欧、ECB経済報告
18時00分、欧、ユーロ圏消費者信頼感、前回:−17.8、市場予想:−17.8
18時00分、欧、景況感指数、前回:93.3、市場予想:92.4
21時00分、欧、ドイツ消費者物価指数(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.2%
21時00分、欧、ドイツ消費者物価指数(前年比)、前回:6.1%、市場予想:4.6%
21時30分、米、実質GDP(前期比年率)、前回:2.1%、市場予想:2.4%
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:20.1万件、市場予想:21.4万件
22時00分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁が講演
23時00分、米、中古住宅販売成約指数(前月比)、前回:0.9%、市場予想:−0.9%
26時00分、米、クックFRB理事がイベント挨拶
29時00分、米、パウエルFRB議長がタウンホールミーティングに出席

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。9月1日の144円44銭と、11日の145円90銭を結んだ下値支持線に対して、7日と8日の147円88銭と、15日の147円99銭(年初来高値)を結んだ上値抵抗線を上放れていることから、短期的なターゲットとして、昨年10月以来となる150円台到達が意識されよう。

鈴木財務相が3日連続で口先介入を行っているが、まだ「断固たる」という強いワードは見当たらないので介入の機は熟していないと考える。じりじりとしたドル高円安を受けて、「ボラタイル」「急速な円安傾向」が感じられないことから、為替介入を実施するハードルは高いと考える。

また、足元のドル高円安は、米債利回りの上昇が背景にある。米10年債利回りは2007年以来となる4.6%台に乗せており、日本の10年国債の利回りが10年ぶりの0.75%台に乗せても、日米金利差は拡大中である。日米金利差の拡大が根底にあることから、仮に為替介入を実施して、4−5円ドルが下落しても、「絶好のドルの買い場」と捉えられ、瞬間的に戻す可能性もある。

一方、日本の会計年度上半期は明日9月29日で終了し、10月からは会計年度の下期に入る。もしかすると、為替介入には、為替水準、スピード感、変動率(ボラティリティ)以外のこうした要因が存在するのかもしれない。考えればきりがない話だが、それだけ介入警戒感が高まっていることは事実である。

今晩の海外時間は、引き続き日米金利差が意識されて150円台乗せを試す展開となろう。ポイントは22時のグールズビー・シカゴ連銀総裁の講演だ。ハト派と見られている同氏が「年内、追加の利上げ」の可能性を匂わす発言があれば、昨晩のカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の発言同様、ドル買いの材料となろう。今晩の上値メドは年初来高値を上回る150円00銭、下値メドは149円00銭とする。

東京市場のドルは149円台半ばでのもみ合い、要人発言で150円台乗せにトライか

ドル円日足

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