Jホール会合にらみ、基本はドル強保ち合い
〇本日のドル円、全体的に動意は乏しく145.55-90といった35ポイントほどにとどまった小動き
〇依然としてドル高方向にバイアスだがドルの上値も重い
〇Jホール会合、パウエル議長講演がもっとも注視されるが、初参加の植田日銀総裁の発言警戒する声も
〇本日は8月製造業PMI速報や7月新築住宅販売件数などの米経済指標が発表予定
〇ドル高円安方向は146.10レベルに弱い抵抗あり。抜ければ昨日そして一昨日高値146.40-45目指す
〇ドル安円高方向は、昨日安値145円半ばの攻防にまず注目。割り込んでも大崩れは予想しにくい
〇欧米時間のドル円予想レンジは145.10-146.30
<< 東京市場の動き >>
23日の東京市場は小動き。24日からのジャクソンホール会合にらみといった向きが多く、積極的な売買は手控えられている。
ドル/円は145.85-90円で寄り付いたものの、全体的に動意は乏しい。実際、値動きは終日を通し145.55-90円といった35ポイントほどにとどまっている。ただ小動きながらも、当局の介入警戒などが影響してか上値は重い。ドルの頭の重さが再確認された格好だった。16時現在では145.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「BRICS会議」について。
前者は、米商務省が、来週レモンド商務長官が中国を訪問し、政府高官や現地の米企業トップと会談すると発表し物議を醸す。不動産リスクなどが顕在化するなかの訪中だけに、思惑を呼んでいる面もありそうだ。そうしたなか別途、米国務省が「チベットの人権問題」を理由に複数の中国当局者に対するビザ(査証)発給を制限すると発表していたほか、サリバン米大統領補佐官からは「過去数ヵ月、中国の基本的な経済指標に関する透明性が低下している」との発言が聞かれていたようだ。
対して後者は、南アフリカでBRICS首脳会議が始まったこともあり、参加者による発言を含めた関連ニュースが目に付く。しかし、一部では不協和音も取り沙汰されていたようで、実際にブラジル大統領から「BRICSはG7に対抗するものではない」として対立回避を強調する発言が聞かれた反面、中国国家主席や南アフリカ大統領からは「欧米の対抗軸になるようBRICSの拡大を目指す」旨のコメントが発せられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
足もとのドル/円相場は小康状態。大きな流れは依然としてドル高方向にバイアスが掛かりそうだが、24日からのジャクソンホール会合をにらんでか、目先は方向性を欠いておりレンジ取引の様相が強まっている。油断は禁物ながら、いましばらくボックス相場が続く可能性が高い。基本的には145.00-146.50円といったなかで、一進一退を続ける見込みだ。
市場筋の多くは24日から始まるジャクソンホール会合を注視している。そのなかでも、もっとも注視されているのは25日のパウエルFRB議長講演だが、同会合に初参加する植田日銀総裁の発言を警戒する声もあるようだ。もちろん内容如何ではあるものの、意外に植田氏がやや突っ込んだ発言を行い、市場のかく乱要因になるなどといった声も一部で取り沙汰されていた。いずれにしても、今週末にかけては両氏の発言を中心に思惑が交錯、相場が波乱含みの展開をたどる可能性も。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場はドルの強保ち合い。改めて指摘するまでもなくドルの上値は重いのだが、先週15日以降しっかりと145円を下回ったことはないなど下値もかなり堅い状況だ。とは言え、ジャクソンホール会合を受けた今週末、あるいは来週初めにも次の方向性に向けた動意がはじまる可能性もある。つまり現在は嵐の前の静けさで、束の間の休息なのかもしれない。
本日は米経済指標として、8月の製造業PMI速報や7月の新築住宅販売件数などが発表される予定となっている。また来年に予定される、米共和党大統領選候補者の討論会が実施される見込みだが、トランプ前大統領は早々に欠席を表明しており、市場の関心もやや低下している。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.10-146.30円。ドル高・円安方向は146.10円レベルに弱い抵抗あり。抜ければ昨日そして一昨日高値の146.40-45円を目指す。
対するドル安・円高方向は、昨日安値が位置する145円半ばの攻防にまず注目。下回ると145円割れが意識されるが、仮に割り込んでも大崩れは予想しにくい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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