147円台でのドル強保ち合い継続か
〇本日ドル円、年初来高値147.81をわずかに更新後、終盤にかけて小緩む、16時現在147.50-55で推移
〇利上げに関し、米国は依然として強気コメント、経済指標も比較的良好
〇トレンドとしてのドル高・円安が見込まれる、150円に向けた緩やかな上昇が続く可能性も
〇本日は米新規失業保険申請件数、米地区連銀らによる発言に注目
〇欧米時間のドル円予想レンジは147.00-148.00、ドル高・円安方向は147.85-90が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、147円をめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場は、引き続きドルが強保ち合い。終日を通し、おおむね147円半ばより上のレベルで推移している。
ドル/円は147.65円レベルで寄り付いたのち、当初は上値を試す展開。前日記録した年初来高値147.81円を本日もわずかに更新している。ただ、円買い介入警戒なども根強く、目先高値を示現後はジワリと調整の動きが優勢に。終盤に掛けては小緩むと、16時現在では147.50-55円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「各国金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、昨日は事前予想通りカナダ中銀が政策金利の据え置きを発表するなか、英中銀総裁も弱気コメント、「利上げサイクル終了にかなり近づいている」と発言したとして話題に。また、ECB理事会メンバーでもあるイタリア中銀総裁も、「ECBは利上げを停止しなければならない水準にほぼ達した」との考えを示したという。一方、米国のボストン連銀総裁は、インフレ抑制に前進の兆しが出ているとしながらも、「FRBは金融政策の次の動きを慎重に決定していかなければならない」と指摘していたようだ。
対して後者は、福島処理水をめぐり日中間で緊張したやり取りが観測されるなか、米中間でも激しい鍔迫り合いが観測されていた。米USTRが「対中制裁関税352品目の除外を年末まで3ヵ月延長する」と発表した反面、米紙WSJは「中国が中央政府機関の職員に対し、アップルのiPhoneをはじめ海外ブランド端末の公務での使用や職場への持ち込みを禁じた」と報じ、思惑を呼んでいたようだ。なお別に、朝鮮中央通信は、中国の劉副首相率いる共産党と政府の代表団が、北朝鮮の建国記念の祝賀行事に参加するため今週、同国を訪問すると報じている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は連日の高値更新をたどっているが、そのスピードは極めて鈍く、さながら「牛歩」といった様相。レベル的なものではなく、スピードだけでいうならば、当局が懸念する「急激な円安」や「過度の変動」などといった事象にはまったくあてはまりそうにない。いずれにしても、まだしばらくのあいだトレンドとしてのドル高・円安が見込まれており、150円に向けた緩やかな上昇が続く可能性もある。
14日に予定されているECB理事会を皮切りに、翌週19-22日の日米金融政策発表という一連の流れが注視されるなか、上記したように昨日は英国と欧州で弱気コメントが聞かれていたことは興味深い。それに対して、米国は依然として強気コメントを発する向きが多く、米経済指標も比較的良好となっている。予断を許さないものの、本日も発表される米経済指標や発言などに一喜一憂しつつ、ドルは基本的に底堅い値動きをたどるという流れに変化はなさそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は円買い介入警戒もありドルの上値が重いものの、一方で下値もかなり堅そうだ。実際、5日の欧州時間に147円台へと乗せたあとは、ほぼ147円以下に下落することなく推移している。147円前後でドルの下値が支えられれば、ドル高トレンドに変化はないと言えるのかもしれない。また、仮に下回っても介入など不測の事態でなければドルの下値は限られそう。
本日は米経済指標として、4-6月期の単位労働コスト改定値や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるほか、フィラデルフィア連銀総裁による講演など米地区連銀らによる発言機会も少なくない。内容如何では市場の波乱要因に。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.00-148.00円。ドル高・円安方向は本日東京で記録した147.85-90円が最初の抵抗。超えれば148円台乗せをうかがう。
対するドル安・円高方向は、先でも指摘した一度回復して以降ほとんど割り込んでいない147円をめぐる攻防にまずは注目。ただ割り込んでも、取り敢えずは146円半ば前後が精々か。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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