東京市場のドルは148円挟みでのもみ合い、海外ではドル買い優勢に
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀金融政策決定会合(日銀会合)の結果発表前後で、ドルがやや動いたものの、植田日銀総裁の記者会見を前に様子見ムードは強く、148円を挟んでのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、先週分の米新規失業保険申請件数が、予想外に前回から減少したことで、労働市場の強さが証明され、米10年債利回りは4.4%台後半まで上昇。ただ、英国中銀とスイス中銀が想定外の金利据え置きを発表したことから、欧州通貨が下落。ドルも連れ安の展開となり147円台半ばまで売られた。
東京時間の12時前に、日銀会合が現状の金融緩和政策を維持するとの結果が伝わった。発表後は、現状維持を材料にドルを買うような動きも見られたが、15時30分の植田日銀総裁の記者会見が意識されて買いは続かず。「往って来い」の後は148円を挟んだもみ合い相場となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:147円66銭
高値:148円26銭
安値:147円50銭
終値:148円09銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円32銭
高値:157円97銭
安値:157円12銭
終値:157円69銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円67銭
高値:95円25銭
安値:94円54銭
終値:95円14銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円37銭
高値:182円02銭
安値:181円20銭
終値:181円86銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32189円32銭
高値:32535円67銭
安値:32154円53銭
終値:32402円41銭(前日比−168円62銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、ユーロ圏サービス業PMI、前回:47.9、市場予想:47.6
17時30分、英、製造業PMI、前回:43.0、市場予想:43.2
17時30分、英、サービス業PMI、前回:49.5、市場予想:49.4
20時00分、米、デギントスWCB副総裁がイベントに参加
21時50分、米、クックFRB理事が会議に出席
22時45分、米、製造業PMI、前回:47.9、市場予想:48.2
22時45分、米、サービス業PMI、前回:50.5、市場予想:50.6
22時45分、米、コンポジットPMI、前回:50.2、市場予想:50.3
26時00分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が講演
26時00分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が討論会に参加
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。9月1日の144円44銭と、11日の145円90銭を結んだ下値支持線に対して、7日と8日の147円88銭と、15日の147円99銭(年初来高値)を結んだ上値抵抗線を上放れていることから、短期的なターゲットとして、昨年10月以来となる150円台到達が意識されよう。
15時30分から行われた植田日銀総裁の記者会見では、「物価目標実現見通せれば、マイナス金利解除は視野に入る」「マイナス金利解除、年内の可能性は全くないと総裁が言うと決定に縛りをかける」「為替の動向を高い緊張感をもって注視」「施策への基本的な考え方について、従来から変化はない」といったコメントが確認できた。
マイナス金利解除に対する厳しい質問が記者から飛んでいたが、植田日銀総裁はうまくはぐらかした印象だ。決して悪い意味ではなく、日銀内でのコンセンサスが固まっていないのでうかつには話せないだけで、総じて落ち着いた対話が行われていたように感じる。
植田日銀総裁の記者会見の15時30分以降、時間外取引での10年国債利回りは0.73%台と静かなものだった。一方、為替市場では、ドルは148円20ー30銭台で推移しておりじりじりとしたドル買い円売りの展開が見られる。米10年債利回りは時間外で4.5%台に乗せていることから、日米金利差拡大に着目したドル買いのトレンドは強まると考える。今晩の米経済指標が予想上振れであれば、年初来高値148円46銭(9月21日)更新が十分視野に入ろう。政府・日銀による為替介入実施には、まだ段階があると見ているので、ドル買いの地合いは継続と判断する。
今晩の上値メドは年初来高値を上回る148円90銭、下値メドは東京時間の終値を少し下回る148円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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