ドル円、日米金利差に着目した円キャリートレードが再開。節目147円台を早くも回復
〇ドル円、米国時間午後にかけて高値147.24まで上昇、147円台で堅調推移
〇本邦10年債利回り低下、日経平均株価の堅調、米長期金利反発等がサポート
〇ユーロドルECB理事会控え、1.07台前半で堅調推移
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、買いシグナルも継続、強い地合いを維持
〇ファンダメンタルズも日米金融政策格差と円キャリートレードの再開期待がサポート
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:146.25ー148.25
海外時間のレビュー
12日(火)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値146.44まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)良好な5年債入札結果を背景とした本邦10年債利回りの低下(円売り再開)や、(2)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(4)心理的節目147.00(←訂正×137.00)を回復したことに伴う仕掛け的なドル買い・円売り(俄かショートのストップBUY)、(5)重要イベント(米8月消費者物価指数)を翌日に控えたポジション調整が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値147.24まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/13午前5時00分現在)では、147.12前後で推移しております。
12日(火)のユーロドル相場は底堅い動き。アジア時間朝方にかけて、高値1.0768まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)ドイツ9月ZEW景況感指数の現況指数(結果▲79.4、予想▲75.5)の冴えない結果(3年ぶり低水準を記録→ドイツ経済の悪化懸念→ユーロ圏全体の景気悪化懸念→ECBによる金融引き締め休止観測→ユーロ売りの波及経路)、(3)ECB理事会を控えたポジション調整が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0705まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/13午前5時00分現在)では、1.0728前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は週明け月曜日に記録した安値145.91から切り返すと、昨日は一時147.24まで反発しました。植田日銀総裁によるタカ派的な発言(読売新聞のインタービュー記事)と、WSJニック記者によるハト派的な発言(Xでのツイート発信)を切掛としたドル売り・円買いの流れは、僅か1日で賞味期限切れとなりました(下値の堅さを再確認)。日足ローソク足が全てのテクニカルポイントの上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(9月FOMCは据え置きとなる可能性が高いが、年内利上げ観測は依然として残存)や、(2)日銀による金融緩和の継続観測(植田総裁発言を受けて、マイナス金利の年内解除観測が燻っているものの、例え解除されたとしても影響は限定的との見方が市場では大勢)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策格差とそれに伴う円キャリートレードの再開期待など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。こうした中、本日は日本時間21:30に予定されている米8月消費者物価指数に注目が集まります。市場予想の前月比+0.4%、前年比+3.6%を上回る結果となれば、米国のインフレ懸念再燃→米FRBによる金融引き締め継続の思惑→米長期金利上昇→米ドル全面高の経路で、ドル円が先週末金曜日に記録した年初来高値147.88を突破し、心理的節目148円や149円に向けて上げ幅を拡大する可能性もあるため、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(仮に市場予想を下回る場合でも9/11安値145.91は死守される公算大)。
本日の予想レンジ:146.25ー148.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2023.09.13
ドル円見通し 9月11日の乱高下落ち着き、米CPIへ関心向かう(23/9/13)
ドル円は9月11日の急落で146円を割り込んだところから147円台回復まで切り返しているため、11日夕安値を起点とした上昇期に入っていると思われる。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2023.09.12
下値堅そう、基本は明日の米指標発表にらみ(9/12夕)
12日の東京市場はドルが底堅い。上値も重く上げ渋りの様相だったが、146円半ばレベルでは下値も堅かった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。