下値堅そう、基本は明日の米指標発表にらみ
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〇本日のドル円、50ポイントほどのレンジで小動き、16時現在146.85-90で推移し欧米市場迎える
〇ドルの上値重いが、リスクは引き続きドル高方向、足もとは146円台を中心にドルが底堅く推移か
〇来週開催の米FOMCを前に、明日の8月消費者物価指数に要警戒
〇ドル円予想レンジは146.30-147.40、ドル高・円安方向は147円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、146.30前後までレベルを切り上げてきた21日移動平均線をめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場はドルが底堅い。上値も重く上げ渋りの様相だったが、146円半ばレベルでは下値も堅かった。
ドル/円は146.55-60円で寄り付いたものの、基本は小動き。実際、値動きは50ポイントほどにとどまるなか、ドルの底堅さが目に付いた。むしろ終盤に掛けては若干のドル買いも。結局147円にはわずかにとどかなかったが、16時現在ではそのままドルの高値圏146.85-90円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、習国家主席が先週末開催されたG20サミットなどを欠席したことに続き、19日からNYで始まる国連総会一般討論を、外交トップの王共産党政治局員兼外相が欠席する見通しになったと伝えられていた。代わりに、韓国家副主席が派遣する予定だという。一方、そうしたなか中国はIAEAの定例理事会で、「福島処理水は近隣諸国と協議せず放出」などと日本を非難したうえ、中国のためにイギリス議会の調査員らがスパイ活動をした疑いでロンドン警視庁に逮捕されたことについて、中国側はスパイ疑惑を完全否定。「まったくの捏造」などと強く非難していたようだ。
対して後者は、金融市場などでかねてから噂されていた北朝鮮の金朝鮮労働党総書記による訪露について、プーチン露大統領の招きにより実現するとロシアと北朝鮮が同時発表を行った。また、10日に専用列車が北朝鮮を出発したばかりか、12日午前にはロシアに到着したとの一部報道も別途観測されている。13日にも4年半ぶりの首脳会談が実施される見通しだ。なお、そうしたなか米NSC報道官から北朝鮮に対し、ウクライナ戦争で使用する武器をロシアに売却しないよう求める旨の発言が聞かれたが、一方でロシアのペスコフ報道官は「北朝鮮と関係を築くうえで両国の利益が重要で、米国からの警告は重要ではない」と述べ、NSC報道官発言を一蹴している。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は昨日、9月1日以来の146円割れを一時達成するも、終わってみれば146円半ば。また、ザラ場ベースで割り込んでいた移動平均の21日線も上回ってNY市場を大引けている。ドルの上値は重く、先週示現した年初来高値147.87円更新も簡単ではなさそうだが、リスクそのものは引き続きドル高方向にバイアスか。足もとは146円台を中心に、ドルが底堅く推移する可能性もありそうだ。
市場は日米欧の金融政策への関心が高く、来週開催される米FOMCなどが注視されるなか、まずは明日発表される米経済指標の8月消費者物価指数に警戒感を抱いているようだ。一方、それとは別にここ最近は中国情勢がドル/円相場の波乱要因となることが儘あり、本日でいえば中国証券報が報じた「中国人民銀には人民元を守る政策手段が十分にある」を気に掛ける先も多くみられていた。引き続き関連情報などにも要注意だ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日一時146円を割り込み、ザラ場ベースながら21日線を下回ったときにはドル続落も懸念されたが、終わってみれば21日線を上回るなど、何とかドルの下値も維持している。油断は禁物だが、明日に米消費者物価指数の発表を控え、短期的にドルは引き続き底堅い値動きか。ただ、前述した21日線をNYクローズで下回ってしまうと、マーケット・センチメントにも変化が生じる可能性があり、注意を払いたい。
本日は米経済指標として、レッドブック週間小売売上高などが発表されるものの、正直市場の関心は高くなく、基本はノーインパクトか。ただ、米財務省による10年債の入札が実施される見込みでもそちらを警戒する向きもある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.30-147.40円。ドル高・円安方向は本日東京時間も超えられなかった147円レベルが最初の抵抗。超えれば昨日高値147.27円などを目指す。
対するドル安・円高方向は、146.30円前後までレベルを切り上げてきた移動平均の21日線をめぐる攻防にまずは注目。ザラ場だけでなく、NYクローズで上回れるか否かも注視されている。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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