東京市場は買戻し優勢で146円台後半で推移、米CPI見極めムード強まるか(23/9/12)

東京時間のドル・円は、植田日銀総裁のタカ派的な発言報道によるショックが海外時間で落ち着いたことから、前日の下げに対する買戻しが進み146円台後半で推移した。

東京市場は買戻し優勢で146円台後半で推移、米CPI見極めムード強まるか(23/9/12)

東京市場は買戻し優勢で146円台後半で推移、米CPI見極めムード強まるか

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田日銀総裁のタカ派的な発言報道によるショックが海外時間で落ち着いたことから、前日の下げに対する買戻しが進み146円台後半で推移した。

昨晩の海外時間では、植田日銀総裁のタカ派的な発言を警戒した雰囲気があったものの、来年の日本の賃金動向や世界経済見通しについての不透明感が消えていないことで「日銀が金融緩和策を大幅に見直すことは実質難しい」との考えが先行、ドルは買戻しが優勢に。買戻し一巡後は、146円台でのもみ合いとなった。

東京時間も、海外時間と同様の雰囲気となり、前日の下げを取り戻す展開となった。債券市場で日本の10年国債の利回りが0.718%と前日の水準を上回ったが、為替市場への影響は限定的。ドルは狭いレンジでの推移となったが、じりじりと値を戻す動きを見せた。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:146円53銭
高値:146円87銭
安値:146円44銭
終値:146円82銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円51銭
高値:157円78銭
安値:157円38銭
終値:157円63銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円21銭
高値:94円44銭
安値:94円06銭
終値:94円31銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:183円33銭
高値:183円79銭
安値:183円24銭
終値:183円65銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32629円16銭
高値:32799円69銭
安値:32486円48銭
終値:32776円37銭(前日比+308円61銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

18時00分、欧、ドイツZEW景況感指数、前回:−12.3、市場予想:−14.9
18時00分、欧、ユーロ圏ZEW景況感指数、前回:−5.5

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。11日に20日移動平均線(MA)を一時下回ったが、即日で値を戻していることから強いトレンドは継続と考える。

海外時間では、植田日銀総裁のタカ派的な発言の影響は限定的だったことで、市場は安堵した感がある。結果として、東京時間だけ右往左往した格好となったが、日本国債の10年債利回りは本日も上昇しているほか、株式市場で昨日買われた銀行株は本日も買われていることから「日銀による金融正常化の前倒し」は意識されたままのように見える。

市場では、「植田日銀総裁の発言の真意は、マイナス金利解除ではなく、足元の円安抑制にあるのではないか」との声も聞かれる。実際、日本の4−6月期GDPは内需の減少を示しているほか、日銀が重要視している需給ギャップもマイナスのままである。現状のデータではマイナス金利解除は難しい状況であることから、もしかすると、植田日銀総裁の発言は、為替水準の是正を意図した口先介入だった可能性もある。

植田日銀総裁の発言の真意はわからないものの、昨晩以降の為替、債券、株式市場を見る限り、「いい所取り」といった印象で、ポジティブな捉え方をしている。どちらにしても、7月28日の日銀会合後の記者会見、そして、今回の報道ともに、植田日銀総裁の発言は、為替市場に大きな影響を与えるケースが多く、消化するのに1日前後かかっている。一国の中央銀行総裁なのでそれだけ影響力があるのは当然だが、厳しい表現をすると、市場との対話(コントロール)がまだまだ不十分といったところか。

今晩の海外時間では目立った材料が観測されていないことから、明日の8月の米消費者物価指数(CPI)発表を見極めたいとするムードが強まると推測。ドルは昨日の下落の戻りを試すものの、147円台では上値が重くなると考える。上値メドは147円50銭、下値メドは東京時間の安値水準の146円50銭とする。

東京市場は買戻し優勢で146円台後半で推移、米CPI見極めムード強まるか

ドル円日足

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