日米金利差に着目したドル高基調は継続か
〇本日のドル円、日銀会合後ドル高・円安が進展、148.25レベルまで上昇後夕方に掛けて148.40レベルへ
〇日銀、金融政策決定会合で金融緩和策の現状維持を全会一致で決定
〇ドル円は東京夕方に148.40レベルを示現し、このあと年初来高値の更新は不可避か
〇次のターゲットは148.80で、また中期的には150円に向けたさらなるドル高進行の可能性も
〇欧米時間のドル円予想レンジは147.60-148.80、ドル高・円安方向は148.46の攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、短期的には148円ちょうどがサポートとして意識される
<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場はドルが逆行高。前日NYは147円半ばと軟調なレベルで取引を終えたが、再び148円台を回復する展開に。
ドル/円は147.55-60円で寄り付いたのち、しばらく揉み合い。日銀会合待ちの様相で売買は手控えをたどるなか、昼前に会合結果として「金利据え置き」と発表され、そののち一気にドル高・円安が進展している。第一波として148.25円レベルまで上昇後、夕方に掛けて第二波が到来し148.40円レベルへ。16時現在では、そのままドルの高値圏で維持、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「為替スタンス」と「日本の金融政策」について。
前者は、前述したように日銀会合の結果発表前のドル/円は147円台で推移したが、本邦要人からは連日の口先介入が聞かれていた。まずは岸田首相が、訪問先のNYで「過度な変動に対処するために政府はいかなる選択肢も排除しない」と述べたという。また、鈴木財務相は本日午前、先日イエレン米財務長官が為替介入に一定の理解を示したと解釈される発言をしたことを引き合いに「米国など海外の通貨当局とは緊密に意思疎通を図っている。為替相場の過度な変動は好ましくないという認識を共有してきている」−−などと指摘し、市場に警告を発していた。
対して後者は、本日昼前に日銀が、金融政策決定会合で金融緩和策の現状維持を全会一致で決定したと発表。同時に、長期金利の事実上の上限を1%とする長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)などの現行緩和策の継続も続けると指摘していた。ほぼ予想通りだった気もするが、会合結果の発表を受けて為替市場ではドル買い・円売りが進行している。なお、そののち植田日銀総裁は会見で「2%目標の持続的実現を見通せる状況に至ってない」、「粘り強い緩和継続で物価安定の2%目標実現目指す」、「為替市場の動きについて具体的コメント控える」などと発言していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は昨日東京時間に年初来高値を更新したのち、欧米時間にかけて1円強も下落。一旦出直しもやむなしか、と思っていたのだが日銀会合の結果もあり、思いのほか早い復活をたどっている。そんなドル/円は東京夕方に一時148.40円レベルを示現し、昨日記録した高値まであと数ポイント。このあと年初来高値の更新は不可避と考えられ、しっかり抜ければ以前からレポートしている148.80円レベルが次のターゲットに。
市場筋が注視していた各国金融政策だが、ユーロにはじまり米国や英国そして日本と、これまで主要国の動静がほぼ明らかになった。結果、米国は金利の引き上げを見送ったものの、追加利上げの可能性を残すなか、日本は低金利政策の継続が改めて示されており、リスクという意味ではやはりドル高方向にバイアスがかかりそう。しばらくは口先介入だけでなく、実弾介入を含めた本邦政府・財務省のスタンスを見極める神経質な値動きをたどるといった声も聞かれている。
テクニカルに見た場合、ドル/円は紆余曲折あり、いまだ断定できない難しい局面。しかし、基本的には148円を上限としたレンジをしっかり上抜けたといって間違いなさそうだ。だとすると、次のターゲットは148.80円で、また時間を掛けつつではあるが中期的には150円に向けたさらなるドル高の進行も否定できない。
それに対するドルのサポートは昨日安値147.32円だが、仮に下回ったとしても基本的には大崩れを予想しにくい。
本日は米経済指標として、9月の製造業PMI速報などが発表される予定となっているほか、同じ製造業PMIは英国やドイツ、ユーロ圏などでも発表見込みだ。欧州指標についても一応の注意を払いたい。そのほかサンフランシスコ連銀総裁の講演なども予定されており、こちらも重ねて要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.60-148.80円。ドル高・円安方向はまず間近に迫っている高値148.46円の攻防に注目。超えれば148.80円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、短期的には148円ちょうどがサポートとして意識されそう。それを下回ると昨日安値147.32円を目指すが、円買い介入といった不確定要因がない限り下値は堅いイメージ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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