東京市場は連日で年初来高値更新、実需のドル買いもドル高円安要因か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、実需のドル買い観測を背景にドルは上昇、昨日の年初来高値を更新した。
昨晩の海外時間では、8月のISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことから米10年債利回りは8月23日以来となる4.3%台まで上昇。米利回りの上昇に引っ張られたドルは年初来高値こそ更新できなかったものの、高値圏でのもみ合いとなった。
東京時間では、時間外での米債券利回りの上昇は一服となったものの、連日の実需筋とみられるドル買いが値決めの10時頃に入ったことから、年初来高値を更新、147円88銭まで上昇した。上げ一巡後は、昨日同様、上値が重くなったものの、連日で年初来高値を更新するなど強いトレンドの地合いとなっている。なお、株式市場では、日経平均が9日ぶりの反落となったが、為替市への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:147円66銭
高値:147円88銭
安値:147円49銭
終値:147円59銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円36銭
高値:158円52銭
安値:158円11銭
終値:158円20銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円25銭
高値:94円31銭
安値:93円87銭
終値:94円14銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:184円58銭
高値:184円77銭
安値:184円32銭
終値:184円42銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33118円55銭
高値:33322円45銭
安値:32986円35銭
終値:32991円80銭(前日比−249円94銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時30分、欧、エルダーソンECB理事が講演
18時00分、欧、ユーロ圏GDP(前期比)、前回:0.3%
18時00分、欧、ユーロ圏GDP(前年比)、前回:0.6%、市場予想:0.6%
21時30分、米、非農業部門労働生産性指数(前期比)、前回:3.7%、市場予想:3.7%
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:22.8万件、市場予想:23.5万件
23時00分、米、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が会議に出席
24時45分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁が年次会議で挨拶
28時30分、米、ウィリアムズNY連銀総裁がマーケット・フォーラムに参加
28時45分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演
29時55分、米、ボウマンFRB理事が年次フィンテック会議に参加
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。先週末に長い下影(下ヒゲ)を残しており、上値を探る形状と言えよう。
連日で東京時間10時前に実需筋とみられるドル買いが観測されている。市場では、「サウジアラビア自主減産の3か月延長(今年12月末まで)を受けてのエネルギー関連企業を中心としたドル買い」との声が聞かれる。サプライズの3か月延長を受けて、足元の原油価格上昇は瞬間的なものではなく、年内は続くとの見通しが強まっており「原油価格上昇→米を筆頭とした世界的なインフレ再加速→米債券利回り上昇→ドル買い」という構図が意識され、様々な企業がドル確保に走っているとの話だ。とりわけ、原油価格がダイレクトに影響するエネルギー関連企業は早めの対応が迫られているようである。
「実需筋のドル買い」が連日で入ってしまうと、政府・日銀による口先介入の効果は弱まるだろう。そして、仮に為替介入を実施し、ドルが急落(昨年9月、10月の介入時はどちらも5円強急落)しても、原油価格は右肩上がりが想定されている以上、ドルを確保した企業等に「絶好のドルの買い場」を提供するだけで、ドル高円安のトレンドは修正できないと考える。
150円手前ぐらいで、レベル5(筆者が勝手に考えた水準の最上位)に該当する「断固たる措置を取る」といった口先介入が行われるだろうが、原油価格を起点としたドル高円安の是正は難しい。現状の世界情勢は、年内、このトレンドが継続する状況と考える。
今晩の海外時間も、原油価格と米国債利回りに引っ張られる展開を想定する。雇用関連の回復につながる米経済指標やインフレを警戒する要人発言も加われば、148円台突入の地合いか。今晩の上値メドは、年初来高値水準を上回る148円40銭、下値メドは東京時間の安値水準をやや下回る146円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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